帝国速報4 派遣者を決めよう
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side 主人公
城に戻り主要人物たちの集まる皇帝の執務室にまっすぐ向かう。そこに令息もいることは分かっている。
衛兵は白いマント姿のわたしを特にとめたりしない。万が一とめられたとしても、令息に連絡すれば通してもらえるだろう。
それに一刻を争うならば転移で即移動してもいい。ただあまり知られない方がいいと思うし、あとは正体不明の人物が、城内を自由に出没しているというのはあちらも不安だろう。
ならばこうして、正々堂々と歩き回ればいい。もちろん気配遮断を使えば転移も気づかれにくいと思うし、やり方はいろいろあるのだろうが。
今回はこれでいいというだけだ。それに自重はしていない。あちこちに転移は仕掛けているので、城でも街でもどこでも行きたい放題だ。
皇帝の執務室の前に立つ衛兵に用があると伝えると問題なく通される。ちょっぴりだけこれでいいのかなぁと思う。
side ある帝国の皇太子???
白いマントの乙女が帰って来た。令息が教会での対応について訊ねている。
獣人たちは祖国に帰ることを希望する者が多かったので、旅支度といくばくかのお金を荷物に入れてそれぞれ送って来たそうだ。
外国人の件は令息の報告通り、魔獣と魔物は基本元いた場所に戻してきたという。まったく驚くべき機動力だ。いくら魔力が豊富でも大陸は広大だ。その上、よく帰す場所が分かるものだ。
旅支度と見舞金について明細を渡すので補填してくれと、令息を通じて言われた。やれやれしっかりしている。
取り調べや帝都の状況について聞かれたが、なにしろ罪人が多すぎて取り調べで手いっぱいだと伝えた。
どうも進捗が遅れていると思われている気がする。しかし人手が足りないのだから困ってしまう。
すると白いマントの乙女から鑑定水晶を提示された。この水晶、鑑定能力が高いという。この水晶を使い取り調べにかかる人数を数人くらいまでに減らし、各領地や国境の対応に人を回せないかという。
帝国全土を急ぎ掌握しないと拙い気がするというのだ。わたしだってまずいと思っている。ついでに次の皇帝は皇太子か聞かれた、ついでかよと思ったがまぁいい。
わたしは叔父上でもいいと思うのだが、皆わたしにやれという雰囲気を出している。正直、皇帝でなくとも帝国のために生涯をかけて働く気持ちであったから、皆が望むなら皇帝になろう。だがわたしは凡百だ。人がいいだけの、ただの人間だ。いいこと、悪いことは分かるが、国にとってのいいこと、悪いことは実はよく分からない。そんなわたしが贖罪のためといえど、国主に就く。不安しかないのだが。
乙女に叔父上が皇太子が後を継ぐといっていた。おいおい叔父上、決まりなのか、話し合いも無しなのか?
乙女がわたしに何?嫌なの?と声をかけてくる。嫌そうに見えるのか?不安なのだと答える。この追い詰められた国を背負うのがわたしでいいのか。もっと有能な人材を探すべきなのではないかと。
乙女はわたしをしばし見つめるとはぁ〜とため息をつき言った。
「この国難の瞬間に都合よく皇太子がいる。それは巡り合わせ以外の何ものでもない。生命を取りとめ再び都に皆と共に戻ってきた。これが天の配剤以外のなんだというのか。今この国に求められているのは優秀な人材ではなく、今この瞬間にこの国にいてこの国を想うこの国の人間ではないだろうか。あなたはこの国の皇帝になる。なった後、何年かして退位してもいいのでは?あなたが相応しいと見込んだ優秀な人材が育っていたならそれでもいいでしょう。」
そうか、今この国に必要とされている、それだけでいいのか。しばらく頑張ろう。
乙女にわたしが皇帝になると言うと、叔父上に感謝された。側近たちや大臣たちも感謝を伝えてきた。
乙女はわたしに皆を集めさせた。罪人を1人連れてこさせ鑑定水晶に触らせた。出身地から配偶者、子供、経歴、交友関係、取引相手、資産状況、罪状まで記載されている。
取り調べは以降この鑑定水晶を用いること。取り調べが進むはずなので、人員を縮小し領地と国境の治安維持、資産差押、兵力の掌握をお願いする。
わたしは乙女に言われてその場で皆と相談しながら、どこに誰を派遣するかを決めていった。また味方と思われる貴族家にも使者をたてる。
乙女曰く、帝都と派遣先の領地の広場や役場にそれぞれ転移陣を設置しておくので、行き来に使っていいとのこと。もし、向こうで住民ごと避難が必要になったら、住民にも転移陣を使って帝都に避難させていいそうだ。
派遣する者たちにも鑑定水晶を持たせ、住人や兵士たちを子供から老人まで全て鑑定して風通しをよくしてしまえと言われた。その上で見どころがある者を役人や兵士に取り立てればいいと言う。
乙女からお仕着せの配給があった。一領地あたり二百着。これを使者や派遣する者たちに持たせるのだと言う。ついでに教練の一覧表までついている。いったい何をするつもりなのか。
国境の軍が駐屯しているところには、叔父上が行くそうだ。乙女が何か渡していた。叔父上に何かきくと、3回使い切りの魔道具で威圧の角笛、従う指揮棒、救援信号付き大型結界一万人用十個。ただし戦争回避の目的に使用すること。用済み後は令息に返却すること。
ナニソレ。そんな魔道具聞いたこともない。いったいどうなるんだ。
たくさんの作品がある中で
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