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謁見

みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

side 主人公


 あとどれくらいで王都に着くか確認すると、まもなくらしい。まぁ、さっきまで王都にいたのに白々しいって?いやいや、わたしは馬車にいたのだからこれが自然なのだ。


 あれ、なんだか荷物を背負って逃げている人がいるぞ。


 御者の人に理由を聞いてもらう。なんでも、王都に魔物が出たそうだ。


 えっ?人々が襲われていると?えっ?なぜ?


 襲われているのが貴族や富裕層のため、なにか魔獣や魔物が逃げ出したのでは?という噂らしい。


 わたしは逃げて来た人たちに落ち着いて情報収集することを進めた。そんな家をほったらかしたら不用心だし。外に避難するような状況ではないと思う。今回だけは!


 怪しまれつつも、みな混乱から少し落ち着き逃げて来た人々で固まって方針を検討しているみたいだから任せて王都に向かう。


 さすが王都への道は、幅も広く馬車も通りやすい。あまりガタピシもしないし。馬車同士がすれ違うこともできる。おお、城門が見えてきた。昨日は夜だったし、素通りしたのでこんなふうにしっかり見ていなかった。


 大きいし、立派だし、風格がある。彫刻も複雑で優雅なのに頑丈そうだ。


 一応門番が立っているけれど、人が出てくる一方だ。御者の人がまた話を聞きに行ってくれた。


 なんでも夜中に騒ぎがあり取り調べの最中で、安全の確認がまだできていないので入場を制限しているのだそうだ。


 ただ街の人たちが自主避難するのは止めていないという。(パニックになっても困るから)


 わたしたちは辺境伯領から回復の儀をとり行うために来たこと。国王陛下にも謁見を願うつもりで紹介状も持参していることを伝えて入れてもらうことになった。


 あと門番の方の計らいで、王宮に到着の連絡を入れてもらえることになった。わたしたちがお城に直接願い出るよりはたぶんスムーズに行く気がする。


 泊まるのは辺境伯のお屋敷だ。辺境伯の後ろ盾があるのに下手に民間の宿に泊まるのはやめておいた方がいいらしい。


 門番さんに辺境伯のお屋敷の場所を教えてもらい、そちらに滞在する予定だと告げた。


 それほど心配してはいなかったが、街中は血みどろではない。基本的には屋敷内や建物内の各部屋が現場だから惨状になっているとしたらそちらだろうと思う。


 さらりと馬車の窓から見ただけだが、兵士の出入りの極端に多い屋敷と静かに周りを警戒しつつ、情報を集めているのかお仕着せを着た人が時々出入りしている屋敷に分かれるようだ。


 静かな方は黒くなかったからだろう。つまり、まともな貴族ということだ。


 貴族街は、とても広々としておりさらに整備されていて美しい。広い敷地に整えられ手入れの行き届いた美しい庭。見ているだけで楽しめる。


 四季に合わせて変化を出したり、持ち主の好みに合わせて趣向を凝らしたり、さすが王都の貴族街だけあると思った。


 その中でも辺境伯のお屋敷は、質実剛健なのだろう。清潔感に溢れ威風堂々としていて辺境伯らしい感じがする


 門番の人に来訪を告げてしばらく待つと門を通された。ゆったりした馬車道を道なりに進むと正面玄関につく。


 平民が馬車で正面に乗り付けていいのか不安になるが、今は白いマントの乙女の姿なのでそんなにおかしくはないはずと思い直す。


 玄関ではお屋敷の執事の人が出迎えてくれた。


 お待ちしておりました、とすんなり受け入れてもらいひと安心だったが、通された部屋が立派過ぎていいのかなと改めて不安になってしまった。

 

 もうおひとかたは?と聞かれて後から合流するといっておく。そうなる予定だし。


 昼食を用意してもらったのでいただく。さすが辺境伯、美味しいし盛り付けとか綺麗だったので連れの分もお願いし、アイテムボックスへ入れた。


 食事のあとはまた部屋に戻されたので、思わず寝てしまった。お腹いっぱいでふかふかベッドには抗えなかった。


 ちょうど感覚的には15時くらいだろうか。声をかけられて目が覚めた。もちろん変身は解けていない。


 王宮から遣いがきてこれから謁見するという。スケルトンナイトにもう一人分のマントを着せて2人で謁見に向かう。一応辺境伯のつけてくれたお供の人も一緒だ。


 王宮が用意してくれた馬車に乗って、20分くらいで到着した。紹介状をみせたり、身分の確認はされたが予想よりも問題なく謁見の控え室まで通された。


 入るよう指示されて謁見の間に入ると、広いわりには少人数が奥の方に玉座を囲んで立っている。皆疲れた様子を隠しきれていない。無理もないと思う。


 ある程度の近さで止まり指示を待つ。もう少し近くへ、というので一歩前へ出て跪く。なんの敵意もないことを態度で示す。


 マントを取るように言われたので、驚かないでほしいことを伝えると元の姿に戻る。スケルトンナイトも自分でマントを脱いでいる。地味にかわいいとわたしは思うがまわりはギョッとしていた。


 辺境伯からは子供と若者が謁見すると根回しされていたようだが、本当に子供がメインとは思っていなかったのだろう。もう1人はどうした!と言われたので潜入調査中と答えた。


 詳しく話すには、やはり人を選別する必要があります、と告げるとこの場にいる者には話してよいというので昨日からのことを説明する。


 おまえの仕業か!と責められたが罠をそのままにはできないし、隷属の魔道具に操られている人々を解放し、浄化したら浄化に耐えられなかった人々がいただけです、と申し開きを行った。


 昨夜からかなりの方が亡くなったらしいが、つまり悪い奴らがそれだけいたってことだよね。どのみち片付けないと逃げて被害者が増えるだけです。


 一度根こそぎ刈り取った方がさっぱりしますよ、と言っておいた。


 ついでに証拠の品や隠し戸棚や隠し金庫の場所もスケルトンナイトなら投影できますよ、と捜査に協力を申し出ておく。


 皆が諦めムードになったのを見計らってわたしがクリーンをかけましょう、と申し出る。ひと部屋金貨1枚でパッと綺麗にする。血の跡はおろか埃さえない仕上がり。国王陛下からお褒めの言葉と共に30部屋分頼まれた。


 これを見ていた重臣の方々のお引き立てにより、後ほど他の貴族のお屋敷もクリーンしに行くことになった。


 話し合いの中で、お前ならばもっと穏便な方法もとれたのでは?と言われたが、それはどうだろう。


 わたしは鑑定して悪人ならば即チリに還している。今回はあとが残らないと困るのでチリはやめたが、排除を躊躇うつもりはない。


 いつもは盗賊とかの賞金首や人攫いだが、今回はまだ世の中である程度の立場がある人間。ということはなぜこのような事態になったのか理由がいる。


 まぁ理由があるからこうなったわけだが。その問答無用の理由を広く知らしめ、決して有耶無耶にさせないこと。今まで地位や権力でなかったことにしてきたすべてを余さずすべて白日の元に!はさすがに無理でも。


 その苦痛は罪の証し、つまりまだ息のある者たちがいて、一応100日まではもたせるように調整もしているので地下牢に入れてもいいし、公衆に晒すのでもいいと思いますよ、とオススメしておいた。


 というわけで、それぞれの者たちが己が生命をもってその罪を償う。今まで成した財貨はその賠償とする。その身内であっても悪事に加担していなければ罪は免れる。


 国が法により裁くのは結構とは思うが、あまり時間をかけることはできないだろう。帝国がきな臭いこのとき、ウジはサッサと始末して諸外国と連携すべきであると思う。


 なによりやることが目白押しだ。


 王都でも回復を行うことをお願いすると、それ以前にいろいろ頼みたいことがあるという。


 教会と連絡が取れなくなっており、王命でも従おうとしないこと。人手が足りなくて、立てこもられて困っていること。


 回復の儀もさることながら、呪いの影響を受けた者や隷属の魔道具の被害を受けた者が多すぎて医師がまるで足りないこと。


 街の治安を維持する人員も足りず、民の日常生活に支障が出ており今は儀式を取り行えるような状況ではないことを訴えられて、まぁ、はじめたのが自分なだけに事態の収拾に協力することになった。



 

 




 


 

 



 


 

 


たくさんの作品がある中で

お忙しい中お読みいただきありがとうございます。

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