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恐竜?

「福井といえば?」


地域発見部2回目の活動会議は吉江の急な一言から始まった。


「メガネ」

「カニ」

「メガネ」

「ちはやふる」


「ノーノー、福井といば〜...」


「ダイナソー!!」


「恐竜か...」


会えて英語で言ったのは吉江がちょっとカッコつけたかったのだろう。


「ということで今回は恐竜を再発見しに行きます!」


「まさか勝山まで行くのか!?」


「ノーノー、勝山までいかなくたって恐竜と会える場所があるでしょ〜」


「福井駅」


「はい!ゆめまる正解!」


福井駅前には恐竜がいる。

恐竜がいるのだ...。


「それだけじゃすぐ終わると思うのだが...」


前回のような中身のない活動ではよろしくない。そう思ったのは長であった。


「まぁそうだね。取り敢えず駅前全体を探検しようか!」


「「異議なし」」


2回目の活動会議はあっさりと終わった。

これも吉江が睡眠時間を10分ほど削って考えてきたおかげだろう。


中身が決まればあとは時を待つのみ。

午後の授業をほどほどにやり過ごして放課後を待つ。

吉江は削った睡眠時間を取り戻すために午後の授業も爆睡していた。



「よし。放課後だ!出発!」


放課後ともなると活動時間は限られてくる。

帰りのHRが終わると3人はすぐに学校を出た。


学校から福井駅までは歩いてけない距離ではないが、時間もないので3人とも自転車で向かう。


「駅前まで競争だー!」


吉江が勝手に競争を始めると1人自転車を加速させた。


「吉江の一位が確定だな。」


「参加者1人。」


1人先に行ってしまった吉江をよそに、長と夢はのんびりと自転車を進めていた。



だいたい駅までは10分ほどである。

駅に到着した長と夢は線路の高架下の適当な場所に自転車を止めるとさっそく課題に取り掛かる。


「まずは吉江探しだな。」


「途中で疲れて足羽川にドボンしたかも」


(否定はできないな...)


「取り敢えず恐竜のとこに行くか。あいつ恐竜って言ってたし。」


福井駅には恐竜がいる。

そこそこでかいのだ。



2人が恐竜広場に歩を進めると吉江がいた。


「あいつが単純で助かる...」


「ちょっとー2人とも遅い!」


「それで何するの?」


「こいつらと仲良くなろう!」


「じゃあ先ずは名前を教えてもらわないとな。」


ここには3匹の恐竜がいる。でかいのが1匹と小さめのが2匹だ。

しかし大抵の人はその学名を知らないだろう。

それを吉江が知っているわけはなかった。


「うーん...ここはゆめまるに譲るよ。」


「この黒くて大きいのはフクイティタン。小さいのがそれぞれフクイサウルス、フクイラプトル。」


「よく知ってるな夢。」


「授業中に調べた。」


そう言う夢の顔はなかなかのドヤ顔だった。


「うん。ありがとうゆめまる。私が言いたいこと全部言ってくれた!」


「グガッ」


「おーそうだな恐竜よ。」


ここの恐竜はちゃんと鳴く。それに動く。

しかしとうの昔に滅んだ恐竜の鳴き声などわかるものなのだろうか...


「この子ら雪降った時は寒かろうね〜氷河期を思い出すんじゃないかねぇ。」


「そういえば前の福井の大雪の時はこいつらも雪に埋もれてたな。」


「福井は氷河期か...」


まるで大寒波であった。


「さてここで見るのはこんくらいかね。次はハピリン!」


ちなみに福井駅にはこの恐竜モニュメントだけでなく、駅舎にも多くの恐竜が描かれている。

こんなに恐竜まみれの駅は世界にもそうはないだろう。



「駅前の象徴といえばハピリンだね。」


「福井で1番大きな建物。恐竜よりでかい。」


ハピリンは2016年にできた超高層ビルである。福井県内で最も高い建築物でもある。


低階層は商業施設が高階層にマンションが入っている。

外見的にも特徴的なのはプラネタリウムがあることである。

また併設する屋根付き広場ではスケートリンクの設置や様々なイベントが行われている。


「何だかんだいつも人はいるね。」


「西口のあれよりかはマシ。」


「それにハピリンには大きな強みがあるしね!」


「その強みとは?」


「バーガーキングがある!」


「それは強みなのか...?」


「当たり前じゃん!バーガーキングは日本全国でも100店舗もないんだよ!北陸で唯一だよ!富山はおろか石川にもないんだ!石川に勝ったぞ!」


「誇っていい」


北陸民はなにかと県同士で競いたがるものだ。


「そうか...、あとは他の飲食店や土産物屋だな。」


「駅の目の前だからお土産とか特産品とか見にくる人が多いのかね。」


「ちゃんと人が呼び込めているならいいことだな。」


「よし。今度は外だ!」


ハピリンを出た3人は福井駅前通りを歩く。


「メイド喫茶行ってみたかった〜」


駅前通りには以前メイド喫茶があったのだがいつのまにかなくなってしまった。

行ってみたかった!


「正直駅前出てもそんなにすることないよな。」


「ぶらぶらするだけも一興だよ、とだちょー?」


(こいつにこんな風に言われるとなかなかムカつく...)


「この辺も今後再開発が進むから風景も変わってくる。」


「全体的に古い建物ばっかだもんねー。」


駅前もまだまだ絶賛再開発中である。


「せっかくだし今川焼きでも買って帰ろう!」


駅前通りには昔から人気の今川焼きのお店がある。

駅前で食べ歩きするならもってこいだ。


「さぁ...そろそろ帰ろうか。」


「ちょっと疲れてきてるだろ...」


「最後に県庁でも見てきますか。」


福井県庁は駅からすぐのところにある。


「福井城址の上に建てたことは許されない。愚の骨頂。」


福井県庁は福井城址の上石垣の上に立っている。ちゃんとお堀に囲まれている。

歴史好きな夢はそれがどうも気にくわないようだ。

実際気にくわない。もっとも移転計画も出ているようではあるが...



「はい、という事で一通り見て回ったけどどうです?」


「駅前というだけあって人は多いな。お店も多いし。」


「そうだね。あと恐竜君たちを置いてるのは個人的に悪くないと思う!」


「城址に県庁建てたのは悪いけど。」


「...まぁ、福井の玄関口だしここが先ず盛り上がってないとね。今後の発展に期待です。終わり!解散!」


吉江の無理矢理な締めで第2回目の活動は終わった。


「次回はとだちょーが何するか考えてきてね!」



県庁をどこかにやって城でも建てよう!



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