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結成?

人は住んでいる地域に何かしら愛着を持っているものだろう。定住期間が長ければ長いほどそれは強まる。


しかし、意外とそこに住んでいる人間も地域のことをよく理解しきれていない。もしくは忘れてしまっている。


そのような隠された地域の魅力を改めて見つけ直したい。


そんなことを考えている女子高生がいないこともなかった...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「我らが故郷を再発見しようじゃないか!」



3人しかいない放課後の教室で急にそんなことを言い出したのは山崎吉江やまざき よしえである。

彼女が突発的によくわからないことを言い出すのはいつものことであった。


「...急に何言ってんの?」


吉江の発言に一応返答してあげだのが富田長とみた ちょうである。


「よくぞ聞いてくれたとだちょー。我らが故郷福井の魅力を改めて見つけ出そう。そう私は考えたのだよ!」


これは何を聞いても同じような答えしか返ってこないだろう。そう思った長は相槌だけ打ってスルーしようと決めた。


ちなみに−とだちょー−というのは長のあだ名である。



吉江と長の会話はいつもこんな感じであった。よくわからないことを言う吉江とそれをスルーする長。


しかし今日の吉江は一味違ったのだ。



「福井を再発見するんだよ!」



なんと三度同じようなことを言ったのだ!

これはただ事ではない...。そう感じたのは長である。

普段の2人の会話は基本的に長がスルーした段階で終わりなのだ。


しかし今回はどうだろう。

なんと吉江は長がスルーした後も話を続けたのである。しかも同じような言葉で。

不文律がやぶられたのだ...!


この事態に長は焦った。

これはちゃんと応えるべきなのか?スルーしてもいいのか?...


「つまり何がしたいの?」

ここで言葉を発したのは吉江でも長でもなかった。

先程まで自分の机で読書をしていたもう1人の友人、朝倉夢あさくら ゆめであった。


「えっとねぇ...部活を作ろう!その名も地域再発見部!」


(少しだけ話が進んだのか?)

長は思った。


「活動内容は?ちゃんとした内容じゃないと部費もでないよ?そもそも部員が足りないけど?」


(あぁ...そんなに責め立てないでやってくれ...)

長は思った。


夢の質問に吉江が返答した。

「えっとー、部活を...作るんだよ...?」


これはダメだ。

吉江が死んでしまう。


「とりあえず担任に相談してみる?」

長の提案にほかの2人も頷いた。




「あっーーー!なぜだーーー!」

吉江らの部創立の願いは簡単に跳ね除けられた。

学校の取り決めで部活を作るには5人以上を集めなければならない。

その時点で3人しかいない吉江たちには無理なところであった。


長も夢もこうなるとは予想していた。しかし吉江の悔しがり方を見ると彼女は希望を持っていたらしい。

3人分の名前しかない部活新設の願いを担任の机に勢いよく叩きつけて提出したのは相当の自信がないとできないことだったろう...


「どうする?あと2人見つけるか?」


「いや、それは面倒だし...もう非公認でやろう!」


「えぇ...」


「吉江に賛成」


夢が吉江側についてしまった。

この3人グループでは民主主義を尊重していた。

つまり多数派が正義となるのだ。


「まぁ別に許可が必要なものでもないし適当にやっていきましょう!」


やる気があるのか適当なのかよくわからないのが吉江である。


「具体的に何をするの?」


「ん〜、まぁ外に出て地域を福井を見て回るのさ。先ずは学校周辺からかな〜」


「長はどう思う?」


「まぁ乗り掛かった船だし付き合うよ...」

吉江は絶対具体的なことは何も考えていない。

長は心の中で思っていた。


「ともあれ今日より地域発見部結成ー!」


「再が抜けてる...」





3人は皆帰宅部であった。中学校以来の仲でもあり放課後になれば自然と3人集まり、各人が好きなことをしていた。

しかしそんな彼女たちにも共同の目的ができた。

地域再発見部(非公認)という。


しかし彼女たちにアニメや漫画のような大きなイベントが巻き起こるわけではないかもしれない。


それは彼女たちの日常が増えたに過ぎない。





今度はちゃんと福井のご当地ものを書きます...

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