表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/23

9.膝まくら(大腿骨)


日が昇る前、俺は目が覚めた。



「オハヨウゴザイマス」



……骸骨が膝枕してくれていた。

いや、寝心地良かったし、ありがたいのだが。

素直に喜べない。



「おはよう」



俺は起き上がる。

ぐぅ~。



「朝食ニナルヨウナ物、採ッテキマショウカ?」


「お願……いや、人間の食べ物を知っているのか?」



モンスター食なんて、俺は食う気はないぞ?



「人間ガ、ヨク採ッテ、食ベテイル物ヲ知ッテイマス。

オ任セクダサイ」



骸骨は草木で覆われた入り口を開き、出て行った。



30分くらいしたら、両手いっぱいの木の実を抱えた骸骨が戻ってきた。



「ドウゾ!」


「こんなにいらな……いや、貰う。

ありがとう」



今食べないにしても、非常食として持っておくべきだ。


さっそく木の実の1つをナイフで割り、食べる。


……不味い。粉っぽい。

これは調理しないと駄目だ。


こっちはどうだ?

おお、ナッツっぽい。

これは当たりだな。


木の実を剥いて食べていると、日が昇り始めた。



「アア、ソロソロ土ニ還ル時間デス。

昨晩ハトテモ楽シカッタデスヨ。ソレデハマタ」


「ちょっ、待て! これ、お世話になったお礼にやる!」



俺は、手に持っているナイフを骸骨に握らせた。


骸骨は、土に沈んでいった。



「……本当に世話になった。ありがとう」



俺は骸骨の居た場所に頭を下げた。



「木の実を入れる容器が無いな」



いったん、洞窟の外へ出る。

その辺の草やツタをたくさん採り、一か所に集める。



「『ツール表示』、草のカゴを描いて……『実体化』」



成功だ。

草とツタで出来たカゴがポンと現れた。


洞窟に戻り、カゴに木の実を詰め、背負う。



「またなー!」



人の良い骸骨の居た地面に手を振り、俺は都市へ向かうことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ