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ちょとつ!@異世界にて  作者: 月蝕いくり
第二章~ルール無用のオヴェーション~
26/112

第8話 闘う前からアップテンポ

2021/04/03大規模修正&アップテンポ復活

 貴族社会での戦いは夜会の前から始まっている。

 誰に声をかけるか、その順番は、参加者を収めるだけの会場を確保できるか。

 料理の質、音楽家の腕、如何にして華やかな場をホストとして提供できるか。

 その上謀略蔓延る魔窟でもある。

 少しの気の緩みが軽んじられ、隙として映り、あっという間に食い物にされる。

 だからこそ貴族科における最難関単位に位置する。

 どの学科でもそうだが、必修科目は最難関単位に挑むための前段階でしかない。


「フォールンベルト卿は頷いてくれた。だがフュースト、グラウンド卿をあの場で誘う意味はあったのかな?」


「自分は高い身分を集めると認識させることで人数を絞れると判断しました。」


「……そうか、そう言う考え方もあったな。」


 今回声をかけるのはフォールンベルト家のご令嬢だけのつもりだった。

 そこでグラウンド卿にも声をかけることで、招待客の身分を絞ることができる。

 こうなればローズベルト卿、ハルト卿、シルヴィ卿も招待せねばならない。

 いずれもフォールンベルト卿と親しくしている間柄だ。

 標的を誘い込むことはできたのだし、後はこちらの采配で構わないだろう。


「しかし私の必修科目を利用しろとは。随分無茶なことを行ってくるものだな、父上殿は。」


 若干の嘲りを含ませた声。

 グレイ家は王室に属するがいわゆる分家だ。

 外から見れば上級貴族に並ぶが、王室と同様かと言えばここでも格差がある。

 だからこそ成果をあげて繋がりを広げ、権力を伸ばさねばならなかった。

 本音を言うならばもう少しばかりあのお姫様と交友を深めてから誘いたかったものだが、想像以上に彼女は鋭い。

 普段は他のクラスメイトと同じように接してくれるが、最後の一歩を踏み出そうとした瞬間に距離が離れる。

 この状況は父にも伝えてある。


「自分はカール様が捨て駒にされているように思います。……お館様も何を考えておられるのか。」


 にもかかわらず。

 失敗しても学園内であれば問題はない、無理やり手を打てと来た。

 壁の内が本当に独立しているのであれば問題はない。

 だが、今回のように外から手を出せるのだ。

 壁の中での失敗はそのまま外の世界に広まってしまう。

 悲しいかな貴族の世界は薄情だ、そうなれば縁を切られて失態ごと切り捨てられる。


「ははは、お前もそう思うか!」


 フュースト氏の感想にカール氏はたまらず笑い出した。

 エルエル嬢は息を飲むほどの美姫だ。

 年を重ねるごとにますます磨きがかかっている。

 聡明すぎる頭脳は短所にもなるが、囲い込んでしまえば武器になる。

 何もかも使い方次第なのだ、誤れば自らを傷つける。

 数年前から、グレイ家の羽振りが良くなった。

 大きな商会が支援を申し出てくれたのだ。

 相互利用はこの世界で珍しくもない。

 おかしな点は、その商会の力は閉鎖された学園街にも及んでいたというところ。

 お陰で随分優位な情報や道具を手に入れることができたのはありがたい。

 だが、だからこそ父は焦ったのだろう。


「――急激な成長には黒い噂がつきまとう、父上殿は実に小心者だ。」


 疑われないために。

 切り捨てられないために。

 周りの意見を封じるために。

 何より、王権へ手を伸ばす力を得るために。

 カール氏はそのために現当主に使われる駒でしかない。


「ものはついでだ。父上殿には悪いが、単位はしっかりいただくとしよう。ついでに今度こそあの美姫へ近づけたらなお良い。」


「そろそろ諦めたほうがいいと思いますよ、どうにもあの姫さんは初心なくせに異性の視線には異常に敏いですから。」


 華奢な体つきで庇護欲を掻き立てるくせに、鮮烈な光を宿す瞳。

 争いとは縁遠そうな細さのくせに、槍を持てばクラス一。

 口を開けば声色で思考が蕩かす。

 たまに髪をかき上げる仕草は眼差しと相まって年を疑うほどに艶めかしい。

 一方で異性からのそういう視線にはとても弱い。

 初対面の相手には認識阻害の魔道具を使わなければならないほど初心だ。

 甘味を頬張る時の幸せそうな表情がどれだけ周囲を魅了したのか彼女は知るまい。

 模擬戦で毎回楽しそうに舞う様子に心を打たれた生徒だって数しれず。

 ルゼイアを妬む者まで出てきている。

 生きていればそれでいいという方針から、傷付けず手に入れる方針へ変わるわけだ。

 例え彼女の持つ魔法が一切を無力化する危険なものと解っていても。

 自分たちだってそんな魔性にかどわかされた、馬鹿にはできない。


「ふん、グロウ商会から送られた楽器に不足はないな? 貴族科の伝手を使って、楽団の誘致は終わっているはずだ。フュースト、お前はそちらの確認を頼む。私は会場の出来を見てくる。」


 墓荒らし(グレイヴン)と称する面子から利益を得ている。

 ならば見合った動きはしなければならない。

 夜会としての主目的はフォールンベルト家ご令嬢の社交界デビューだ。

 お忍びで度々街に降りているが、公式の場では初披露。

 一方今回の墓荒らし(グレイヴン)の目的はご令嬢の隙と対策、粗探し。

 夜会となれば認識阻害の魔道具は持ち込めない。

 最大の懸念である魔法だが、これは礼儀に則って暴れないことを祈ろう。

 他にも計画があるのかもしれないが、学生である自分には知らされていない。

 その当たりは勝手に彼らが果たしてくれる。

 カール氏は単位のために夜会を無事成功に導ければ良い。


 * * *


 久々に馬車の移動だった。

 街中にあるとは言え貴族科の使う催事会場だ。

 徒歩で向かっては正気を疑われる。

 衣装は先日選んだイブニングドレス。

 化粧や香も少々程度、過度に飾らずとも認識阻害を行わないお嬢様は大変目立つ。

 手の甲部分やブローチの台座部分にはめ込まれたのは魔力撹乱効果のある真珠。

 髪は低めの位置で結わえたハーフアップツインテール。

 そこへ金髪が透けて見えるほど薄い白リボンを編み込んでいる。

 留め具も魔力撹乱の宝石がついたバレッタを用いている。

 左右に髪を振り分けているのは背中の紋章を薄っすらとでも見せるため。

 当然いつもの扇子型魔道具も最大出力、社交用デザインで助かった。

 徹底して固定魔法の発動を防いでいる。

 招かれた立場である以上暴力沙汰を起こすわけにはいかない。


「……セラ、私吐きそう。」


 完全武装のお嬢様からは幼さの要素はアクセント程度にしか残っていない。

 十三と言われても自分だって疑う。

 そんな楚々とした令嬢が柔らかく微笑みながらストレスを吐いた。

 従者は無慈悲にも首を振る。

 間もなく挨拶だ、耐えろ、ということらしい。

 今まで以上に太ももが涼しくて心もとない。

 ヒールが高くて動きにくい、全身の装飾が邪魔。

 言い出せばきりがないが、お貴族様とはそういうものらしい。

 ちなみにセラもメイド服ではあるが、主を損なわぬよう相応の化粧をしている。

 こうしてみれば二十代に見えるのだから化けるとはよく言ったものだ。


「フォールンベルト家、ご到着です。」


 扉が開き、セラが降り、手を取ってもらってようやく着地。

 こっ、と妙に足音が大きく聞こえた。

 細い指先を覆う長い手袋、手の甲に咲いた薔薇は深い青を引き締める。

 胸元から肩まで大きく開いたドレスの暗さは、肌の白さを一層際立たせる。

 装飾全ては着こなす本人を飾るための小物に過ぎない。

 集中する視線がそれを嫌というほど実感させる。

 伏せていた瞼を持ち上げれば、色とりどりの礼服で着飾った人の群れ。

 深い碧の瞳が色、好機、感嘆、驚愕、それに混ざる探るような視線を受け止める。

 回れ右したくなったがそうもいかない。

 ここから会場までまだほんの少し距離がある。

 まずは眼前で硬直している主催者、カール氏へ挨拶をしなければ。

 きゅ、と紅を差した唇を笑みにして、片手でスカートをつまみ上げる。


「この度はお招きにあずかりまして光栄です。フォールンベルト家が長女、エルエル・シル・フォールンベルト、ただいままかりこしました。カール・フォン・グレイ様におかれましては御壮健の様、何よりです。」


 顎を引き、背筋を伸ばして腰を曲げる。

 さら、と柔らかな金髪が白い肩にかかけるが、ふわりと風に乗って後ろへ戻る。

 髪質に癖がなさすぎるのも考えものだ。

 ふと気がついた、周りから音が消えている。 

 お嬢様の甘く透明な声だけが波紋のように場へ広がる。

 足音が響いて聞こえるわけだ。


「――こほん。」


 セラの咳払い。

 ようやく学生たちが我に返った。

 助け舟を出さずとも良いのにと思ったが、視線に曝され続けるのも堪えがたい。


「……急な招待というのに快く受け入れてくださり感謝致します。この度は初めての社交の場とのこと。是非思うまま楽しんでいただければ主催として幸いです。」


 カール氏の挨拶をもって入り口での応酬は完了だ。

 侍女の手から主催者の手へと指を移動。

 最初のエスコート役は決まっている。

 セラはこの後従者用の裏口から入って合流まで待機だ。

 それでは、とはにかむような微笑みの残して催事場の方へ歩を進める。

 槍術で鍛えた下半身は普段履かない靴であっても体幹をぶれさせない。

 改めて書面で送られてきた招待状に記されたプログラムは覚えている。

 参上するのは自分が最後。

 セラをして学生にしては及第点と言わしめた、あちらも喧嘩に気合が入っている。


「……天に召されたのかと思いましたよ。」


「夢見心地にさせてくださるのでしょう? ならば、天の使いにもなりましょう。」


 道中の応酬。

 攻撃の手を緩めないとはこちらの弱点を理解している。

 だが対策を講じて居ないとでも思ったのか。

 カウンターに少し弾んだ声色を向けると、ぐ、と再びカール氏の喉が詰まる。


「……全く、女性とは恐ろしい。」


 ようやく出てきた言葉はありきたり。

 会場の扉は既に開かれている。 

 公式の場へ紹介するということで、こちらが上座の入り口だ。

 既にハルト氏、レオン嬢、ミズール嬢、シルヴィ嬢は入場を済ませていた。

 一際高い壇上からは、既に歓談している学生達を一望できる。

 主催と主賓が場に登場すれば、皆一瞬息を呑んで会話を忘れた。

 同時に否応なく視線が……視線が……。

 帰りたくなる意志をねじ伏せる。

 ここまで来たのだから腹をくくって突っ走れ。


「今宵はよく集まってくださいました。また、ご紹介の栄誉を賜りましたこと初代国王を始め、今日も国を代表される皆々様へ感謝いたします。」


 壇上、今はカール氏の三歩ほど後ろ。

 緊張しているのか少しばかり手が震えている。

 少しだけ同情心が芽生えなくもない。

 この視線の量と密度は怖いものだ。


「美姫と名高きフォールンベルト家のご息女、エルエル・シル・フォールンベルト様が今宵初の社交界となります。皆様におかれましては何卒交友と、良き先達となりますようお願い申し上げます。」


 一拍置いてカール氏に一歩だけ近づく。

 今度はスカートの両端をつまみ、膝を少しだけ折って身を下げる。

 背筋は曲げずに胸を張り、挨拶の続きを読み上げる。


「ご紹介に預かりましたフォールンベルト家が長女、エルエル・シル・フォールンベルトです。貴族科の方とは少しばかり悲しい行き違いがございましたが、こうして(えにし)を頂き感謝いたします。」


 この位置からは会場の大半が見渡せる。

 視線を落とした間に軽く反応を伺う。

 ――数人の顔は覚えた。

 大半があっけにとられすぎだ。

 矢張り個別挨拶の時に確認しなければならない。

 視界の端でシルヴィ嬢がよくもまあ化けたものだという顔をしている、覚えた。


「それでは、今宵皆様の良き思い出になりますよう僭越ながらカール・フォン・グレイ、夜会の開始を宣言させて頂きます。」


 これで一先ずの挨拶は終わり。

 壇上すぐ下に控えていた楽団が静かにワルツを演奏し始める。

 お嬢様の最初の相手はカール氏。

 改めて向かい合い、手を差し出してくる。

 添えるように重ね、曲に合わせてダンスの開始。

 主催と主賓が踊ることでようやく周りも動き出す。


「……いつものような視線ではないのですね?」


 これだけ距離が近ければ、内緒話だって簡単だ。

 絡みつくような視線が苦手ですぐ離れたくなるのだが。

 だが、ここに至るまでカール氏からその視線を感じられない。

 何時もと様子が違っている。


「何のことでしょう?」


 笑みで返してくる様子は、腹立たしいことに大変美形だ。

 他学科の女子達が夢中になるのも解る。

 一方、お嬢様だからこそ今の表情の意味が解った。


「仮面がズレています。」


「……相変わらずの洞察力、感服致します。」


 伊達に長いこと猫を被っていない。

 手の震えといい、彼はがちがちに緊張中だ。

 墓荒らし(グレイヴン)がどうのこうの考えているのが馬鹿馬鹿しくなるただの一学生。

 貴族科の夜会開催は最難関課題。

 一度失敗しても命さえ残っていれば再度挑戦できる騎士科とは違う。

 そう言われているが、事実は違う。

 壁の内外が隔てられていない事はセラやシルヴィ嬢から既に聞いている。

 評判に傷が付けばそれは外の世界にも知れ渡る。

 二度目の開催は絶望的になるだろう。

 全く変な集団に手を出さなければ良いものを。


「……この一曲の後、手袋を変えておくことをお進めします。ほら、次は右足から。きちんとリードできないと笑われますよ?」


 セラのことを言っていられない。

 クラスメイトが困っているのならば、助け船くらいは出す。

 あくまで自分はリードされる側なのでこっそりと。

 これが終わればお嬢様は参加者と合流するため降りることになる。

 その間に少し落ち着いておくべきだ。

 緊張最大でこんな美少女と超至近距離で踊るとか、過呼吸を起こさないほうが凄い。

 難所を救われたカール氏の眉が情けなく下がっていたのは忘れておいてあげよう。




 一曲目のワルツが終わればテラスから降りて挨拶の洗礼を受ける。

 側には音もなくセラが控えてくれた。

 挨拶の度に小さく耳が動いたり、合間に補足説明を入れてくれて非常に助かった。

 しかし純人が多い、黒判定の者も多い。

 学生ばかりとは言え、ずっと表情を維持するのは疲れる。

 そんな中曲が変われば一曲お願いします、喜んで、次は私とも、光栄です。

 不慣れな靴で踊り続けるのでさらに疲労が積み重なる。

 セラによるストップがかかり、今はグラス片手にテラスへ避難。

 肩が冷えるのでストールを羽織っている。

 入り口はレオン嬢、ミズール嬢にシルヴィ嬢が見ていてくれる。

 三人ともそれぞれ綺麗に、可憐に、苛烈に着飾って周囲の目を逸らしてくれる。

 セラは目下他の貴族の従者と雑談という名の探り入れ。

 ハルト氏は致命傷、最初のお嬢様にノックアウトされて医務室で寝込んでいる。

 何をしに来たのだろう。


「うぅ、流石に情報量が……!」


 頭の方の出来は良いが、応用が利かないのがお嬢様だ。

 踊りながら整頓していたが、難解な言い回しに色々と意味を含ませる挨拶。

 思い出すだけで頭痛がひどくなってきた。

 魔術式の解析のほうがよっぽど素直だ。

 意識を切り替えて、挨拶と踊りで疲れた体に糖分と水分を補給。

 リンゴを絞ったジュースは程々に甘みを抑えた配合、すうっと喉へ滑り落ちていく。


「一通り挨拶は終わったんだ、あとは帰ってからゆっくり考えれば良いと思うよ?」


「ぐぷっ!」


 危うく吹き出すところだった。

 なんてタイミングで、何で彼が居るのだ。

 咳き込みそうになるのを強引に抑え込む。


「……ルゼイア、どうしてここに?」


「給仕が足りなかったらしくて。」


 声を駆けてきたのは空になったトレイを片手にした給仕姿のルゼイア。

 使用人に紛れ込んだ貴族と言われても違和感がないくらいの品を備えている。

 だが彼はレフス帝国の留学生。

 おまけに平民ならばフェルベラント王国上級貴族の夜会に関係はないだろう。

 カール氏はそこまで人手集めに苦労していたのだろうか。


「エルは考えすぎると視野が狭くなるから。セラさん達と相談できる所で整頓したほうが良いと思うよ。」


 当たり前のように近づかれる。

 不意を打たれたせいで仮面が間に合わない。

 散々動いて考えて、火照った体を休めるために出てきたのに。

 彼の前では微妙に調子が狂う。

 なんでテラスの向こうで親指立てているんですかレオンさん。


「……簡単に言いますけれど、私妥協しませんから。」


 末端とは言え、忘れもしないカイゼルを傷つけた事件。

 きちんと落とし前を付けてもらわなければ、何よりお嬢様自身が納得しない。

 きゅううと眼尻が釣り上がるのを自覚するが、どうせ見られていない。

 困った笑顔を浮かべられ、空になったグラスを取られた。

 丁度室内では曲が一巡し、ワルツに戻った所。


「それじゃあせめて、模擬戦みたいに体を動かして忘れよう。折角だから是非一曲。」


 手を取られた。

 何ですか人を単純に扱って。

 誘うにしてもマナーがなっていません、マナーが。

 大体給仕姿相手に踊るなんて、ちゃんと礼服をしつらえてください。

 そもそも礼儀作法の講義だけで踊れると思ってるのですか。

 ああもう、言いたいことが沢山あるのに。

 そんなねだるような顔をされると引っ込んでしまうじゃないですか。


「……この曲だけなら。」


 渦巻く思考はだんだん変な方向に走り出す。

 なるほど確かに考えすぎると視野が狭くなる。

 お嬢様自身もう何を考えているのか解らなくなり、思考を放棄。

 ぐいと手を引かれるまま身を寄せて、室内の曲に合わせる。

 以外にもリードする腕はカール氏並かそれ以上。

 模擬戦のように互いの息を読んだように動きが交わる。


 ――ああもう、これだから。


 これだから、彼と一緒に動くのは楽しい。

 楽しすぎるから、距離を取らなければならない。

 自由を縛られるつもりはない。

 体を近づけ、少し見上げて視線を向けて。

 思うままにアレンジを入れても想定内とばかりの即座に対応。

 社交儀礼という枷を解けば思考を忘れるあたり、お嬢様は単純だった。

 やっと面倒な喧嘩の一幕が終わる。

 カール氏はお嬢様の助けもあり、無事単位を認められたとのこと。

装備

→最強(貴族特化)

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