熊VSおっさん
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本当にありがとうございます
森で小鳥を狩猟していたおっさん
いつの間にか野生の熊に目をつけられ、見事狩人から獲物にジョブチェンジを果たす
「騒がしい音のする方なんて普通熊はこねえよな。とち狂ってやがる」
実際はから揚げ爆弾の匂いに引き寄せられたので自業自得だ
人はこういった危機に陥った際誰かのせいにしてしまうものなのだ
「獣には花火や爆竹が効くと相場は決まっているんだ。刮目せよ!」
左手でから揚げ爆弾を作成
熊の居る方にむかって放り投げる
まだ熊との間には距離があるので、当てることはできないが起爆の衝撃にビビって逃げ出すはずだ
「じゅわー!」
から揚げ爆弾は熊の3メートルほど前にある木にぶつかったのでそこで起爆させた
すると熊は一瞬その音に驚き2歩ほど後ろに下がるが、逃げる様子はない
すぐに視線を私の方に戻したあと舌なめずりをしやがった
「クソ、怖気より食い気か。何でそんな腹が減っているんだ」
熊がノソノソと距離を詰めて来るので私もジリジリと正面を見据えたまま後退を始める
「まだまだやりようはあるんだ」
今度は通常のから揚げを作成して、四方八方にばら撒く
腹が減ってるなら、から揚げを生贄に捧げてそれを捕食している間に逃げればいいのだ
「ッ!? グオオオオッ! ガウアアアアア!」
奇しくもこの行為が熊の逆鱗に触れた
先ほどの爆発する肉の塊を辺りいっぺんにばら撒かれたのだ
敵対行為、攻撃行為に他ならない
熊自身腹は減っていたのは確かだか、先ほどの爆弾での牽制によって実は及び腰になっていた
から揚げを地面に置いていくか、投げる物を狩猟した小鳥に変えていれば状況は変わっていたがこれは栓の無い話だ
「な! 餌を投げただけだぞおい! ふざけんな」
私は急に走り出した熊にビビってしまって背を向けて逃げだしてしまう
この行為によって熊の狩猟本能が覚醒してしまい状況は泥沼と化した
「駄目だ! 追いつかれる!」
当然だ。熊の時速は40キロにも及ぶ
おっさんの限界はせいぜい13キロ。それも100メートルも走らない内に息が上がってしまうのだから
チラチラと後ろを振り返りながら走っているのも非常によろしくない
前方にある切り株に気づかず足を盛大にすべらせ地面に倒れてしまう
「あっ! あっ! あっ!!」
カオ〇シかお前は
倒れている間に熊は猛スピードでおっさんとの距離を詰める
「グロロロロロロロ! ガァツ! ガァッ!」
推定時速40キロ、体重100キロはあろう巨体のタックルがおっさんの身に迫る
運よくタックルで死ねればまだ幸せだ
熊は獲物をじっくり時間をかけて殺して食べる生物なので中途半端に生き残れば更にキツイ生き地獄を味わう事になる。生きたまま喰われるのだ
熊との距離がついにおっさんの5メートル以内に入る
4メートル、3メートル
「ああ神様」
2メートル
「かみ・・・・・・さま・・・・・・」
1メートル
「グロアアアアアアアアッ!」
0メートル
「かみさまぁ、素敵なスキルをありがとう~(笑)」
おっさんの顔がグニャリと歪み汚らしい笑みを浮かべる
汚職した政治家が賄賂を受け取った時と同じ顔だ
正面にいる畜生相手に中指を立てると、待ってましたとばかりに正面方向ににアイテムボックスから河原で拾った大きな岩を取り出す
マルス達と村に向かう際に河原で拾った大きな岩だ
アイテムボックスにどの程度の重量の物を入れられるか確かめる為に拾っておいたが思わぬ所で役に立つものだ
「ドカアアアアアアアンッ! ブギョロッロロッロッロロ!! 」
「呂律が回っていないぞ? 中々どうしていい声で鳴くじゃあないか。ははははははは!」
熊は突如現れた大岩に盛大に体をぶつけ痛々しい雄たけびをあげる
額が割れダクダクと血が流れ落ち辺りにはとても獣臭い匂いが立ち込める
それでも絶命には至らなかった。何というタフネス
しかし熊はなにか恐ろしい物を見るような顔をおっさんに向けてスゴスゴと踵を返し森に潜っていった
戦意を喪失してしまったのだ。危険な思いをしてまで食う物ではないと
「はあーーーーーーーー。諦めずに追撃されてたら終わってたわ」
滝の様な汗を流しつつグッタリとおっさんは安堵する
平和な日常というのはこんなにも素晴らしい物だったんだなと
無名の書いた愚作を読んでくださりありがとうございました
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