1/21
プロローグ
非情な環境で、世界から隔絶された2人が出会ったのは偶然か、必然か。
視線が交わり、初めて言葉を交わした時、荒廃する大地を背に手を繋いだその時から、既に運命は始まっていたのかもしれない。
何故なら、お互いがお互いを分かち合える世界で唯一の存在だと知ってしまったから。
魔女は言う。
「貴方は、世界で一番不幸な子」
少年は言う。
「夜永は、世界で一番孤独な人」
まだあどけない少年の真っ直ぐな瞳を見返し、魔女はその口元に笑みを浮かべる。
魔女は少年の頭を撫で、その頬に指を滑らせ、美しく弧を描く唇でそっと囁いた。
『ねえ、ノア。泣きたいなら泣けばいい。
狂おしいほど辛い記憶なら、その不幸ごと、魔女が全て食べてあげる。たとえ貴方が望まなくとも、私は――』
これは、孤独な魔女に愛された少年が幸福を知り、やがて、魔女を世界の何よりも愛するようになるまでの物語。




