Battle 3 konoha075@yokohama[23]
あーあ、美優…
デトックス、完全に失敗ね。
さぁ、どうする?
意外に穏やかなレン君が不気味だわ。
レンは私のスマホを拾うと、一面に貼られたシールを剥がし始めた。
範子が追い出された部屋は、不気味なまでに静寂だ。ただシールを剥がす音だけが、この空間に響く。
「レン…」
「どうする?」
「どうするって…」
「もう、やめられへんやろ?」
「MTG…?」
レンはまた黙り込んだ。
私のスマホは復活した。
もし「やめられない」と言ったら、レンはどうレスポンスするだろう?
「ほら」
レンが差し出した、私のスマホ。その画面には、MTG。
は? ちょっと待て!!
「何で私のパスコード知ってるねん!?」
「ナイショ…」
―このクソ野郎。
私のネットデトックスは、見事に失敗に終わった。
しかし、レンは私を見捨てない。何故だ?
あ、あ、あ、愛の力かしらン♡
この数日の間に投稿された、幾つものスレッド。そこに書き込まれるリプライ。
レンが見守る前で、私は一つひとつ拾い集めるように見ていく。
take-5:
「今日、駅で前市長さんに会ったんです。思い切って挨拶してみたら、凄く優しい声で返して下さったんです。お辞めになったの、残念だな」
この人は新規参入だろうか。どこの市長かは分からないが、地域住民に寄り添った方のようだ。
kohji-yashiro215:
「>take-5 そいつ、役立たずだから、辞めたんでしょ?」
出た! 出やがったあっ!! コージヤシロのクソリプだ。
take-5さん、此奴と関わるんじゃない。メンタル擦り減るよ。
しかし、氏はまだ此奴の事を良く知らないと見える。
take-5:
「> kohji-yashiro215 この方は僕ら住民の声をよく聞いて、暮らしやすい町にしようと凄く努力された方です。お辞めになったのも、年齢的に部下を引っ張っていくのが辛くなったからと聞いてます」
kohji-yashiro215:
「> take-5 部下が、付いてこないから、辞めたんだよね」
take-5:
「> kohji-yashiro215 引っ張っていくのが辛くなったって聞いてます」
kohji-yashiro215:
「> take-5 要するに、付いて、来ないんじゃん」
take-5:
「> kohji-yashiro215 貴方、嫌な言い方しますね。引っ張っていくのが辛くなったから、ご自分でお辞めになられたんですよ。ご勇退じゃないですか」
kohji-yashiro215:
「> take-5 誰も、付いてこないから、ご自分から、辞めたんだよね」
ああっ! マジでイライラする!
と、その時。
bunbun@cbx:
「> kohji-yashiro215 消えろ! このクソリプオヤジ! ウザ過ぎなんだよ!」
おっと! 暴走族君の登場だ。彼のプロフィールを見たのだが、いかにも暴走族風のバイクに乗っている画像が貼られている。
気性もかなり荒そうだ。
しかし、意外と頭は良いかもしれない。
―と期待した刹那!
konoha075@yokohama:
「> take-5 残念ながら、kohji-yashiro215さんは間違っていません。部下を引っ張っていくのを辞めた方に、部下はついて行きませんから」
アクセスありがとうございます。
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