リチャードさん、発見?!
ノースタウンのダンジョンに、リチャードさんを探すために向かったオレ達の前に魔物が現れた。オレ達が魔物を討伐しても、やはりダンジョンの魔物と違って光の粒子となって消えることがなかった。魔族が関係している可能性が高いと警戒しながら、リチャードさんの捜索をするのだった。
オレ達はその場にいた冒険者達にリチャードさんのことを尋ねると、後ろの方からリチャードさんを知っているという冒険者が現れた。
「お前さん達はリチャードを探してるのかい?」
「はい。奥さんと子どもさんが心配してこの街まで来てるんですよ。」
「そうか~。俺はあいつと一緒にダンジョンに入ったんだが、突然魔物達が下の階から湧き出してきてな。俺は何とか逃げることができたんだが、あいつは咄嗟に逆方向に走って行ったんだよ。」
「それって、何回層ですか?」
「多分5階層だったな。丁度、ゴブリンやシルバーウルフを討伐していた時だったからな。」
「ありがとうございます。」
「もしかして、お前さん達、ダンジョンの中に捜索に行くのか?」
「ええ、そのつもりですけど。」
「また、下から魔物が湧き出てくるかもしれないから気を付けていきな。」
「ありがとうございます。」
そうこうしているとミサキがやって来た。
「遅くなってごめん。怪我人が多くて。」
「ミサキ。ご苦労さんだったな。」
オレはミサキの頭を撫でた。なんか久しぶりな気がする。ミサキも久しぶりに頭を撫でられたのがよほど嬉しかったのか、人目もはばからずオレに抱きついてきた。
「ミサキ姉! ずる~い!」
「ミサキさん! ずるいです!」
ローザとドリエがオレの右手と左手を握って来た。
「いいじゃないか。ミサキは怪我人を助けてきたんだから。それより、リチャードさんが心配だ。急ぐぞ!」
「うん。」
オレ達はダンジョンに入った。以前もダンジョンに入ったことがあるが、うす暗くてジメジメしている。どうしても好きになれない。厳しい修行をした時のことを思い出してしまうのだ。
「ケン。暗いにゃ。」
「待ってて、私がライトをつけるわ。」
ミサキが魔法を発動すると、ミサキの頭上に光球が現れた。
「ありがと。ミサキ姉。これなら足元も見えるよ!」
明るくなったのはいいが、魔物からは狙われやすくなる。下の階から湧き出るように現れるゴブリン達が、オレ達に向かってきた。
「私がやるにゃ。」
ミレイがオレ達の前に出ると、剣に魔法を付与してゴブリン達を切り倒していく。不思議なのは、光の粒子になって消えるゴブリンもいれば、死体のままのゴブリンもいる。
「ケン様。このゴブリン達はどうして消えないんですか?」
「外の魔物達と同様に、このダンジョンの魔物じゃないんだろうな。」
「転移装置はどこにあるにゃ? それを壊さない限り続くにゃ。」
オレは頭の中のマップを起動した。どうやらこのダンジョン自体新しく、それほど深くないようだ。下に行けば行くほど魔物の数が多くなる。最下層と思われる10階層に魔物の集団がいた。その中に、1つだけ飛びぬけて大きな魔力の反応があった。
“リン。この魔力は?”
“はい。マスターが考えている通り魔族のものと思われます。“
“やっぱりな。”
ゴブリン達を大かた討伐したオレ達は2階層へと進んだ。2階層は意外と静かだった。そのまま3階層へと進もうとしたとき、突然壁が崩れた。ハッとしてそれを避け、その場を見ると石の塊がこちらに攻撃をしてきた。
「こいつはゴーレムだ。ローザ! 弓で頭を破壊しろ!」
「わかった!」
ローザが弓矢に氷魔法を付与して矢を放った。すると、ゴーレムの頭がカチカチに凍る。さらにそこに矢が当たると頭は砕け散った。
「さすがローザちゃん。百発百中ね!」
「まあね。」
「ケン様。このゴーレムも消えませんね。」
「そうだな。みんな下に急ぐぞ!」
「了解にゃ。」
オレ達は最下層に向かって急いだ。3階層4階層と深くなるにつれて、魔物の数がどんどん増えていく。しかもゴブリンだけではない。オーク、オーガ、それにスケルトンやゾンビのような死霊系の魔物も増えてきた。
「ケン兄。ここが5階層だよね。リチャードさん無事かな~?」
オレ達は5階層を歩き回った。人間の死体がところどころにあり、嫌な予感が走る。
「ケン。無理かもね。」
「いや、もう少し探してみよう。」
「うん。」
オレ達がリチャードさんを探して歩いていると、シルバーウルフの群れが岩山に向かって吠えていた。
「ケン。あそこに何かあるみたい。」
「ケン様。私がシルバーウルフを片付けます。」
ケン!どうかしたにゃ?
ケン兄は洗車していて腰を痛めたの!
なら、僕がマッサージしてあげるにゃ!




