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最強転生者が神になるまで  作者: バーチ君
竜人の里
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戦車の街ペロン(1)

 翌朝、街に出ると街は騒然としていた。10隻もの大型戦艦が一夜にして姿を消したのだ。

それに、軍艦の乗組員である兵士達の姿もない。この街の軍の本部から大勢の兵士達が集まっていた。そして、帝都のブルータス皇帝にその報告がされたのは言うまでもない。




☆☆☆☆☆



「皇帝陛下。一夜にして、10隻もの軍艦が消えました!」


「サンドル軍務卿。そなたの仕事はなんだ? 言ってみるがいい!」



 サンドル軍務卿は顔面蒼白状態だ。



「はい。陛下よりお預かりした武器や兵器、兵士をこの帝国のために有効利用することです。」


「ならば、戦艦の監視体制はどうなっていたのだ。」


「ハッ。警備兵がそれぞれの戦艦の中に20名いました。外にも見回り兵が30名の体制で待機しておりました。」


「その兵士達はどうしたのだ?」


「全員が行方不明となっております。」



 ブルータス皇帝のこめかみに青い筋ができる。



「オノレ~! 許さぬ! 絶対に許さぬ! 戦車や高射砲、飛行艇のある場所にそれぞれ1000名ずつ兵士を配置しろ! 軍務卿! 次はないからな!」


「ハッ」



 その日のうちに、軍隊の再編成が行われた。そして、戦車・高射砲・飛行艇が保管されている場所には、それぞれ1000人を超える兵士が待機した。城の会議室には、ブルータス皇帝とゲイリー公爵だけがいる。



「それにしても、何者の仕業でしょうか?」


「恐らく、竜人の里にいた者の仕業だろうな?」


「そやつは何者なのでしょう?」

 

「わからん。だが、この俺様に敵対したんだ。八つ裂きにしてくれるわ!」


「では、私も全貴族に通達して、怪しい人物を見かけたら取り押さえるように指示を出しましょう。」


「頼んだぞ!」


「ハッ」



☆☆☆☆☆




 その頃、ケン達4人は、港町ボサセの貧民街で軍艦にあった食料を出していた。すると、大勢の貧困者達が集まってくる。



「これは一体?」


「ああ、これは私達からのプレゼントにゃ! 好きなだけ持っていくにゃ!」


 

 見知らぬものが突然広場いっぱいに食料を出したのだ。集まった人達は、怪しいものを見る目で見ている。



「おい、持って帰っていいのか?」


「どうせ残っても腐ってしまうから、好きなだけ持って行っていいわよ。」


「おい。どうする? 兵士に見つかったらやばくないか?」


「構わねぇさ。飢え死にするよりましだぜ!」



 オレの出した食料に大勢の人が群がる。小さな子どもを抱えた女性もいる。みんな生きるのに必死なのだ。



「ケン。この後どうするの?」


「帝都に行くさ。」


「ケン兄。その前に戦車や飛行艇は?」


「帝都に行きながら処分していくつもりだよ。」



 オレ達は帝都を目指して港町セサボを後にした。港町セサボから帝都までの道のりは、最短で行っても1週間ほどかかる。しかも、今回は途中で戦車のある街、飛行艇のある街、高射砲のある街に寄らなければならない。


 

「ケンはどの武器がどの街にあるのか知ってるの?」


「知らないさ。」


「じゃあ、どうするの?」



“リン。帝国の情報を知りたいんだ。戦車、高射砲、飛行艇を殲滅するには、どの道順がいいか教えてくれ。”


“はい。すでに眷属から報告が入っています。それによりますと、最初に戦車の基地があるペロンという街がよろしいでしょう。次に、その街を西に進んだところにサイロンという街があります。ここが高射砲の基地です。最後は帝都の郊外の飛行艇の基地となります。”


“ありがとう。軍事工場とかないのか?”


“それぞれの基地の近くにあります。ただ、兵士が大勢配置されているようですので、気を付けてください。”


“どのくらいいる?”


“それぞれ1000人はいると思われます。”


“わかった。ありがとう。”



「決まったよ。最初にペロンに行くよ。」


「ペロン?」


「この道を南下したところにある街さ。どうやら、戦車があるようだから。」


「ケンはどうして知ってるにゃ?」


「ああ、オレの頭の中には世界中のマップが出るんだよ。」


「何、その便利なのは? ありえないでしょ!」


「ミサキ姉! ケン兄だからね。あり得るんじゃないの?」


「それもそうね。もう、ケンと居ると驚き疲れるわ~。」



 一般人の往来もかなりあるが、道を歩く兵士達もかなり多い。時々、列をなして行進していく兵士達もいた。商人達は馬車での移動のようだ。



“何故かな? 戦車があるなら車もあると思ったのに。”


“この国は軍事力に力を注いでいるようです。一般人の生活面は二の次ではないのでしょうか。”


“そうなのか~。なんか、虚しいな。どうしてそんなに軍事力が必要なんだ?”


“現在調べています。”



 ペロンの街の近くまで来ると郊外に広大な平地が広がっていた。そして、はるか先に大きな建物がいくつも見える。オレは遠視の魔法で覗いてみた。すると、建物の周りには銃を持った兵士達が大勢いる。



「みんな。どうやら、ここが戦車の基地みたいだ。」


「本当? ケン兄。何も見えないよ~。」


「このはるか先に建物があるのさ。そこにかなりの数で兵士達がいるようだよ。」


「ケンは見えるの?」



 みんなだって、身体強化を目に集中すれば見えると思うよ。



「本当にゃ! 見えたにゃ!」


「私もやってみる~!」


「ホントだ! 建物が沢山あるよ~!」


「きっと戦車はあの中ね。」


「多分ね。」


「どうするにゃ?」


「昼は人目に付きやすいから、夜まで待とうか。」


「うん。なら、ケン兄。夜までペロンの街を散策しようよ。」


「そうだな。」


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