第10話 梅の豚バラそうめん 後編
「センパイさんはどうぞベッド使ってください。私は床で休みますので。」
自分の部屋に戻り、すぐに入浴を済ませた私達。
私はスマホを触っていたセンパイさんにベッドを使うように言うとセンパイさんは驚いたような顔になる。
「いや!そういうわけにはいかないだろう!?君が床で寝るのなら私が寝るよ。」
「それこそいけませんよ。センパイさんはお客様なわけですし…」
「その考えで言うなら、この部屋の持ち主は君なんだし君がベッドで寝るべきだ!」
「いやいやそれは…」
私達はしばらくベッドでどちらが寝るか話し合った結果、最終的に二人で同じベッドに寝るという結論至った。
「ハハハ!カズくん以外の人と同じベッドに寝るだなんて始めてだよ!!」
同じベッドに潜り込み、明かりの消えた暗い空間のなかでセンパイさんの明るい声が広がる。
「センパイさん、狭くありませんか?」
「いや、大丈夫だ。君の方こそ大丈夫かい?」
「私も大丈夫です。」
「それなら良かった。そういえば…」
「なんでしょう?」
私が聞き返すとセンパイさんは軽口を叩くような気軽な声で
「いや、ご飯の前の話の続きがしたいなと思ってね。良いかな?」
「大丈夫ですよ。今はそこまで眠くありませんし。」
正直、私の部屋で誰かが泊まりに来るなんて初めての経験で少し緊張している。
そのせいかあまり眠たくなかった。
私の返事にセンパイさんは、暗くてはっきりとはわからないが安心したかのような顔になったような気がした。
「そうか。話の前に一つ聞きたいことがある。」
「聞きたいことですか?」
聞きたいこと何でしょうか?
私が不思議に思っているとセンパイさんから予想外な言葉が出た。
「君…シゲくんのこと好きだろう?」
「え?」
え?え、えぇ?あ、へ?え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???
「え…た、高橋…さん…す、好き?好き好き好き好k…」
思わぬ言葉に私の頭の中がパンクしてしまう。
「え、大丈夫かい!?すまない!こんなことになるなんて思わなかった…」
外から女の人の声が聞こえるが何言っているのかわからない。
「ダメか…。聞こえていない…。仕方ない!えいっ!!」
「うっ!?」
私がパニックに陥っていたとき、急に凄い痛みを感じ、現実に引き戻された。
「あ…あれ?私は?」
「すまない…。パニックになってたみたいだから…我が家に伝わるツボを押させてもらった…」
センパイさんが申し訳なさそうな声で言う。
確かに凄い痛みだったが…私が冷静だったらセンパイさんを困らせるようなことさせずに済んだ。
「いえ…私が慌てていたのが悪いですし…大丈夫です。」
私がそう言うとセンパイさんは不思議そうに
「なんで君はそう自分を攻めるんだい?」
と聞いてきた。
なんで…?それは私が悪いからに決まっているからでしょう…。
私が慌ててしまったからセンパイさんに手荒な真似をさせてしまったし、さっきのベッドの件だって客人のことを想定して別のものを用意しておけば良かった…。
「はっきり言うが、君が自分自身を攻めたところでどうしようもないだろう。今回に関してだって君をパニック状態にしたのは私だし、正気に戻す手段を選んだのも私だ。君自身の過失は客観的に見てもないさ。」
どうしようもない?何でですか?少なくとも反省して前に進むことは出来るでしょう?
センパイさんはそんな私の心情を見透かしたかのように話を進める。
「何か勘違いしているが、別に自分のことを攻めたところで反省なんてできないぞ。それどころか何も出来なくなるだけだ。成長なんてできない。」
「何を言っているんですか?自分の悪いところを見つけて、改善するからこそ成長できるんでしょう?」
本当に何を言っているのだろうか?少なくとも私はずっとそうして生きてきた。
お母さんやお父さんに怒られた時も…先生に怒られたときも…高校生のときに、あの人達から…
「違う。確かに欠点を見つけ直すことも成長の一つだ。だがな、君がやっていることは反省ではなく否定だ。それで改善することなんて無理な話だ。」
無理…?何でそう言い切れるんですか?反省と否定は何が違うんですか?あなたに何がわかるんですか?
心の中にどす黒い感情が満ち溢れる。
その苦しさに私は涙を流しながら声を荒げる。
「何でですか!?何でそう言い切れるんですか!?否定することの何が悪いんですか!?一体、あなたに何が…ハッ!?ご…ごめんなさい…」
最低だ。私は我が身の可愛さに…人に八つ当たりするなんて…。人として一番やってはいけないことなのに…。
私はなんて駄目な人なんだろう…。こんなことで人に当たるような最低な人間…センパイさんやコーハイさん……高橋さんに会う資格なんてない。
最低だ最低だ最低だ最低だ最低だ最低だ最低だ最低だ最低だ最低だ
「大丈夫だよ。」
自己嫌悪と自己否定に満ちた私にセンパイさんがそっと私の頭を撫でる。
「セ…センパイさん?」
「ほら、そうやって自分を攻めて…。確かに人に反省や後悔は必要だ。後悔することで人は失敗を覚えて次に備え、反省することで対策を見つける。だが…自分を否定することは自分を攻めることに満足して重要なことは頭になんて入らないんだよ。私はそういう人を見てきた。」
「重要なこと…」
「少なくとも私…恐らくシゲくんも…君がそうやって本音で話してくれることを望んでいる。君は自分を攻めて、ずっと自分を否定して隠しながらシゲくんと居たいのかい?」
「でも…私なんかが…高橋さんといる資格なんて…。」
それから私はポツポツと話し始めた。私が高橋さん…いやこのアパートで起こした事故のこと、それで私が高橋さんに迷惑をかけたこと、高橋さんに無理矢理約束を結ばせてしまったこと…そして、私自身がどうしようもなく高橋さんとの関係を望んでいること…そんな迷惑なだけの醜いだけの独占欲を持つ私が高橋さんと共に居てはいけなんじゃないかということ。
「なるほど。そういう経緯だったのか…。シゲくんが君を助けたはずだよ。」
「え…?どういうことですか?」
私が聞き返すとセンパイさんは苦笑しながら言う。
「彼自身も気がついていないかもしれないがね…。高校時代の彼も、とある出来事で…君のように自分の醜さに気づいて塞ぎ込んだことがあったんだ。」
「高橋さんもですか?」
あの優しい高橋さんが…?信じられない。
「意外だろうけどね。あの時は大変だったよ。」
センパイさんが遠い目をしながら言う。
一体何があったんでしょうか?
「すみません…聞かせてもらえませんか?高橋さんに何があったのか…。」
「…本来なら言ってはいけないことだことだが、シゲくんが心を開いた君になら話しても良いだろう。…が、私が話すのは一部だけだ。」
「構いません。おねがいします。」
人の秘密を聞きだすなんて、本当ならしてはいけないだろう。…でも、私が彼の隣に立つには必要なことだと考えた。
センパイさんはポツポツと話し始めた。
「彼はね。高校生の時、私とカズくんと同じサッカー部だったんだよ。私はマネージャーだったがね。」
え?同じサッカー部?
彼の部屋でもサッカー関係のものは見たことないし意外だ。
「しかも、彼は一年生の時からチームメイトや監督からエース候補と期待され二年生にして10番に選ばれたことすらある。」
サッカーのことには詳しくないが、10番という番号がすごいことくらいは知っている。
そんな凄い選手だったのに何故、今ではサッカーしてないのだろう。
「でも…彼はある交通事故に巻き込まれ…そのまま…」
「え…?」
交通事故?何で?高橋さんは努力家だ。誰よりも真面目な高橋さんが何でそんな目に…
「幸い命は無事だった…。しかし、利き足をやられ…二度とサッカーが出来ない身体になってしまったんだ。」
そんな…酷すぎる…。
「でも…シゲくんにとって最悪だったのはこれからだったんだ。」
最悪って…。想像を絶するような痛みに襲われ、利き足をやられ二度と好きなサッカーが出来なくなる以上に嫌なことなんて…
センパイさんは真剣な顔で話し続ける。
「当時、彼には多くの友人がいた。その中には女の子の幼馴染もいたという…。でも、彼が事故に巻き込まれサッカーが出来なくなることが知らされた後、彼を見捨てるかのように皆が去っていった。しかも、うちのサッカー部の監督も…だ…。」
なんですか?それ…?
誰よりも辛い目にあった高橋さんを見捨てる?味方であるべき友人や期待していた監督がそんなことをするって…。
高橋さんを自分の自己顕示のための道具として利用していたってことじゃないですか…。
「勿論、彼らにもそれなりに理由があったのかもしれない。」
センパイさんの言葉に私は怒りで声を震わせる。
「そんなこと関係ないですよ…。」
どんな理由があるにせよ彼を見捨てたのは事実だ。
私がもしもその場にいたら…ずぅっ…と…側にいた。
「そうだね。でも、味方になった人もいた。カズくんもその一人だ。カズくんは一歳下ながらもシゲくんのことをライバル視しててね。毎日噛み付いていたのさ。想像もつかないだろう?」
確かに普段のコーハイさんを見るとそんな人に噛み付くイメージはない。むしろ尻尾を振っていそうだ。
「カズくんにとってシゲくんは敵であると同時に超えるべき目標だった。それを失ったカズくんは荒れに荒れてね。幼馴染である私も大変だったよ。」
センパイさんはそう言って笑う。
あの礼儀正しいコーハイさんにそんな過去が…。
「話を戻すが、シゲくんも色んな人から見捨てられたことに相当ショックみたいでね。ずっと病室でふさぎこんでいた。しかし、彼は退院後、私と同じマネージャーとしてサッカー部に復部したんだ。」
「マネージャーとして…」
「そう。最初は受け入れられなかったが…彼が自分の出来ることを必死に立ち向かうとカズくんを始め、色んな人が味方となったんだ。」
彼が料理上手だったことに合点がいった…。彼の料理があんなに美味しかったのは逆境の中、必死に生きてきたからなんだ…。
辛かったこと…嬉しかったこと…色んな経験が生んだ料理が美味しくないわけがない。
それに対し私は何なんだろう…?私は自分を攻めるだけで、何をするべきかなんて一切考えていなかった。どうすれば事態が良くなるか…なんて思いもしなかった。
「勿論、彼も簡単に切り替えることはできなかった。彼自身も醜い自分を嫌悪すらしたらしい…が、その部分は彼自身から聞いた方が良いだろう。」
センパイさんはそう言って話を終えた。
「ありがとうございました。」
私がお礼を言うとセンパイさんは笑いながら口を開く。
「それでこの話を聞いた君はこれからどうするんだい?シゲくんとどうなりたいんだい?」
どうしたい…どうなりたい…。今の私は…
「今までの私は…高橋さんに拒絶されることが怖かったんだと思います…。自分を否定して…何もしなければ波風が立つようなことはない。そんな自己満足の最低な考えを押しつけ、彼に甘えていただけでした。」
私の言葉にセンパイさんは頷く。
「ふむ。それで?」
「…でも、これからは高橋さんの隣に、どんな形でも一緒にいるために…私自身のことを彼に話すつもり…いや、話します。その結果…彼に拒絶されることがあっても…後悔はするでしょう…。下手したら、何か…するかもしれません。でも、このまま前に進まずに彼と共にいるようなことだけはしたくないんです。」
私の答えにセンパイさんは満足気に頷く。
「そうか…。それが君の答えか…それなら私も君の先輩として…友人として応援しよう。」
「センパイさん…」
センパイさんは微笑んだ後、切り替えるように言う。
「さて!答えも出たことだし、そろそろ寝ようか!おやすみ!」
「そ、そうですね。おやすみなさい。」
私はそう言って瞼を閉じる。
近いうち、彼に本音を打ち明ける時が来るだろう…。でも、私自身のトラウマも…彼の過去も全部受け入れた上で彼とずっと生きてきたい。
私はそう思いつつ微睡みに堕ちていった。
◇
水国さん達が部屋から出ていったのを見送った俺達は素早く入浴を済ませ、寝床の準備をしていた。
元々あった布団を敷くとコーハイが話しかけてきた。
「そういえばシゲ先輩。布団ってもう一つあるっすか?」
「ん?あ〜どうだったかな…。」
確か、一年くらい前に親が送ってくれたアレがあったはずだが…。
俺は物置のロッカーを開け、物色する。
「お、あったあった。」
俺が見つけたのは災害時に使われる寝袋だった。
「これ、寝袋っすか?」
「あぁ。とりあえず、これなら寝れるだろう。こういう時に使ってないと使う機会なんてそうないだろうしな。」
「そうっすね。それじゃあ俺、寝袋使ってもいいっすか?」
「あぁ。良いぞ。」
俺はコーハイに寝袋を投げ渡す。
コーハイは慌てて受け取った。
「おっと!?投げないでほしいっす。」
コーハイは文句言いながらも寝袋を広げる。
「さて、これで布団も大丈夫っすね…ん?スマホに通知来てるっすね?失礼するっす。」
そう言ってコーハイは床に置かれていたスマホを手にとり、画面をしばらく見ていると何故か眉間にシワを寄せ、真剣そうな目になっていた。
「どうしたんだコーハイ?」
俺が聞くとコーハイは咄嗟にスマホから目を離し、真剣なそうな顔から一転取り繕った笑顔を向ける
「なんでもないっすよ。ただ千尋から「おやすみなさい」って連絡が来ただけっすよ。」
いや、さっきの顔からして、それだけじゃないだろう。…が、それを聞くのは野暮か。
そう思った俺は「そうか」とだけ言って布団に潜り込んだ。
それを見たコーハイも寝袋の中に入る。
しかし、部屋が少し蒸し暑く眠れない。
コーハイも同様だったようで話しかけてきた。
「そういえば…先輩と同じ部屋で泊まるなんて高校の時の秋合宿以来っすかね?」
「確かに…そうだな。」
俺がマネージャーになったあとは色々することがあったから、別部屋にしてもらったんだったな。
「それにしても、こうしてお前が俺の部屋に遊びに来るなんて、高校一年生の時のお前を見たら想像もできないだろうな。」
俺は過去を思い出し、笑いながら言う。
コーハイは少し困ったかのような声で返事した。
「やめてきださいっすよ。今でもあの頃のこと恥ずかしく思ってるっすから…」
「昔のお前はいつも俺と張り合っていたからな。」
昔といえども、ほんの2〜3年前のことだがな…。
高校の時のコーハイには何かにつけ勝負を挑まれ、試合でも単独行動…チームでも問題児だった。プレイは断トツで上手かったから、それでも試合に出ていたが。
「俺は…先輩のおかげで傲慢だった自分から前に進むことができたっす。」
「おいおい。急にどうしたんだ?」
俺がそう聞くもコーハイは無視して話し続ける。
「先輩が事故に遭ったって聞いたとき、自分の中で目標のようなものが無くなって、目の前が真っ暗になったっす。それで苛ついて…千尋や他のチームメイトには迷惑かけて…。でも先輩がマネージャーとして復帰してくれたおかげで、自分にもまだできることがあったんだと気が付いたっす。本当に感謝しています。」
俺はコーハイの独白に黙って耳を傾ける。
「それでも…一つだけ悔いがあるとしたら、先輩ともっと一緒にサッカーしたかったことっす…。先輩は…まだあの時のこと、引きずってるっすか?」
「コーハイ…」
確かに、あの交通事故に巻き込まれた後…俺は自分が受けた理不尽と色んな人が目の前からいなくなった喪失感で自分を見失っていた。
なんで俺がこんな目に合わなきゃいけなかったんだ?なんで俺から離れるんだ?こんな気持ちになるならサッカーも友達もいらなかった…!
そんな自分勝手、傲慢極まりない汚い気持ち…そんなことを考えている自分に対する嫌悪…。色んな感情が渦巻いて、がんじがらめになった。
「まぁ…あんな目にあったら、そう簡単に割り切るなんて無理っすよね…。でも…」
「なんだ?何が言いたいんだ?」
俺は意味深な話し方をするコーハイに少し苛立ちながら聞く。
「ははは。そんな怒らないでくださいっすよ。…これでも、俺は嬉しいんすから。あんなに無愛想だった先輩が俺達…いや、水国先輩に笑顔を向けていることに…。」
「なんで…水国さんが出てくる?」
俺が聞くとコーハイは若干呆れたように言う。
「やっぱり…自覚なかったんすね。いや、案外心の奥底では気づいていたのかもしれないっすけど…」
「はっきりしないな…。何が言いたい?」
そう言うとコーハイは決心したかのような声で口を開いた。
「先輩は…水国先輩のことどう思ってるっすか…?」
「は…?」
水国さん…?どう思ってるって…それは…当然…
「俺の大事な友人に決まっているだろう?」
「そういうことじゃないっす。先輩にとってどういう存在なのかってことっす。」
だからそれは…
俺は同じことを言おうとしたが、コーハイの真剣な声色に言うことができなかった。
「これでも俺はシゲ先輩と…水国先輩の友人のつもりっす。それを踏まえて言わせてもらうっすけど、水国先輩は間違いなくシゲ先輩に好意を持ってるっすよ。」
え?水国さんが俺に…?いやいや、ありえないだろう。
俺が混乱していると、それに構わずコーハイは話し続ける。
「あの水国先輩の眼は…好きな男を見る目っすよ。何があったのか知らないっすけど、あんな懐かれてて気づいていないって…水国先輩可哀想っす…」
いや、なんでそんなことわかるんだよ。
まぁ…こいつのことだから聞いても「勘っす!」って言うんだろうな。
「わかった…。もし万が一、彼女が俺に好意持っていたとして!それでお前は俺に何をしてほしいんだ?」
俺がそう言うとコーハイはあっさりと返事した。
「俺は別にシゲ先輩にどうこうしてほしいなんて思ってないっすよ。ただ…シゲ先輩にとって水国先輩がどんな人なのか聞きたいだけっす。」
「俺にとって…?」
俺にとって水国さんは…
その時、俺の中で水国さんについて色んな感情が湧いてでてきた。
あまりに多く、思わず口に出してしまう。
「水国さんは…ご飯を食べたときの笑顔が綺麗で…責任感が強くて…それで少し放っておけないところがあったr…」
俺が水国さんについて考えている最中、隣からガサッと音が聞こえる。
隣を見るとコーハイが両手で顔を押さえていた。
「も…もうやめてくださいっす…。甘すぎてもう耐えられない…」
「大丈夫か?」
俺が聞くとコーハイは顔をブンブンと振る。
「大丈夫…す…。多分…。先輩…べた惚れじゃないっすか。」
「べた惚れって…」
「なんでそこまで言えて自覚してないんすか…?」
コーハイはそう言ってため息をつく。
「恐らく水国先輩が答えを出す日も近いっす。…ですから、シゲ先輩も自分の答えを出さないと絶対に後悔するっすよ。これだけは言っておくっす。」
「後悔…か…」
「どうすれば良いのかわからないんだったら、シゲ先輩はこれから水国先輩と、どう過ごしたいか…。それだけでも考えた方が良いっす。」
コーハイはそう言ったあと「そろそろ寝るっすね。」と言って静かになった。
どう過ごしたいか…どんな関係か…
そもそもこんなことを後輩に言われなきゃいけない俺って…
俺は後輩に諭される不甲斐なさと水国さんとの関係性についてずっと悩み、眠ることができなかった。
こんにちわ味噌漬けです。ノリと勢いと見切り発車で書いていたら過去最大に長くなってしまいました。すみません。
今回は重信の過去について話しました。後付けではなく当初からあった設定で、一応伏線は所々に張ってます。
重信は事故の結果、サッカーが出来なくなったことと、友人に見捨てられたことで自分の身を守るために心を壁で覆ってしまい、人の心に対して鈍感になってしまいました。(重めな水国さんをナチュラルに受け入れることができたのは、この性格のおかげだったりする。)
そんな重信と共に居たいと願った水国さんとどんな関係になるか楽しみにしてください。
後、重信の幼馴染ですが出すかどうか迷ってます。なんせ重信本人にとってはもう過去の話なので話の大筋に関わることは恐らくないんですよね。でも、私の気分と需要次第で書くかもしれません。
今回は読んでくださってありがとうございます。ご感想、ご意見、料理のリクエストがあったらコメントで送ってくださると嬉しいです。




