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須磨の海人の 塩やき衣を さをあらみ
よみびとしらず
須磨の海人の 塩焼き衣 をさをあらみ まどほにあれや 君がきまさぬ
(巻第十五恋歌五758)
※をさ:機を織る時に横糸を詰める道具。
※まどほ:塩焼き衣の目が詰まっていないことと、相手と疎遠になっていることをかける。
須磨の海人の塩焼き衣の目が荒いように、私たちの関係もすき間が空きました。
どれほど待っても、あなたは来られないのですから。
須磨に蟄居した光源氏を待つ、紫の上他、光源氏を思う女性たちは、こんな気持ちだったのかもしれない。




