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ほととぎす ながなくさとの あまたあれば
ほととぎす ながなくさとの あまたあれば 猶うとまれぬ 思ふものから
(巻第三夏歌147)
ホトトギスよ、あなたは鳴く里が、あちこちにたくさんあるのですね。
やはりうとましくなります、あなたを愛してはいるけれど。
男女関係をホトトギスに託した歌と思われる。
この場合のホトトギスは、実は多情な愛人のようだ。
あちこちの女性と浮気をして、なかなか自分の所には来ない。
しかし、そうは言っても、憎み切れない。
だから、どうしても気に入らないのである。




