179/289
かすがのの わかなつみにや 白妙の
「歌たてまつれ」とおほせられし時、よみたてまつる
紀貫之
かすがのの わかなつみにや 白妙の 袖ふりはへて 人のゆくらむ
(巻第一春歌上22)
帝が、「歌を献上せよ」と仰せられし時に、詠み奉った歌。
春日野に若菜を摘みに行くのでしょうか。
白い着物の袖を振り、人々が出かけていきます。
平安京にいて、旧都平城京の春日野の若菜摘みを詠む。
憧れの地だったのだろうか。
当然見えているわけではなく、屏風絵に「春日野での若菜摘み」の風景が掛かれていて、勅命で、屏風絵に合わせて詠んだとの説がある。




