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かすがのの とぶひののもり いでて見よ
よみびとしらず
かすがのの とぶひののもり いでて見よ 今いくかありて わかなつみてむ
(巻第一春歌上18)
※とぶひののもり:飛火野の野守。飛火のは春日大社付近。飛火は、蜂火。古代に、のろしを打ち上げる設備があった。変事が発生した場合に、のろしをあげて遠方の人たちに知らせた。野守は、その番人。
春日野の飛火の野守、外に出て見て来て欲しい。
あと何日待てば、若菜が摘めるのかを。
若菜摘みを、とにかく楽しみにしていて、待ちきれなくなったらしい、
春日野の飛火の野守に調べさせ、しかも、大げさに、のろしをあげて、教えて欲しいと頼むのだから。




