古今和歌集から（１）

梅が枝に 来ゐる鶯 春かけて

題しらず

よみびとしらず

梅が枝に　来ゐる鶯　春かけて　鳴けどもいまだ　雪は降りつつ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（巻第一春歌上5）

※春かけて：春に思いをかけて、春を待ち望んで。

梅の枝に飛んで来たウグイスは、春に思いをかけて鳴くけれど、いまだに雪は降り続いているのです。

梅の花も咲いた、春告げ鳥のウグイスが枝まで飛んで来て（春を待ち望んで）鳴いているけれど、雪が降り続いている状態。

雪が邪魔していて、なかなか、簡単に春らしくならない、そんな残念さを詠む。