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みよしのの 山の白雪 つもるらし
ならの京にまかりける時にやどれりける所にてよめる
坂上これのり
みよしのの 山の白雪 つもるらし ふるさとさむく なりまさるなり
(巻第六冬歌325)
※ふるさと:古都奈良。
奈良の都に出向いた時の宿にて詠んだ。
吉野の山には、白雪が積もっているようだ。
この古都奈良まで、寒さが一段と増して来るのだから。
※坂上これのり(是則):生没年不詳。寛平五年(893)頃の后宮歌合をはじめ、延喜七年(907)の大井川行幸、同十三年の亭子院歌合など晴の舞台で活躍。蹴鞠の名手。三十六歌仙の一人。勅撰入集四十三首。




