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古今和歌集から(1)  作者: 舞夢
138/289

神奈月 時雨に濡るる もみぢ葉は

母が思ひにて詠める

※思ひ:喪。親の喪は一年。


凡河内躬恒


神奈月 時雨に濡るる もみぢ葉は ただわび人の 袂なりけり

                  (巻第十六哀傷歌840)

※神奈月:旧暦10月

※ただ:まさしく

※わび人:失意の人、落ち込んだ人。この歌では作者本人。



神奈月の時雨に濡れる紅葉の葉は、まさしく嘆き失意の私の袂なのです。


あまりの悲しさに、自分の心も血を流し、真っ赤に染まり、それが涙となり、拭う袂も濡れている。


血涙を流し、母の死を悼む。

なかなか激しい表現と思う。

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