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君と言へば 見まれ見ずまれ 富士の嶺の
藤原忠行
君と言へば 見まれ見ずまれ 富士の嶺の めづらしげもなく 燃ゆる我が恋
(巻第十四恋歌四680)
※見まれ見ずまれ:逢っていようが逢わずにいようが関係なく。
※めづらしげもなく:かわることなく、いつもいつも。
あなたのことになると、逢っていようが逢わずにいようが関係なく、あの富士の山に燃える火のように、かわることなく我が恋心は燃え上がってしまうのです。
この歌が詠まれた当時、富士山は活火山で噴火が多かったらしい。そのため燃える思いの象徴となった。




