終焉
地に打ち付けられたカンナはすぐさま自分の周りに闇を落とし、周囲の安全をとる。そして剣を持ち、振り上げる。
それが止められればすぐに灼熱が彼を襲い、やむを得ず後退する。
「う、ぅ……。くそぉ!!」
闇をランダムに発生させ、空間を飲み込んでいく。
段々と康貴と槇に迫り、食い殺そうとする。
それが光によって消されることなど知らずに。
「なにぃぃ!!」
「うん、なんとなく使い方わかってきた。……こうすれば……。お返し!!」
かおりが槍を投げれば、それが闇にくわれる。それが、カンナを貫く。
「くぁっはっ、、」
吐血。鳩尾に大きくあいた穴から奥の景色が見える。
「目には目をってね」
よろけてもなお立ち続け、かおりを睨みつける。
「こ、このぉぉ……。下等種族どもがこのわたしに!! あぁ!! アァァァァァぁぁぁぁ!!!」
急激に穴が塞がると同時にかおりは死んだ。
そんな感覚に陥るほど、すぐ側で闇が爆発した。
「おい、ぼぉっとしてんじゃねえぞ」
槇に肩をどつかれると、かおりは小さく頷いた。
「っしゃ。行こうか」
「待ってたぜ!」
ニカッと笑った康貴は雷の様にカンナに近づく。
その刃がカンナの剣に押し返される。
一歩下がりすぐに追い打ちかけようとしたが、目の前に突き出てきた剣を避けるために体勢を崩した。
その先に用意されたら棘があるなんて気づかずに。
康貴を蹴り飛ばし、腹部目掛けて斬りかけたのは槇。
カンナはすぐに反応し避け、指を鳴らす。
すると槇の視界がなくなった。
「槇! しゃがんで!」
かおりの声に反応して膝をおれば頭の上を通る何か。それが剣なんて見なくてもわかった。
かおりはすぐさま氷の弾丸を打ち、カンナを下がらせる。
それを気に康貴が横から斧を振り下ろした。しかし、綺麗によけられてしまう。
カンナの切っ先が康貴の喉を抉ろうとしたとき、炎の刃が彼の足を貫いた。
「視力戻ってるぜ、バーカ」
抜いて蹴り飛ばす。
そこは中央だった。
天の鐘と地の鐘の中間地点。
そこは、神聖な場所であった。
カンナを囲む3人。
もはや死んでいるような傷に思わず同情してしまいそうだった。
彼の過去がどうしてそうさせたのか、わからなかった。
「まだ! マだダ!! まダゃレるゾ!!」
その溶けた肉体。ゾンビを思わせるその体に彼自身気づいていなかった。
『これが彼を倒す、魔法だね』
「うん。無の魔法」
かおりが五宝珠を取り出し、天高く投げる。
それらは各々の輝きを放ち、空を埋め尽くす。
「ねぇ、元に戻すことってできる?」
『すぐにといわれれば難しい話だね。でも、それは時間が解決する。世の中そんなものさ』
五つの光がカンナを染める。
「ヤメロォ……! マダダァー! …………」
「……消えろ」
槇が情にも言葉をかける。それが意味をなすのかは不明だった。もはや人ではないそれは闇の化身と共に地中深くに吸い込まれていく。
これで、本当に終わりだった。




