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華甲二年の再会  作者: 有嶺 哲史
第二章 秋から冬
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第19話 検査のあと

 他に誰もいなくなったとき美矢子はにっこり笑い検査室のベッドに寝ころんで有嶺を誘った。

大事は終わった、いよいよおれたち二人の時間だ。

二人とも全裸になった。

 男女の恥所が接する直前、部屋の入り口で見知らぬ少女が棒立ちで見ているのに気づいた。

少女は眉を吊り上げ、頬を朱くし目をまん丸にして息をハアハアさせていた。

有嶺はさっきから自分と美矢子の恥ずかしい姿を見られたと思い、気になって立ちあがり少女の前に行こうとした。

その股間に勢いよく膨張した物を見た少女はアッと叫び目を剥いてパニックになって走って逃げた。

美矢子は少女に気付かなかった。

 有嶺はこのときふと気になってうまく録画できたかベッドに帰る前に再生してみた。

すると、あっ! 何と言うことか、何も映っていなかった。

有嶺の体も心も一瞬ですっかり萎えてしまった。

もう美矢子と何かやるどころではない。

一体何が……調べるとスコープからの信号が、モニターは通っても録画機を通らないようにこっそり配線が変えられていた。

敵がスコープだけを隠したのはこのイタズラから眼を逸らすためだった。

敵は誰が何の目的でこれを設置したと思うだろうか。

作戦が漏れていると気づかれただろうか。

敵は私たちをうまく妨害したと思って油断しているから今のうちに何かしよう、と美矢子が言った。

彼らが肉まん作戦をやらされて怒って暴れるあのナースに手を焼いている間に敵の録画機からダビングし始めた。

誰かが来る、と美矢子が知らせたので急いで別室に隠れて隙間から様子をうかがっていた。


 彼らは自分たちの装置を持って帰ろうとしたとき病院が元々設置していたカメラに気づいて足を止めて睨んだ。

彼らが編集でカットする予定の部分も含めて起こったことすべてがこの病院カメラにも記録されている。

彼らが都合よく編集した自分のカメラの映像で主張することを、病院カメラがいかに不鮮明でも並べて比較すれば否定できてしまう。

これに気づいた彼らは直ちに病院カメラの記録媒体を奪い取った。

 そのあと帰り際に有嶺たちが装置を置いて潜んでいた部屋をチラッと覗いた。

盗撮野郎は失敗してがっかりし、装置を持ち帰ったのだろうと笑っていた。

おれ達はまだ見破られていない、と有嶺は少しほっとした。

しかしどこまでダビングできたか調べると、まだ比良野も来る前の最初の方だけだった。

これでは何にもならない。

何ということだ、こんなはずではなかった。

これでは変態間抜け、と言われても仕方がない。

美矢子は落胆する有嶺を見ながら考えていた。

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