未来への軌道修正?
中川のオフィスを後にし、
再度屋上に向かう。
セントラルビル屋上。
まだ時間が早いのか、人の気配はない。
再度自分のポケットを確かめるが、
やっぱり、USBは見当たらない……
……ため息をつきながら、紫音が呟く。
「……結局、USBどこ行ったんだ?」
「屋上にも落ちてないし……」
再度周りを見渡す。
ログチーはキョトンとしながら言う。
「役目が終わったから、消えちゃったんじゃない?」
「未来が変わった証拠だよ、シルバー」
「過去への干渉、未来への軌道修正みたいなやつ」
「特に今回何も起きなかったけどバグってたし……」
「色んなことが重なった結果……なのかもね」
(……軌道修正……か……)
独り言のように呟く。
「……中川のおっさんが生きてた……」
「俺たちがやったことは……」
「無駄じゃなかったよな……?」
ログチーを見る。
「ふふ……」
「筋肉痛になった甲斐もあるよね、シルバー」
ログチーがクスクスと笑う。
屋上からの景色を眺める。
初めてのミッションは
全然決まらなかったけど⸻
空に向かって、大きく伸びをする。
ログチーが呼びかけてくる。
「……シルバー」
「……なんだよ?」
ログチーを見る。
「……今、いい顔してるよ」
にこにこしながら、ログチーが言う。
思わず視線を逸らし、軽口を叩く。
「……うっせぇ、帰るぞ!」
「……素直じゃないねぇ」
やれやれ……とログチーは呆れたように答えた。
⸻
11月8日
時刻は9時40分
「……で、ログチー、どうやって戻るんだ?」
「……さあ、わかんない……」
思わずズッコケる。
ログチーを両手で掴んで、揺らす。
「……なんで、毎回そんないい加減なんだよっ」
「……いや、そうじゃなくって……」
目を回しながら、ログチーが答える。
手を止めて
ログチーを地面に下ろす。
ログチーは、手を下に向けて合図する。
「シルバー!ちょっと、そこに座って!」
「……なんだよ……?」
地面に足を崩して座る。
「何かの儀式か?」
「……コホン!」
ログチーが咳払いする。
「シルバー、正座!」
「お、おう……」
「……てか、足が痛いんですけど?」
ログチーが、キッと睨んでくる。
「……わかったから……」
素直に正座をする。
ログチーが口を開ける。
「そもそも……」
(何か偉そうだな….)
「今、力がバグってる!って言ったでしょ?」
(……たしかに言ってたな)
「それを、キミは強引に戻っちゃって……」
(一応、お前にも言ったじゃん……)
「……で、どうする?って丸投げ?ひどくない?」
頭に図星の矢が刺さる……
(……何も言えねぇ….)
その場で思わずうずくまる。
「……ごめん……ログチー」
「ほんとに、反省してるー?」
ログチーは、肩にのそのそと登り、見下ろすように
言う。
「……うん、ごめん」
素直に謝る。
「反省してます!ログチー様!!でしょ?」
調子に乗ってログチーが言う。
(….はぁ?いや、我慢だ、俺が悪かったし)
「ねーねー早く、呼んでみなよー」
(.….くっ、我慢だ、俺……)
拳をグッと握りしめる。
「ログチー様、許してー言ってごらんよー」
俺の身体をログチーが踏んでくる。
(……唇を噛む)
「ほらほら、いえないのー?シルバー?」
きゃっきゃと揶揄うように言ってくる。
「……はあああ?」
思わず立ち上がる。
ログチーが転げ落ちる。
振り向きざまに、ログチーを睨んで呟く。
「……お前、いい加減にしろよ……?」
「わぁぁぁっっ!シルバーが怒ったー!」
慌てて逃げるログチー
「……調子に乗んなよ!このネズミ野郎!」
「ネズミじゃねーし!」
追いかけっこをしてる場合ではないのに
満足そうに走り回る二人だった。
さて、2人は帰れるのかな……?
◾️おまけのページ
シルバーへの質問エピソードも良かったら、読んでみてねー! by ログチー




