つよき!
しかし魔法科、豪華だね!
人気投票第一位のルゥイ殿下に、主人公マェラ、悪役令息ネィトもいるよ!
……悪役令息の伴侶(予定)もいるけど、顔も名前も声もないからひっそりとね。
そうだ、これがBLゲームの世界だ!
きゃ──♡♡♡
キーアが、もだもだしてたら、鐘が鳴る。
本鈴だよ。
講師の先生がやってきてくれました。
「とびきり優秀な皆さん、おはようございます。この組では、入学式のときに説明があったと思いますが、大変優秀な成績と素晴らしい魔力量の方を集めた特別講義を行います。基礎はできているものとして進めますので、頑張ってついてきてください」
『はい無理ー』
手をあげたくなるのを我慢した。
「……うぅ。不安しかない」
しょんぼりするキーアの肩を、ルゥイの大きなてのひらが、ぽふぽふしてくれる。
「だいじょうぶ。僕がついてるから」
微笑んでくれるルゥイが、とろけるような、はちみつです。
やっぱり、さっきの、こわーいお顔は、幻覚だったみたいです。よかった!
「では皆さんに、最初ですから、簡単な上級魔法をお教えします。いきますよー!」
皆、学園で魔法を最初に習うんだよね?
最初ですから上級魔法って、おかしいよね?
誰か突っこんで?
皆、さも当然みたいな顔、しないでくれる?
『悪役令息と決闘だ!』かなりハードな仕様だけど、これはハード過ぎないかな──!
あばばばしてるのは、キーアだけだ。さみしい。
「皆さん、呪文の詠唱と魔法陣の基礎は予習してきましたね?」
『してません、ごめんなさい!』
カタカタしてるのもキーアだけだよ! やばい!
「皆さんにはおのおの、得意な属性魔法があると思います。炎の方はこちら、水の方はあちら、風の方はそちら、地の方は向こうへどうぞ。詳しい魔法陣の描き方と実践を行います」
補助教員な魔法使いっぽい人が立っていて、手をあげてくれる。やさしい。
「複数の適性がある人は、どうしたらいいですか?」
質問してる生徒が、ドヤ顔だよ。
2つ魔法が使えるよって自慢したいんだよね、わかる!
「最初ですから、最も魔力量の多い、得意な属性のところへどうぞ」
皆が移動をはじめて、攻略対象なルゥイと悪役令息の伴侶(予定)なキーア、悪役令息ネィトと主人公マェラが残りました。
「光なんですけど♡」
ぴっとりルゥイにくっついたマェラが、やる気だ! 攻略をね。
「……僕、闇……」
しょんぼりするネィトの手を握る。
「だいじょぶだよ、ネィト。俺も闇だから!」
残念ながら今はちっちゃな胸を叩いてみた。
講師の先生は、ルゥイとマェラ、ネィトとキーアの魔力を確かめるように目を細め、残念そうに眉をさげた。
「ああ、そうでした、光魔法と闇魔法。教えられる人がねえ……自主練する?」
………………。
大公立学園の授業が、てけとーすぎるんですけど……!
特別講義なんだよね?
自主練って、それ放課後の自習レベルじゃない?
茫然としてたら、向こうが、きらきらしはじめました。
遠くからもわかる、きらきら!
「キーアが困ってるみたいだから、来たよ」
にこにこ手を挙げてくれたのは、ハゥザ学園長ですぅ──!?
「えぇえ! が、学園長!? めんどくちゃがりというお噂が……あばばばば!」
いらないことを言いました!
「……叔父上が使えるのは光魔法でしょう。お呼びじゃないですよ」
ふんと鼻を鳴らすルゥイが、強気だ!




