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日常で世界を変える(瀬戸編)  作者: mei


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12月15日 オンライン授業(試験)

 物音が全然しない。それもそのはず、私以外の人はいないのだから。静かな私の部屋には、薄い光と開かれた英語のテスト用紙が机の上に置かれていた。ページの端には、点線の罫と鉛筆の跡が並び、時間の流れを静かに刻んでいく。テスト開始から約30分が経過しようとしていた。窓の外では風が木々を撫で、かすかな音が、部屋の中に混ざってくる。私は、解答用紙に鉛筆で書いていく。鉛筆の芯は少しだけ削れていて、文字は滑らかに紙を滑る。

 テストは、思ったよりも難しくなかった。私の想定は難しい問題が出ると思っていたから、テキトウに答えを書く問題も多いのかと思っていたけどここまではあまりない。問題へと視線を落とすと、テストのページには、長い英文の穴埋め問題が書かれていた。かすかな自問が胸の中で鳴る。「この前置詞はこの動詞と組み合わせていいのだろうか?」、「この副詞は意味が変わるのだろうか?」。私は鉛筆を止めて、英単語に出されたヒントを思い出す。森川の授業で習った例文を頭の中で引き寄せ、意味の連結を丁寧に組み立てていく。私は時折、窓際の時計の秒針を刻む音を聞きながら考える。

 私は、穴あき問題を解き終え次の問題を見る。らすると、英単語がズラズラ並んでいる。長文に入ったこともあり、知らない単語が定期的に出てくる。ここからは、文章の前後から英単語の意味を探し当てるしかないと考えていた。何だ、この文章?英単語の意味を繋ぎ合わせるが、なかなか適切な意味にならない。なんでだろうか?もしかしたら、これはまだ私が理解できない文法かもしれない。正しく結びつけるには慎重にしないといけないけど、そんな時間はない。私は深呼吸をひとつして、問題の選択肢の中から見る。

 机の角には、小さな消しゴムのカスが転がっている。ここまで、何度も消しゴムを使ったこともあり、カスがたくさん出ていた。最初は、終わりのない迷宮のように思える英語テストだったが少しずつ終わりが見えてきた。時間は静かに流れ、部屋の空気には、解ける喜びと少しの緊張が混ざっていた。最後のセクションに差し掛かる。私は、ペン先を強く紙に押し当て、答えを書き留めていく。テスト用紙を見下ろすと、まだ空白の欄がいくつかあるので、全部問題を解き終えたら戻ろうという考えだった。この感じだと何点ぐらい取れるのか?私は、問題よりも点数の方が気になっていた。こんなんではダメだ。私は邪心を捨て、再び鉛筆を走りだした。

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