10月20日 電話
私の目の前には、一生懸命取り組んだ数学ノートが置かれていた。問題自体は難しくない。レベル的にも高校1年生くらい。それでも、毎日しんどい中、ペンを走らせた。頭痛や吐き気だけでなく、課題途中で倒れてしまうこともあった。
記憶が戻った時には、すでにお母さんが介抱してくれて助かったけど、あの時は、本当に焦った。すぐ回復しなかったということもあり、みんなにはとても迷惑をかけてしまった。それでも、舞美や南の支えがあって、なんとか今日まで来ることができたのだ。
舞美と南と一緒に、当日は、行くことに決めていた。南がどう思うかはわからないけど、舞美と話すことは、とても楽しかった。余裕があれば、そこに南も加わるといういつもの流れになりそうだった。今日は、その事前課題であるレポートの作成に取り組んでいた。そしたら、電話で、舞美が答えを確認して欲しいと言うのだった。
舞美「もしもしー」
私 「聞こえてるよー」
途中で舞美の声が聞こえにくくなってしまった。何をしているのだろうか?
舞美「答え合ってた?」
私 「x=6 になってる?」
舞美が聞いた答えとは違う。数学のノートを何度も見るけど答えは違っていた。
舞美「えっ、ちがう」
私 「じゃあ、間違ってるんじゃない?」
かん高い声が聞こえてきた。
舞美「うそー、ちゃんと見たんだけどな」
スクーリング前は、いつもこうして答え合わせをしていた。時間がある時は、ここに南も加わっている。今日は、バイトで忙しいかなんかで、電話はできていなかった。
私 「舞美は、いくつになったの?」
舞美「私は、x=8になったよ」
どう考えても、あの問題を解いてx=8にはならない。その確信はあった。申し訳ないけど、舞美よりは、賢い自信をもっている。だから、こうして堂々と答えを言っているのかもしれない。
私 「ちがうね。全然」
舞美「もしかしたら、問題とか間違えてるかも」
たしかに、今までも舞美は、そういうウッカリなミスが多かった。"カサカサ"。スマホで話しながら、問題集のページを確認しているみたいだった。
私 「まぁ、まだ時間あるし解き直しなたらいいんじゃない?」
舞美「そうね。ただ、間違い他にもあるから時間ある時に聞くね」
私 「おっけ」
舞美は、問題を解き始めようとしていた。




