魔物を喰う森~大木の年寄り~
なんか久しぶりな気がする。なぜだろう?
近くによりたいが擬態してる場合があるから、近寄りたくない。
アルテミスに魔法を放ってもらうとするか。
「了解です!主様!」
彼女が片手をかざす。
「闇よ!我主に仇なすも。」
彼女の足元の地面が盛り上がる。
「きゃあああ!?」
彼女の足元から植物のつたの様なものが飛び出し、彼女の全身に絡み付く。
「ちょっ!?な、なんですかこ、むぐっ!?」
そのまま彼女を持ち上げ口の中につたを潜り込ませた。
・・・。
なぜたろう、犯罪臭がする。
はっ!俺は何考えているのだ。
大丈夫かいか!?アルテミス!!
すると、頭の中に声が響いた。
(やれやれ、ここ最近は客が多いわい。)
お年寄りの声がする。
だれだ!!
(お主が警戒しとった大木じゃよ。)
俺が向くとその木には二つの穴が開いていた。
その穴の奥には青白い光が宿っており、まるで髭の様なつたが生えていた。
俺は警戒を強めた。
(そんなに警戒するでない。ほれ、この狐も離してやるわい。)
大木のジジイはそう言うと、アルテミスを離した。
「す、すみません。油断してました。」
いや、大丈夫だ。それより、アルテミスお前の方は大丈夫か?
「はい、大丈夫です。詠唱を止められて、無駄な魔力を消費しただけです。」
アルテミスは大丈夫のようで安心した。
ところで、このジジイのステータスを見るか。
『鑑定に失敗しました。』
な、なんと、鑑定が失敗してしまっただと!?
なぜだ!
(ふむ、お主、さては観察眼スキルの類いを使ったな。だが、儂は視れまい。)
どゆことだ、せ、先生教えてくれ!
『推測ですが、あの大木は妨害系のスキルを持ってる可能性が高いと判断します。』
やっぱそう上手く人生、いや、スライム生が送れる訳無いか。
で、俺になんか用か?じいさん?じゃなきゃ俺達を殺すのは容易いだろ。
(そうだのう、正確には用はないのう。)
? じゃあなぜに。
(お主がこの森に誕生してからずっと視ていてのじゃ。その際に急激に数を増やしてその辺の魔物を片っ端から倒していく、しかも、ゴブリンも倒してしまうからのう。もしかしたら知性があると思ってのぉ。して興味が湧いたので、話をしようと思ったのじゃ。)
なんか色々しゃべったそそのじいさん。
まず、俺が生まれてからずっと視ていた?
どゆこと?
(儂の魔力感知はこの森全体じゃからな。ふぇっふぇっふぇ。)
このじいさん、もしかしてだが話相手が居なくて、知性を持ってるかもしれない俺をまっていたのか?
(まぁ、正直その通りじゃよ。)
俺が来るかもしれないって、どんな確率だよ!?
もしかしたら俺がこの森を出てたかもしれないし、くたばってたかもしれないのに。
(でも、来たじゃろ?お主は?)
・・・。
このじいさんには敵わねな、色んな意味で。
ところで、さっきからアルテミスが黙ったままだな?どうした。
「いえ、この方が敵ではないのは判りました。ただ、単に話相手が欲しければいくらでもなると思います。」
なにが言いたいのか俺には判らない。
(たしかに狐のお嬢さんが言うと通り、話相手だったら何とかなったじゃろう。だが、もし話が通じない相手じゃったらどうする?)
話が通じない相手?
「話の通じない相手、ですか。」
(そうじゃ。儂の様な年寄りを殺そうとしてな。)
すみません。それ、俺らもです。
(お主らはいいのじゃよ。この年寄りの話を聞いておる。片方は退いたが、もう1体はまた来ると言っておったわい。)
少し機嫌が悪くなるじいさん。
ところで、退いた方は?
(あれはもう駄目かもしれんの。片目は潰してもうたし、右前足の骨も折れた、少なからず、そう簡単には動けまい。)
このじいさん、怖い。年寄りは大事にしないといけないな。じゃないと死ねるは。
「その退いた方はどんな姿してましたか?」
(そうじゃの、体は青く、黒色の縞模様、額に角で立派なたてがみで猫の様な感じじゃな。)
完全に虎獅子ですか。
やっぱこのじいさんには逆らわない方がいいな。
「わかりました。ではもう一方は?」
(この森にダンジョンが3
つあるのは知っとるか?)
ああ、知ってる。
「はい、知ってます。」
俺とアルテミスが同時に答える。
(そうか、だが、ここ数日でもう1つ、ダンジョンが生まれていたのじゃ。奴はその4つ目から来たのじゃ!)
いったいどんな奴だ。
(アンデットじゃよ!ケンタウロスのスケルトンじゃ!この森によりによってアンデットが出るとは、アレが目を覚ましてしまう。)
ケンタウロスのスケルトンってなんだ?
なんか速そうで俺は嫌だな。
てか、アレてなんだ?
(ん?あ~、それはこっちの話じゃ、気にせんでくれ。)
気になるが本人が気にするなって言ってるし、深く考えないでおこう。
(そこで、この哀れな年寄りのお願いを聞いてくれんか?もちろん、お礼はするぞ、お主らがビックリするようなものを、な。)
み、魅力的だな。
よし、その話乗った。
(そうか、ではお嬢さんは?)
「主様がやるのであれば、使い魔の私がやらない訳にはいきません。」
(ふむふむ!やはり儂の目は正しかったようじゃの。では、そいつの居るダンジョンを教えるのじゃ。)
なんか乗せられた気がするが今更だ。
このじいさんでも仕留めきれないってどんな奴だ?
少し準備するか?
書き忘れていたかもしれないので補足
分裂したスライムは特殊なスキル以外は元になったスライムと同じLvとステータス、スキルを持つ。
ただし、そのあとのレベルアップ時のステータスの変動が起きる。




