3話
外から鳥のさえずりが聞こえる。
「...はっ!?ここどこっすか!?」
「落ち着きなさい荒木くん。あなた、昨か日の夜から気絶していたのよ。」
目の前で母親と子供が朝ごはんを食べている。
「うぅ∼まだ臭う(泣)
鳴海さん、俺臭いですか?」
「...。荒木くん、良いことを教えてあげる。
人間の価値はね外見じゃないのよ。
"女は愛嬌、男は度胸"ってね。」
「鳴海さん...(泣)ってそれ!臭いってことじゃないですか!!!」
「しかしゴミ箱も大変なのね...。近くにあって当然の物かと思ってたけど丁寧に労ってあげないとね。」
「そうっすね...。こんな劣悪な環境で働いてくれていたとは...。感謝っす。」
人間達が皆家を出ていき部屋は静まり返る。
ボンッ!!!
「うぉっ!俺の身体に戻った∼!快適∼!!!」
「荒木くん!お客様の前なのよ!最後まで丁寧に!」
2人の目の前にはゴミ箱が2つ並んでいる。
「ファ∼。よく寝た∼。」
「久しぶりに熟睡できたわ∼。」
「ゆっくり休めましたか?」
女の声に反応する。
「はい!丸一日休めたのなんて何日ぶりだか...。」
「本当ね。今までの疲れが吹っ飛んだわ。」
「俺達もお客様の存在がどれだけありがたいか分かったっす!」
男が女の方を見る。
「本当ね。毎日こんなに臭い思いをしているなんて頭が上がらないわ。」
「そうっすね!あっ!折角だからお客様のこと洗わせてください!もちろんサービスで!」
「荒木くん、たまには気が利くわね。そうね。洗わせてもらいましょう。」
2人はごみ箱を1つずつ持ち上げる。
「そんな!申し訳ないですよ!僕ら臭くて汚いのには慣れてますから!」
「遠慮なさらないで下さい。私達の感謝の気持ちです。」
洗面台に行き流水とスポンジで汚れを落としタオルで拭く。
「ふぅ∼。どうっすか?綺麗になりましたか?」
「休みまで貰ったうえに洗浄まで...。本当に感謝してもしきれないわ。」
「とんでもございませんわ。これが私達の仕事なので。」
「あっ!そ∼だ!」
男はポケットからメモ用紙と紙を取り出し何かを書き始めた。
「???荒木くん、何してるの?」
「で∼きた!これをお客様方にペタッと!」
女が貼られた紙を読み上げる。
「注意事項
1.鼻をかんだティッシュは丸めて捨てる。
2.汚れたビニールは洗って捨てる。
3.ゴミ箱が一杯でも無理に押し込まない。
4.定期的にゴミ箱本体を洗う。
ってなるどね。」
「わぁ∼。ありがとうございます。これで今までより快適な暮らしができそうです。」
「お2人共、本当にありがとう。所長様にもよろしくね。」
「そんじゃあ!また!何かあったらいつでも呼んでください!」
男は手を振り女は頭を下げ家を出た。
暑い日差しが2人の全身に降りかかる。
「鳴海さん、なんか変な匂いしません?」
「嘘!?家具代行時の匂いは引き継がれないはずだけど!?」
女は右腕を鼻の前に持っていきクンクンし始める。
「鳴海さん、"女は愛嬌"っすよ?
ちょっと臭いくらい大丈夫っすよ。」
「荒木くん...(泣)」
「ウッソで∼す!鳴海さんは匂いも愛嬌もないで∼す!(笑)」
男が走り始める。
「こら∼!!!待ちなさい!!!!!!」
小柄な女も必死に走るが追いつけることは無かった。




