法学者
連続ドキュメント特集『2020年代のデータセンター暴走がどう防がれたか』(全6回)
第4回 著作権の崩壊と再構築── AIが人の創作文化の基盤を揺るがした数年間
司会「テレビの前の皆様、こんばんは。連続ドキュメント特集『2020年代のデータセンター暴走がどう防がれたか』、第4回をお送りします。司会は私、結衣カーネリスです。」
「今日は、著作権の崩壊と再構築AIが人の創作文化の基盤を揺るがした数年間について、専門家の皆様とともに見ていきます。」
●法学者・御影教授
●情報学者・黒瀬准教授
●経済学者・三条准教授
「よろしくお願いします。」
司会「4回目となりました。AIによって著作権がずっと侵害されていた時期には、いったい何があったのでしょうか?」
著作権の本来の信念
御影教授「著作権とは、本来“創意工夫への評価”です。作品の一部を変えたところで、創作性が消えるわけではありません。部分的特徴の不一致で覆るものではない、これは、文化を守るための基本的な考え方でした。」
司会「それが、AIによって揺らいだわけですね。」
御影教授「はい。AIは“創作者でないものが創作者の立場に立つ”という構造を生みました。その結果、部分改変型の盗用行為が大量に発生したのです。」
AI生成物は初めから著作権侵害だった
黒瀬准教授「AI生成物は、学習元に作品が含まれている時点で、初めから著作権侵害だと分かっていました。」
司会「つまり、学習段階でアウトだったと。」
黒瀬准教授「そうです。“学習だからセーフ”という論理は、2020年代のAI企業が作り出した都合の良い解釈でした。本来なら、ここで対策をしなければいけなかった。しかし、誰も動かなかった。」
対策が無かったことで商売になった
三条准教授「対策が無かったことで、AI生成物が“商売”になってしまったんです。」
司会「商売……。」
三条准教授「制作者個人 対 巨大企業。これは、暴力的な著作権侵害行為だったと言えます。AI企業は、作風模倣を商品化し、個人の創作文化を食い尽くしていきました。」
著作権侵害の氾濫(2024〜2030)
2024〜2030年。AI生成物は、世界中の創作市場を埋め尽くした。
作風模倣。
キャラクター模倣。
世界観模倣。
そして、AI企業はそれを“合法”と主張した。
著作権侵害だと誰もが分かっていたのに、世界は黙っていた。
その沈黙が、文化の崩壊を招いた。
AIサーバーの多くが著作権侵害のために運用されていた
御影教授「やがて、衝撃的な指標値が公開されました。AIサーバーの多くが“著作権侵害のために運用されている”というデータです。」
司会「それは……。」
御影教授「世界はようやく批判を始めました。ここで初めて、AI著作権法の制定が議論されるようになったのです。」
AI著作権法の制定(2032)
黒瀬准教授「2032年、AI著作権法が制定されました。学習段階での著作物利用を厳しく規制し、作風模倣を禁止し、AI企業の生成物を“著作物ではない”と定義しました。」
司会「文化が正常化した瞬間ですね。」
黒瀬准教授「はい。この法律によって、AI生成物の氾濫は止まりました。」
作風模倣文化の終焉と手描き文化の復活
三条准教授「AI著作権法の制定後、作風模倣文化は急速に廃れました。代わりに、手描き文化が評価されるようになったんです。」
司会「創作文化が、本来の姿に戻ったわけですね。」
三条准教授「ええ。2030年代は、手描き・手作り・手仕事が再評価された時代でした。」
司会「著作権侵害だと誰もが分かっていたのに、なぜ世界は黙っていたのか。2020年代は、その問いが突きつけられた時代でした。」
三条准教授「AI動画生成が社会から消えて誰も困らなかったように、AI作風模倣が消えても、誰も困らなかった。文化を守るために、何を残し、何を捨てるべきか。その答えを、私たちはようやく見つけたのかもしれません。」
司会「次回は、軍事利用の倫理─AIが安全保障の基盤を揺るがした数年間について見ていきます。」
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「あのキャラクターってどんなだっけ?」と聞くと、トゥルミナはA4用紙に出力してくれる。
自分の家に、漫画を鉛筆でヘタッピに描いてくれる嫁がいるというのはとてもいいものだ。




