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野蛮王  作者: 山本やままる
2章 世界大戦
20/30

世界大戦 Ⅰ 情報戦/やる?ヤル!ヤバンオウ!

「「さん」」


「「にー」」


「「いち!!」」


「「どっかーん!!!!」」背後で何かが爆発した


「「わ~~い!!やる?ヤル!ヤバンオウの時間だよー!!!


 みんな~あつまれぇ~」」


ドタバタ動くカブトムシのきぐるみ(かなりリアル)とゆみやが配給している

コンテナの前でスポットライトに照らされていた


「これからの事話し合うもんよー

 捕まってたなら敵の情報出せるヤツ、

 生き残るのに必要な物、やる事、知恵を出せー!

 いい意見言ったやつには飯をやるもんよ!!!」


がやがやと野次交じりに集まりだす

「飯だもっとくれ!!」「風呂に入りたいなんとかしてくれ」「女!」

「病気が!「アレだ!「これだ!「東の海に「ラーメンくいてぇ「肉だ!!!

ガンガン食器を鳴らすわ自分の声を届けようとだんだんと大声になっていった


「うっっっっっっせぇえええぇぇぇぇぇぇッッッッ!!!!!!!!!!!」


ぴた

「ご意見ご要望は番組の最後に紙やっからそれにかけ!!だもんよ」


「・・・」←何かを忘れた


ヤバン王陛下(・・・・・・)よろしいでしょうか」

食器を持ちボロズボンをはいたギンが挙手をした


カブトムシのきぐるみがワキワキ動く、カッコをつけていた

「・・・」


「発言を許します」ゆみやが許可を下す


「戦況の整理をまず、するべきです!

 〇ひとつ、敵の状況。直ぐに攻めてくるのであれば避難を優先するべきです

 〇ふたつ、食料の確保。正直この保存食だけでは満足に働けません。

 安定した食料の供給源が必要です

 〇みっつ、自戦力の把握。ヤバン王陛下(・・・・・・)の戦力を教えていただきたい

 このヤバンを制圧したとして竜人たちの本拠地はおそらく海外のどこかから

 攻めてきています海外まで手を伸ばすのは人数的に不可能では?」


ギンは知的な一般人を装って話を進める


カブトムシのきぐるみは何かブロックサインを出している

「敵の首魁はヤバン王陛下の〝超能力"により倒されました。ですが、

 先のような上陸兵器は未だ複数存在していることを確認しています」←


このようなどうやって知ることができたのか謎な情報を出してくるゆみやに

装武もギンもぎょっとする

上陸してきたとはいえ〝潜水艦"であるレーダーでも霊波でもとらえることは難

しいはずだった


「これもヤバン王陛下が先の巨大怪獣を倒してくださったおかげです」

ゆみやはカブトムシに頭を深々と下げた


わきわき

「僕カブトムシだからわからないやー(棒)」

「(ご主人様そこはふたつ前のセリフです

 その次のセリフで合わせてください)」ひそひそ


わきわき

「俺が怪獣倒したヤバン王装武だもんよ!!」


きぐるみの頭を取った!!!


きぐるみの中は装武だったのである!!!


男たちは思った『変装していたのか・・・?』と


「恐竜どものヤバンのトライドン(ボス)毒を撒いてたスタトラ(大ボス)も倒したもんよ!!

 これからは毒に脅える必要もないぞ!!」大威張り


「「「・・・ぉおおおおッッ!!」」」


「こらからは奴らを逆に食ってやる番だもんよ!!!」


↑↑↑「「「「「おおおおおおおおッッッッ!!!!」」」」」↑↑↑

ひときわ大きな歓声が上がった



「ではこのまま一掃なさいますか?」


「んにゃ?まず、やる(・・)事は決まってるもんよ!」


「おお大きなお家を建ててゆみやちゃんと結婚にするんだ!!」

「!! はい!!!まずそれが最優先ですね!!!」

ゆみやは装武に抱き着いた!!


(攻めてくるかもしれない、いや、攻めてくることは確実なのに拠点。

 建てちまうのか…?敵が上陸型の潜水艦所持してるのは確定してるんだぞ?)

ギンは思った。

(それよりも!チビ助(・・・)に飲まされたナノマシンがもう展開完了してやがる

 装武やゆみやに不利なことを考えるだけで警告文で視界が埋め尽くされる!

 違反すれば体のコントロール盗られんのかよッ

 装武たちに茶番をさせつつナノマシンのコントローラー探さねぇと!!

 わざわざ視界に表示させてる軍事用じゃあないおそらくは配給(・・)に混ぜる

 前の奴だ、てことは管理者側に回らないと詰む!!)


ギンは再び挙手をした

「建築をされるにしてもあのコンテナだけで賄うのですか?

 どこからか調達できるのでしたら食料もお願いできませんか?」

(そこに管理システムがあると見た!)


「ご主人様いかがなさいます?」

「ん~?」

「ご主人様がフラスコをあとになされたのはあそこが子供ばかりだったから。

 子供から食べ物を巻き上げるのはカッコよくないと思われたのですよね?」

「そう!そうだもんよ!!」

「こちらの食糧は機械生産ですのでお気になさることは無いのですが

 人手を費やして生産したお野菜やお肉もございますけれど

 あの子達が食べる分ではありませんのでお持ちしてもよろしいですか?」


「いっぱい余ってるもんよ?」

「はい、ご主人様に召し上がっていただくために生産しておりますので」

「食べなかったご飯は子供が食べるもんよ?」

「いえ、あの子たちは調整食しか口にできませんので処分しております」


「もももももっっったいねぇぇぇぇえええええ!!!」

全身をもってバタバタした!!!


「全部食べっから持ってくるもんよ!!!」


「かしこまりました」


「ちょっといいか?」

そこにギンが割り込んだ


「「?」」

「その食糧、いや配給の保存食で構わないトラック一杯譲ってくれないか?

 タダでとは言わない。武器弾薬燃料満載のコンテナと交換でどうだ

 それで西で生き残ってる連中に傘下に入るように交渉してくる。

 うまくいったら俺を幹部に取り立ててくれ、役に立つぞ!」


「ぉおう」

装武からしてみればギンはゆみやと同等ぐらいの格付けなのだが

途中でそういう番組の演出だったっけ?的な解釈に至った


「俺様の役に立つなら幹部に取り立ててやるぞ!!

 やる気のあるやつは大歓迎だもんよ!!」


ざわざわと騒ぎ始める男たち


「一つ問題があって道中に竜人の主力部隊がいる!この目で確認しまた。

 海岸沿いを埋めるほどでした。ヤバン王陛下の寡兵は50人ですか?」


「んー?52人?ただの恐竜なら何とでもなる、能力者がどのくらいいるか

 が気になるもんよ」


「ご主人様、良い機会ですので黒騎士達の能力お披露目の舞台に致しましょう」


「よーし!!!明日発表会やるぞ!

 

 能力のお披露目と手の空いたものは模擬戦!


 家も建てる!!得意なものを活かして活躍しろ!

 

 一等賞にはお願いを何でも聞いてやる!!ビリっケツはお尻ぺんぺんだぞ!!」


「「「「「「「「「「Woooooooooooooooooooooooooo

ooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑


黒騎士達がフォーンを負荷しだすなかゆみやは挙手をした

「ご主人様、このゆみや、たった今、黒騎士団統括総長に就任いたしました

 どうか兵へのお仕置きは責任者でありますこのゆみやにお願いします!!」

はぁはぁと興奮気味になんかに就任した


ギンは内心ほくそ笑んだ。未知の傀儡人形(パペット)の性能がこれでわかる。と

目算でゆみやの能力を52体に分け、本人は無能を装い装武にベッタリするつも

りであろう。

ナノマシンのコントロールにあたってこの数に固まっていられては面倒、いや

不可能だろう。海外への侵略を進言し分散させ、必要であればゴットン・キリン

グスを当ててやればいい。如何にゆみやと言え52に能力を分けたのであれば

単体で勝つなど無理なはずだ

はずだった


ギンの脳裏になぜこの展開に至ったのか思い至った


御父様(・・・)の【勅】により見えないはずだった自分を看破した?)

装武には効かない黒死病自体が装武のコントロール下にあるからだ

装武が見せようとすれば見れるはずではある。


だがそんな素振りがあったように思えなかった

そもそもパペットが装武のコントロール下であればその必要もないのだが

話しぶりからするにゆみやの死力兵装(ダイハード)である


そしてもともとは以前戦ったガンダン(バイソン&フロッグ)使いの使用していた死力兵装(ダイハード)のはずだ

そのコントローラーもどこかにあるはずだが死力兵装である以上死力が無い自分ギン

には基本的には使えないため選択肢から除外した


パペットの挙動を見るに精巧なAIを搭載した自立型の戦闘用アンドロイド

・・・女性型ならガイノイドと言うべきか?人型サイズで慣性制御を装備している

のは脅威だが奴らの技術を独占したゆみやなら不思議ではない

だが勅を破れる、天意に匹敵する力を持つパペットなど作れるか?


天意に匹敵・・・


悪の象徴(サタン)と天意は同等、ほぼ五分の力を持っていたはずだ

天意たちが超兵器 無原罪の天子(ベイビーオブラブ)を持つのに対し

サタンも同級の兵器 悪の先兵(サタンフォーク)を所有している


70のサタンとの『外』での戦いにおいて敗走した3人の天意達は



地球を見捨てた(・・・・・・・)


地球へサタンの侵略を許すことにはなり地球は地獄に変わった


が、結局は装武が皆殺しにしたはずだ。


たかがパペットが天意に匹敵するはずがない



ギンは油断も過信もしない己を最大限活用し好き勝手するのだ

自分の都合のいいようにすべてのピースを組み立てる

自分と装武の世界においてゆみやは目の上のデカすぎるたん瘤である



「えんぴつ、えんぴつ・・・」

装武はコンテナの中や腰巻をひっくり返して書くものを探していた

男たちに大事なところが見えないようにスッとお盆で隠してくれる辺り優しさが

うかががえるゆみやである。


(カルトラップ)!」


ゆみやが呼ぶと黒騎士菱の手にはすでに鉛筆があふれ出していた


「少し早いですがご紹介致しますね(カルトラップ)は3Dプリンタとして

 ご利用いただけます。それに対応した素材は必要になりますが簡単な物で

 あれば直ぐにご用意できます」


黒騎士菱の手から鉛筆を一本手に取り

「こちらの鉛筆ですと木材が難しい部類の素材でしたので樹脂をテープのように

 巻いた構造になっております」

クルクルと剥がしていくと鉛筆の先は削ったような形になった

 

ついでに出した紙もざらざらした繊維状の樹脂を紙の薄さに成形したものだった


(カルトラップ)、少し忙しくなりますご主人様が手にするもの以外は

 2次生産以下で構いません。建材も精度が必要ない部分は2次で構いません」


「はっ」

黒騎士菱は色々な形のブロックを成形し四角い枠組みを大中小と組み立ててた

小が組みあがる頃には最初に組み上げた大(2メートル四方)が大の部品を成形

し終わっていた


黒騎士書(ミクロノミコン)がブロックの組み立てとは別のスケルトンを連れ

「手伝おう」

組み立てに参加した



夜はふけていく―――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「ヴラギール貴様が出るというのか?」


衛生的な広い室内、小柄でつるっとした緑色の肌をした竜人は


筋肉隆々で薄茶色の肌をした竜人へ確認のために問うた


ヴラギールと呼ばれた竜人は鼻息荒く、鼻は頭頂部についてるのだが、

「はっ自分こそがヤバン強行偵察任務に相応しいと進言致します!」

と、息まいた

首も長くブラキオザウルスに似ていると言える


「敵は〝あの"ゴットン・キリングスだ生きて帰ってくることは難しい・・・

 そしてこれは戦闘が目的ではない現在ヤバンは全くの不可知領域となっている」


「はっ存じております!」

太い腕を手刀にし首に突き付けたポーズ 敬礼である


「情報を持って帰るのが任務だ、正直に言おう。貴様にできるとは思えん」

(ヴラギールの腹黒さは支配者(ドミネ)型であるこの私だからこそわかる)


「がはははは!!お見通しでありますか!!がははははっっ」


事務方である現代竜(モダンドラゴン)でありがなら古代竜と共に人間(ホモ)と戦い、喰らい、

生き残ってきた。そして成り上がるためなら平気で同族すらも手にかけてきた雄、

ヴラギール。


「貴様ヤバンに着いたら〝うらぎる"気だな?王の声の届かぬヤバンへお前が志願

 する理由など他にあるまい?」


「はっその心算(つもり)であります!!がはははは!!軍法会議にでもかけますか!」


一度ぎろりと睨みつけた小柄な竜人であったが


ふぅとため息をつき

「よかろう」


そしてまた眼光はヴラギールを捉える

「だが忘れるな人間(ホモ)から奪ったミサイルがあることを!」

(ゴットン・キリングスには効かぬと王は仰られたが物量による飽和攻撃さえ

 してしまえば・・・)


「グッ・・・」

ヴラギールはぎりりと歯ぎしりをした


「まあ情報をちゃんと報告すればヤバンは好きにして良い。

 トライドンも死んだろうしな」


「がはははは!!そう来なくては!そう!!そうですとも!!がはははは!!」


のっしのっしと、部屋を出て行ったヴラギールに語り掛けるように


小柄な竜人は呟いた


「使い捨てるにはちょうどいい」




夏の蒼天から強い日差しが降り注ぐ


巨大な甲板に蝙蝠のようなシルエットの黒い怪獣(巨人)が膝をついていた


その足元には人型の竜人(モダンドラゴン)の青年が汗を掻きながらノートパソコンを操作していた


「俺様のゲリデス改の調子はどうだ最高に仕上がってんだろうな?」

ブラギールは青年の背中を足で小突きながら訪ねた


「少佐!はい!最高の状態に仕上げてあります!」


「よし!!ヤバンへ出撃だ!!がはははは!!」


「あの、今からですとヤバンへ到着するころには夜が明けてしまいます

 ゲリデス改のステルス爆撃は闇夜に紛れた方が成功率が上がると進言致します」

竜人の青年は首に手刀を突き付け 敬礼をした


「夜が有利なことぐらい知っとるわボゲェ!!」


忠実な青年はブラギールのつま先蹴りを腹に受け3回転した

体格差があり過ぎたブラギール4m!その体重1tを超える!

竜人の青年は人間よりもやや小柄1.5mの40㎏しかない


「今、昼!ヤバンまでゆっくり行けば夜だろうが!!!」


「ゴホッ、ヤバンはいま真夜中ですので…ぐっ、到着時刻には朝に」

肋骨が折れているが懸命に答えた


「がはははは!!そんな馬鹿な話があるか!!」


のっしのっしとブラギールは蝙蝠型の巨人ゲリデス改へ歩んだ



ゲリデス改は翼を伸ばした、その翼長は80メートルにもなる

さながら黒い傘の様である。こうもり傘とは言ったものだ


足の間からジェットの様に炎を吐き出しバサと羽ばたいた後である


仰向け(・・・)にホバリングすると今度は逆にうなじと思われた場所から

炎を噴き出し飛び去った!!


この怪獣もやはり逆立ちしていたのである

地面についていたのが前足で長大な翼があるのは後ろ足に当たる


当の運天手(ドライバー)は脊椎の末端、短い尻尾に拡張された室内に収まっている

肩(尻)には左右3基、計6基の円筒の棺が付いていた



――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ギンは重要なことを聞き流してしまっていた

「――装武、ヤバン王陛下、そちらのゆみや(・・・)様とご結婚なさるのですか?」


「そうだもんよ!指輪と白いのと家をプレゼントするんだぞ!」


「――――。」


思った疑問は言えなかった。

ギンの目の前にだけナノマシンによる警告文が表示されていたからだ


『警告。無期限自由意志剥奪の対象です』



「お、おめでとうございますッッ!!

 では建国、即位とご結婚と盛大にお祝いをしなければなりませんねッッ!!」

ギンは即座に取り繕った


「おー!!!お祝いだぁああッッ!!

 ケッケッ・・・ケェエエエエエキ食べるッッッッ!!!!!!!」

「はいご主人様、大きな大きなケーキをご用意致しますね♡」


「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおおッッッ!!!!


 ケエェェェェェエエエエキイイイィィィィィィイイイイイイッッッ!!!」



装武はゆみやを抱えコンテナの周りを疾走し、その残像は4つに分身していた!







あの女(・・・)の名前を頭に思い浮かべた。

 

 それはそれほど重罪なのか?ゆみや――≫


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