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野蛮王  作者: 山本やままる
2章 世界大戦
21/30

世界大戦 Ⅱ 龍穴/ドラゴンホール

龍穴(ドラゴンホール)をお探しになるのですか??」


うんうんとうなずく装武

装武とゆみやはフラスコ内の寝室にて布団をかぶって今後の展開を密談していた


「風水で言うところの地脈、龍脈の終結点でしたよね?」


「そう!そんな感じのやつ!アニメでやってた!!」


(えッ?)

「龍穴へ行くとどうなるのですか?ま、まさか・・・願いが叶うのですか?」


「そうだもんよ!発表会のご褒美何でもって言っちゃったからだもんよ!」


「ですが・・・その、私も存じませんので何か手掛かりでもありませんか?」

ゆみやはそんな都合のいいものがあれば地表の全てをひっくり返しても探していた

そう思った。


「ふ~ふふふふ、わかんないことあったら年寄りに聞くもんよ!」


「お年寄りですか・・・?チベットの!」


「そだもんよ!あのじーさんなら死ぬわけは無いしなー」


(そんな都合のいいものは無いかもしれない。しかし万が一にでもその可能性が

 あるのであればご主人様に永遠の命を願えばどうだろう・・・不老不死ではないが

 不老の人物自体はいたのだから。アレの不老はどういう仕組みでなの…?)


「ご主人様、一等賞のお願いに龍穴が必要で無ければ私にいただけませんか?

 大概の物であれば私がご用意いたしますから」



「いいよ!!!

 ギャルのパンティーこれしか持ってないからあげるのやだったんだもんよ!」

そっとシマパンツを腰巻から取り出した



「ご、ご主人様そ、そのようなもののために・・・」

くんくんくん

装武は匂いをかいだ!

「・・・ギン臭い」

装武は渋い顔をした


「ちょっっご主人様それはあんまりです!洗いますッッ!!!」

ゆみやは女児パンツを奪った!


「あっおれの宝物・・・」

「あのっそのっ・・・脱ぎたてあげますから!・・・ね?♡」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



――ベイビーオブラブ、大英雄の王冠内、超大陸(パンゲア)級コックピット


 フラスコ――


内部は玉座の間を頂点に三角錐状に広がり幾重にも階層に別けられ最下層に至って

はユーラシア大陸に匹敵する“人工の大自然”が広がっている


その人工自然を使って何をしているのかと言えば、食料の生産。である


そして、その面積を使って賄われるのは装武1人分であった


その製作者ゆみや自身は食事に頓着も無く機械生産の健康調整食を口にしていた



広大な土地を食料となる物を管理しているのは生体ロボット、ホムンクルス


それは主人が“天然素材”を好んだ


それを収穫するものが異形の金属機械では“味”が落ちるだろうと。


ただそれだけのために生み出された




フラスコとは別の世界 地球。

そこの味を再現するためホムンクルスたちはたくさん働いた

いつかご主人様が目覚めたときにおいしいものを食べてもらえるように


お腹いっぱい食べてもらえるように


毎日毎日。


良いものを選りすぐり選りすぐり


最上階で眠りについているごしゅじんさまのために


いつか必ずむくわれる日を信じて




そして目覚めた装武は


その日のうちにフラスコをあとにした――





お通夜モードである


自分たちの仕事は穴を掘って埋めるだけ、作っては捨てられる繰り返し

自分たちの存在意義を全否定させられた子供達の絶望は計り知れなかった


ロボットである幼女たちの体は日々の仕事をこなすが

脳は統合管理システム下セカンドスレッド内に置いて情報交換をしている

「 はぁあああああああぁあああぁああぁぁあぁ↓↓↓」

「装武様ぁあああぁああああぁぁぁぁあ↓↓↓↓」「もっと食べて・・・ぐすん」

「なんでわたしたち生きてるんだろうね…もっと心のない機械にしてくれたらよかったのに」

「装武様が生きていると仰ったから私たちは機械ロボットから生きた人造人間ホムンクルスなの」

「また『お目覚めの日』を見よう?」


その記念されるべき映像アーカイブはたった1日で100億再生を超えた



なんと装武が旅立ってまだ30時間程度しか経っていないのである



そしてゆみやから一報がもたらされた


『全部食べっから持ってくるもんよ!!!』


「「「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

」」」」」」」フラスコ内が震撼した


「いぃぃいやああああっつったあああああぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」

「装武様ああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!」

「食べて食べて食べて!!!いっぱいご飯食べて装武様あああぁぁあああ!!!」

「キタ━━━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━━━!!!!」

「装武様好き好き好き好き!いっぱいちゅき!!!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

巨大な琥珀色の結晶の中に黒い大男が槌を振り上げ固まっている

大男は雄牛のような角があり、体に密着した大鎧を着ている

そのはちきれんばかりの筋肉はさながら金剛力士のようである。


端さえ見えない空間でありながら

途切れなく美麗な彫刻を彫られた黒い柱と床は地平の彼方まで並んでいる

金属でも石材でもない。木だ。真っ黒な木にうっすらと独特の木目が浮かんでいる


結晶の中の牛男とは別に


拘束服のような巻きの、桃色の子猿の面と


銀色に輝く、牡鹿の角を持つ甲冑の男がいた


子猿の面は結晶の据えられている一段高い場所で待つ

鹿角の男は序列を知ったうえで同じ高さへ登った


「最強の天意がこの様とは情けない話だな。誓約(ゲッシュ)か、」

固まる牛の大男をみて鹿角の男は見下すように言った


「銀の天意よ、口を慎め。偉大なる祖たる方ぞ。誓約せいやくあらばこそ並みの天意

 を遥かに凌駕し、星すら創造しうる。現存される唯一の【天】ぞ。このお方さえ有れば

星を盗られようとまた再興できるわ!どれだけときが掛かろうとな!」



「強いのは認めるがね、70の悪意(デモン)相手に一騎駆け。

 長生きしすぎて死にたくなったんだろうな・・・近々《きんきん》で確か娘を殺させたのだろう?」


「クッ・・・致し方なかろう・・・そうお告げがあったのだ。祖の娘、弓を引く(・・・・)とな」


「それでよくこの男に謀反を起こされないな、間引く程度 他人(ひと)を使えば

 良かったろうに」

もはや呆れた声 


「ぬし、やれるか?太祖様の守る家族を。しかもじかの子ぞ?

 太祖様の子を殺められるのは皮肉なことに太祖様、本人しかおらぬのよ」

(だが世が世なら野の子であろうと祖の直子たれば姫としてゆくゆくは皇帝の伴侶と

 なるべきお子、弓を引いたところで皇族ひとりの力で何ができよう?

 悪しき皇帝にでもしたのであろうか…?)


「それゆえの誓約(せいやく)よ。我らの願いを叶え、そして我らは信を捧ぐ

それがこのお方の力の源、龍穴よ!我らに真の意味で矛を向けることはできぬのだ」


「はっそれで自分の意志で勝手に死ぬこともできずに。

 死にぞこないカチンカチンでございと、はは」

琥珀色の結晶を指ではじいた


「太祖様は封じておるが天子()は寝ておらんぞ」


「・・・げ」

銀の天意は固まった


「太祖様は鍛える心算あれば皇族ですら潰し(・・)てしまわれるお方ぞ?」

クスクスと子猿は笑う


「妃殿下、潰され(・・・)るのは娘を殺させた貴女の方では?」


張り詰めた空気が流れる。


「まあ良いこの俺が皇帝につけば手出しもできん、

 【冠】を取り戻した暁には娘を寄こす話、たがえるなよッ!」


「然り。朕のクローン()とは言え、始皇帝陛下(・・・・・)真名(マナ)を頂いておる皇位継承権持ちよ、冠、鏡、おぬしの持つぎょくが揃わば姫を娶りの新皇帝と成るが良い」

 

「では第一、第二師団より一個師団を編成しろ」


「な、自分の第三師団を使えばよかろう!」


「奴らはまだ警戒任務中だ悪意(デモン)が70で終わりとは限らん、それに」


「それに?」


「次期皇帝であるこの俺が近衛である第一師団、王族の多い第二師団を使って何が

 悪いか?牛男(コイツ)の第四師団は男ばかりでな美しくない、願い下げだ」


「むう(こ奴の旗下に第一と二の半数、第三、主力の約半数を貸すことになる)」


「念の為だ天孫(グランド)を70騎持っていく」


「はあ?70だと?!125騎しかない天孫を!!ふざけ・・・70?」


「気づいたか別にふざけてなどおらん。そもそも()一人で一掃した

 などと言う話、お告げであっても未だ信用できぬ。奴は天意ですらない」


「確かにな。だが悪意(デモン)が健在であれば『神器を揃えよ』とはまた酷なお告げよの

 天孫では悪意には叶わぬぞ?」


「いや俺の()では70で足りる。天孫は失っても神器はそうはいかん」


「主がそういうならそうなのであろう。

 逆探知される故偵察もままならぬがお主ならばこの任やりとげるであろう」

(銀の天意が負ければ三人(・・)の天意のうち残るは聖東院のみとなる。

 いっそ全軍をもって・・・)


「戦力分散が気になるか?透けて見えるぞ、そういう時は発破をかけよ」


「あ、あぁ。御武運を次なる皇帝よ!」




「ふっ任せておけ!大鹿たいがの天意ファルクス・D・ライザ出陣する!!」



鹿の男はマントを翻すと開いた柱に消えた

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おっはよー!」


朝、装武が大英雄の王冠の側頭部から飛び出すが

そこはうっすらと青い水中水族館のような世界だった


「なんじゃこらー!!!!」


「そちらは“基礎”でございます上の方はまだ充填中ですので硬化しておりません」

天井からさす光は水中のそれのようにゆらゆらと降り注いでいる

内部も床から外周までつるつるの半透明プラスチックのような素材で覆われており

まるで結晶(クリスタル)のようだ


装武たちは大英雄の王冠と怪獣との戦いによってできたクレーター地点にいた

残骸は既に回収され巨大コンテナ周辺のプリンタからベルトコンベアで天井へ続く

坂道を四角いものが運ばれていく



「でっかいブロックだもんよ!!!」

それは縮尺を間違えたような大きさで一辺が身長2mの装武よりも大きかった


装武はゆみやを左肩に乗せ巨大ロボを駆け下りる


ぽーんぺたぺたぺたッ


一歩が10メートルを超える速さでクレーターの急な坂をを軽く駆け上がった

「ご主人様―は、はやいですー」

ジェットコースターのように万歳してしまいそうな加速だがゆみやさんの腹筋は

耐え、装武の頭にしがみついた


水槽のトンネルを抜けるとそこはー



まるでおもちゃの国の様であった


カラフルなレボブロックでできたクレーンが巨大ブロックを積み上げている

レボリューションブッロックは玩具のようではあるが動力と組み合わせて

実際に仕事をしている整地をしているブルドーザーもロードローラーでさえ。

動かしているのは黒騎士書の作った骨たちだ。


人間たちは骨に連れられなにやら仕事の説明を受けているようであった


「装武様だ」「ソウブ様」「装武様」「王様」「ヤバン王陛下」「装武様」


昨日とは掌を返したような様付けである


「おっはよー装武様だもんよ!」


あまり気にしてないようである


「ご主人様お食事のご用意ができております、

 仮設ではありますが監督所へ参りましょう」


「おー!ごはんごはん!」


「それと、カメラで撮影してもよろしいですか?フラスコの子達がどーしても、

 食べてるお姿を拝見したいと」


「いいよ!」


「オーブ!お許しが出たわ!ご主人様のカッコいいところ余すことなく撮りなさい!!」

「ハッ」

まるでなんとかキャノンの様に左肩に大きなカメラを取り付けた黒騎士が一礼をし

て手のひらサイズの円盤ドローンを複数機展開させた


「そうでした。一応“敵”の怪獣のような飛行物体がこちらに向かって来ていると

 のことです。如何なさいますか?あと30分ほどでここまでくるようです」


「お?ぉー飛び道具は効かないやつっぽい?」

「先の怪獣と同程度であれば直線的な兵器は曲げられてしまうかと。射線をコント

 ロールできる実体弾であれば迎撃可能です」


「みさいるとかか?」

「はい、機体の慣性制御のグレードにもよりますけれど重い物を曲げるにはエネル

 ギーの消費が大きいので連続攻撃で対処可能なはずです。形状から潜水艦型にあ

 った大口径ビームによる迎撃システムは搭載されてないようです」

「そなの?」

「はい、潜水艦型には大きな尻尾に人間を搭載してエネルギーにしていたようです

 がそれが確認できませんでした、恐らくですが偵察任務とこちらの迎撃手段を検

 証するための囮ではないかと。」



装武は考える

「よし!じゃあ迎撃無し!ごはんが優先だもんよ!」

肩に乗せたゆみやの腰をナデナデする


破顔した直後の事である装武の顔が引き締まった


「(ご主人様かっこいい!!)」




「来る」



「え?まだ余裕はあるはずなのですが・・・バリスタ!再スキャン!!」


「ハッ」


「そっちじゃない。月の裏側(・・・・)だ。あと一分もしないでワープアウトしてくる」


「申し訳ありません。私の方でもまだ何も確認できません」




「へッ奇襲のつもりか鹿野郎ッ!戦闘だッッ!!!40秒でしたくしなッッ!!」



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