表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男は理に修める体もつ物  作者: 迷烏
1/8

始まり

迷烏として、初の連載作品。

今回はプロローグ、お楽しみください。

「あっ!」

前から来た自転車を慌てて避けようとした結果、手に持っていた買い物袋を落としてしまった。


ガチャン


今、何か嫌な音がしたような……

「あ、すみません」と謝る自転車の運転手の方を見ずに私は袋の中を見る。

音の原因となりそうな物を取り出し、その包装を外す。

「あ……」

そして案の定、音原はそれだった。

前のが壊れてしまったので新しく買ってきたマグカップ。その取っ手がぱっきりと割れ、器部分にもひびが入っている。

せっかく買ってきたのに、壊れてしまったのと同じようになってしまった……

「ど、どうしよう……」

接着剤でくっつくかな……? 取っ手はそれで良いかもしれないけど、ひびの方は難しいかも……


その時、




「……それ、貸してみな」

「え?」

いつの間にか自転車は居なくなり、変わって見知らぬ人が立っていた。

黒髪のショートカット、服もズボンも黒で、真っ黒な男の人。でも、靴だけは白かった。

一ヵ所だけ白い男の人は、私の方に手を伸ばしている。

「こ、これ、ですか?」

その先には割れたマグカップ。

「早く」

奪われるように取られた。

「あ……」

「ふむ……」

ひびや取っ手が取れた部分をまじまじと見る男の人。

「この取れたとこ」

そう言って手を伸ばした。

「え? は、はい」

その手に取れた取っ手を置いた。

「……他に破片は無し、(ひび)も深く無い。なら平気か」

「あ、あの……」

「雀、接着剤」

男の人は自分の後ろに手を伸ばした。でもそこには誰もいない。

「……あ、そうだった」

そして何か思い出したように手を戻し、マグカップに触れた。

「まぁいいか、コレぐらいならなんとか……」

取れた取っ手を元あった場所につける。




瞬間、割れた部分から光が漏れた。




「!?」

光は徐々に消え、完全に消えた時、

「よし」

男の人は取っ手から手を離した。

「あ!」

あのままでは取っ手が落ち――――――なかった。

「あ、あれ……?」

「後は(ひび)か」

男の人がマグカップのひびに指を這わすと、その後から先ほどと同じ光が漏れて、そして消えた。

男の人はマグカップをくるくると回して見ると、

「完璧……ほら」

私にマグカップを向けた。

「え? え?」

よく分からないまま受け取る。

「それじゃ、次は気をつけなよ」

そのまま男の人は行ってしまった。

何だったんだろう……

「……あれ?」

渡されたマグカップを見ると、

「直ってる……」

ひびが無くなり、取っ手の割れ目なく、ぴったりとくっついていた。

接着剤等でくっ付けたようではなく、まるで元から割れていなかった新品のようだ。

「……今の人が?」

名前も告げずにマグカップを直して去っていった。靴だけ白い、黒ずくめな男の人。

いったい、何者なんだろう……


初めまして、あるいはこんにちは、迷烏と言います。

今回は自分の初連載作をお読みいただき、ありがとうございます。

物はいつか壊れる。けどそれを直す男と、それに出会った少女たちの物語。

よろしければ、これからお付き合いのほどを。

感想、いつでもお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ