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第二十九話『島へ!村へ!馬!?』

 

「また船か……」


「だね」


 妙にツヤツヤしているミルと、妙にやつれているナラ。そんな二人に疑問を抱きつつも、とりあえず次の依頼に向かう一行。カンロはカジノに帰った。また島に行かなければならず、また船に乗る。テレポートは行った場所以外に行けないので、ミルにとっては使いにくい魔法なのである。


「じゃ船乗ろうか」


「んで今回もミニ船か?」


「いや、今回はデカい船に乗ります。具体的に言えば……」


「ご……豪華客船……?」


 一行の目の前に現れた船は、なんかもう凄い船だった。何せ、前に二回乗った船を加算しても、まるで足りない程の大きさ。もはや小島レベル。コレが本当に動くのかと思ったが、確かに動くようである。


「えっコレに乗るの!?お金……は、あるのか」


「昨日カジノでバカ稼いできた。追加資金」


 とりあえず金は問題が無いとの事。チケットを船員に渡し、船の中に。とにかく広いしデカい。何ならキッチリ客室と他の場所が分けられている。更に、船の部屋は一人一つ。贅沢に使う事が出来る。


「な、なんかもう……。凄いね……」


「そうだなぁ……。あ、俺はタンスの中に入れててくれ。なんか落ち着くんだ」


「あぁうん……。そうか」


 とりあえずキングをタンスに立てかけておいたナラ。その後、客室を出て船内を回る。


「凄い大きい……。にしても、確か一か月間かけて行くんだっけ?大丈夫なのかな……」


「問題ない」


「あっミル!」


「や、ナラ。次に行くところは、師匠曰くヤバすぎて全然誰も入れてない聖域らしいから、大丈夫」


「……ちなみに行った事は?」


「無い」


 どんな場所なんだよとか思いながら、既にビールを一瓶開けているギンを目撃する二人。顔を見合わせた後、見なかったことにして別の場所に向かう。一応クイーンは持って来ていないようだが、にしても飲み過ぎだぞと思っていた。


「にしても、なんだかいろんな人が乗ってる」


「そうなの?」


「ん。普段はもうちょっと少ないくらい」


 ミル曰く、こんなに人が乗っているとは思っていなかったとの事。確かに豪華客船ではあるが、人の気配がかなり多い。そう思っていると、その中心にいるであろう人物二人を発見する。一人は、バイオリンを弾いているハーピィ、そしてもう一人は、それを守るように立っている、ケンタウロス娘の騎士。


「成程。『エア』のコンサートか」


「……。エア?」


「ん、彼女の名前。エア・クロク。そして隣にいるのが雇われ騎士の『ナイト・ブラン』。通称ナイブ。二人共凄い有名。特にエアの方は私の家にレコード盤がある」


「レコード……?」


「五十年前の物らしい」


 いや、その話が本当なら彼女は一体何歳なの?と、ナラは音楽を聴きながら、ただただ困惑するのみなのであった。


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