わがままトーマス
今回は
ちょっとだけ甘々トーマスのお話。
ユリアへの愛はまだまだたっぷりだぞ!
という事です。
その日、何故かユリアはトーマスに後ろから抱きつかれていた。
「あ、あのトーマス様?」
「ん?」
トーマスはユリアの肩に顔を埋めたまま、全く動かない。
「そろそろ離してください。」
「ダメだ。」
後ろからお腹辺りに回された腕にギュッと力がこもった。
そのうちトーマスがユリアの首にチューチューとキスをし始めたではないか。
「え?あ、あの!え、え?」
いきなりの事で、ユリアも困惑している。
「ト、トーマス様。まだ昼間ですよ。」
「分かってる。」
ポツリポツリと言葉を発する所から見て
どうもトーマスは機嫌があまり良くないらしい。
「……だって。」
トーマスがまたポツリと言った。
「え?」
「俺だって…ユリアと2人きりになりたい。」
「トーマス様…」
思えば、エリアスが生まれてからユリアはいつもエリアスに付きっきりだった。
エリアスが赤ん坊である為、それは仕方のない事。
しかし、最近はエリアスも少し大きくなり
お昼寝の時間などは1人で寝ている事が多かった。
エリアスが生まれる前までは、トーマスが休みの日は2人だけの時間を過ごしていたが
エリアスが生まれてからはそれもほとんぼなくなっていた。
「エリアスの昼寝の時くらいは、俺にかまってくれ。」
トーマス様がわがままになってる…。
「トーマス様、機嫌直してください。」
ユリアはトーマスの腕の中でもくるりと後ろにいるトーマスの方を見た。
「トーマス様?」
ユリアはトーマスの鼻に自分の鼻をくっ付けて、にっこり微笑む。
トーマスがチラリとユリアを見た。
「ね?」
ユリアがまたニッコリ微笑むと、トーマスがユリアにキスをした。
キスは毎日沢山しているが、ちょっとこのキスは違う。
トーマスの本気が見え隠れしている。
「あっ、ちょ…んっ、トーマ…ん。」
ちょっとこれはまずいかもしれない…。
まだ昼間なのに!
エリアスもそろそろ起きる頃だし!
「トーマス様!」
一瞬の隙をついて、するりとトーマスの腕から抜けたユリア。
「まだだ、まだ足りないぞ。」
トーマスの手をどうにかかわし、ベッドから降りたユリア。
その瞬間、廊下の向こうからエリアスの鳴き声が聞こえた。
「トーマス様、今は我慢してください。エリアスも起きましたし。今日は早めに寝室に来ますから。ねっ?」
「ふー…分かったよ。」
トーマスはベッドから降り、ユリアをもう一度ギュッと抱きしめて言った。
その日の夜、我慢を重ねていたトーマスの理性がぶっ飛んでしまったのは言うまでもなかった。




