どこまでも一緒に
ライカは自分の手がしわくちゃになっている事に気づき、驚愕した。
そ、そんな!嘘よ!
ライカは自分の若さを保つ為に、儀式と呼ばれる事を毎朝欠かさず行っていた。
儀式とは、「若い女の血を浴びること」。
この屋敷には沢山の牢屋があり、そこに若い女性が何人も閉じ込められていた。
その女性達から死なない程度に血を抜き取っていたのだ。
「嘘よ!今朝だって儀式をしたのに!」
ライカは気づくとユリア達の前から走り去り、更に地下にある儀式の部屋へと飛び込んだ。
天井にあるいくつもの灯り取りから差し込む陽の光に手をかざしてみる。
「力が…効かなくなっている。」
先ほど自分が見たしわくちゃの手がそこにはあった。
項垂れていると、バタンととびらが開き黒装束のオトコが入ってきた。
「ライカ様!」
「来ないで!」
ライカは自分が老いている姿を見られたくなかった。
「ライカ様…大丈夫です。」
黒装束の男は、ライカの側に駆け寄ると
ライカをそっと抱きしめた。
「ライカ様…もう辞めましょう。貴方はあの方を見返す為にずっと生きてこられた。もう十分です。」
そう言って黒装束の男はまたライカを優しく抱きしめた。
ライカのしわくちゃ目からは涙が流れた。
ライカの力がだんだん失われて行く。
しわくちゃの老人の姿になり、黒く艶やかだった髪の毛も真っ白になった。
黒装束の男は、そんな白くなった髪の毛を愛おしく撫でてライカを落ち着かせる。
「私もすぐお側に参ります。」
「お前には苦労をかけたわね…こんな私の嫉妬に何百年も付き合わせてしまって。」
ライカの声もしわがれていた。
「いいのです。私は貴方を愛しておりますから。」
ライカの瞳はもう濁ってしまって、輝きがなくなる寸前だった。
ライカは黒装束の男の手を握った。
「ありがとう…」
力尽きたライカはどんどんしわくちゃになって、そのまま骨となった。
黒装束の男は、自分の手もしわくちゃになっている事に気がつく。
最後の力を振り絞り手に炎を出した。
部屋中にあるカーテンにその炎を移す。
そして、骨となったライカを抱きしめた。




