私は白金の魔法使い
一方、ライカの稲妻を受け続けるユリアの結界は
そろそろ限界を迎えていた。
「ええい!忌々しい!」
ライカが今までよりも大きな稲妻を出した時、部屋の壁が大きな音を立てて崩れ落ちた。
「ユリア!」
トーマスが姿を現す。
「ト、トーマス様!」
ユリアはトーマスの顔を見て泣きそうになった。
「誰だお前達は。この2人を助けに来たのだな。」
そう言うと、ライカは空いていた方の手で稲妻を作る。
それをトーマス達に向けて放った。
「危ない!」
そう叫んだのはハンターだった。
ハンターは叫ぶと同時に、トーマスとエディを後ろから思い切り突き飛ばした。
そして、自らライカの稲妻の犠牲になったのである。
「うわぁ!」
ハンターはその衝撃で、ユリア達の目の前まで飛ばされてしまった。
それを見たミュゼットがユリアの後ろから飛び出した。
「ハンター様!!」
ミュゼットがハンターに駆け寄る。
「ハンター様、ハンター様!しっかりして!」
ミュゼットの声でハンターが薄く目を開けた。
「ミュゼット…さん…。ああ、よかっ…た…」
ハンターはミュゼットの手を力なく握った。
「お嬢さん、その男は恋人かしら?」
ミュゼットはライカの方を見る。
その目は怒りに燃えていた。
「何てことを!絶対に!絶対に許さないわ!」
「許さないならなんだって言うのよ。イラつくわね…私、恋とか愛とかが一番嫌いなのよ!!まずはその恋人から焼いてあげるわ!」
ライカの手から稲妻がミュゼットとハンターに向かって飛んできた。
「危ない!」
ユリアは結界を作るもう片方の手で辛うじてその稲妻を消し去った。
「トーマス様…みなさんを守ってください。」
ユリアは結界から抜け出て、前に進み出た。
「白の魔法使いごときが私に勝てるとでも?」
ライカは鼻で笑う。
「私は…この国にただ1人の白金の魔法使いよ!私の大切な人達を守るのが私の役目!絶対に貴方に勝つわ!」
トーマスとエディがハンターとミュゼットを助けて部屋の隅に避難したのを見たユリアは、トーマス達の周りに分厚い結界を作った。
「ユリア!魔力は大丈夫なのか!」
トーマスはユリアの魔力が不安定であるとマクゴナルから聞いていたので、気が気ではなかった。
「大丈夫です!どうしてかは分からないけど、大丈夫!」
ユリアはトーマスに微笑んだ。
その目はこれまでとは違う、力強い眼差しだった。




