黒装束の男
トーマスとエディとハンターの3人は
必死に壁を壊していた。
その音に誰も気づかぬ訳もなく、ライカの手下達が駆けつけた。
「何者だ!」
手下の男達が駆けつけても、トーマス達は無言で壁を壊している。
そこにただならぬ雰囲気の男が現れた。
そこ男は黒装束に身を包み、手には大きな炎を出していた。
「魔法使いか…」
今にもその炎をトーマス達に向かって投げつけて来そうな雰囲気にトーマスは壁を壊す手を止めた。
ハンターがその男の顔を見て言った。
「こいつです!ミュゼットさんを拐って行ったのは!」
その声に目を向けた黒装束の男は、ハンターの顔を見て鼻で笑う。
「屋敷にいた腰抜けか。」
「な、なんだと!」
「また俺に吹き飛ばされたいか。」
エディはそのやりとりを見て、トーマスに近づき小声で言った。
「あいつのあの炎…壁に当てよう。」
トーマスはエディの顔をチラッと見て合図をした。
「ハンター、ギリギリで避けろ。いいな。」
「……!!はい。」
トーマスは黒装束の男に向かって言った。
「その炎、どのくらいの力があるのか俺で試してみろ。ハンター!お前は壁を壊していろ。」
「はっ!」
黒装束の男は嘲笑うかのように微笑み言った。
「王宮騎士団の騎士様だったな。」
そう言いながら、手の中の炎を段々と大きくして行く。
「ああ。俺が片手でその炎防いでやる。」
トーマスは片手で剣を持ち構えた。
「ふっ。俺をなめちゃ困るぜ。よっぽど死にたいらしいな…お望みどおり死なせてやる。」
そう言うと、黒装束の男は手に持った炎をトーマス目掛けて投げつけて来た。
トーマスがその炎を剣に当てて壁に向かって避ける。
次々に投げつけられる炎をトーマスは剣で壁に当てて言った。
「くそっ!では、これをその剣で避けられるかな。」
黒装束の男は、今までの何倍もの大きさの炎を出しトーマス達に向かって投げつけた。
トーマスはその炎を見て後ろの2人に呟いた。
「これをギリギリで避けるぞ!」
エディとハンターも手を止めて炎を見た。
その炎が3人にもうすぐ当たると言う所で、トーマスが叫ぶ。
「今だ!」
それと同時に3人はそれぞれ壁から離れた。
「なに!」
その大きな炎は、見事に壁を直撃した。




