謎の発疹
若い団員が中に入ると、トーマスとエディに頭を下げた。
「どうしたんだ。」
トーマスが答える。
「はい!今、衛生班からの知せで団員内で原因不明の発疹が発生したとの連絡がありました!」
「発疹?」
エディが驚いて立ち上がる。
トーマスは冷静に若い団員に手をあげて答える。
「わかった。他の団員に発疹がないか、まず調べろ。発疹がある者は隔離するように。」
「分かりました!失礼します。」
若い団員が出て行った後、エディがトーマスを見る。
「これも計算のうちか?」
「まぁな。」
今から3時間前、トーマスのテントに秘密部隊の人間が密かに訪れていた。
手には小さい麻袋を持っていた。
「マクゴナル様からお預かりしてまいりました。」
「わかった。」
トーマスは素早く受け取る。
「マクゴナル様からの伝言で、1時間程で効果が現れ2〜3日で治るとの事です。」
「了解した。」
秘密部隊の人間は頭を下げたまま、話を続ける。
「ペナン村からの伝言で、相手は明日、明後日には行動に出る模様との事です。」
「分かった。ご苦労だった。」
トーマスがそう言うと、秘密部隊の人間は音もなくテントから消えて行った。
トーマスは食事を作る場所に行き、順調に進んでいるか?と声をかけてまわった。
手の中には先程の麻袋の中身が握られている。
鍋の周りを歩いてみてまわった後のトーマスの手には、既に麻袋の中身はもうなかった。
トーマスがどれかの鍋に入れたのである。
それから2時間程経った今、ようやく効果が現れたのだった。
ふたたびテントの中。
「お前っ!それを団員に食べさせ…」
「静かにしろ。大丈夫だ、腹も壊さん。」
「だからってお前…」
「マクゴナル様に頼んで発疹が出るように薬草を煎じてもらったんだ、見てみろ。」
そう言うとトーマスは自分の手をエディに見せる。
「うわっ!」
エディが一歩後ろに下がる。
なんとトーマスの手にも発疹が出ていた。
「俺は具合も悪くない。あの麻袋の中身を握ったからだ。」
そう言うと、テントから顔を出して外の団員に声をかける。
「おい、誰か衛生班の者を呼んでくれ。」
トーマスがテントに戻ると、エディに言った。
「俺はこれから発疹の出た病人だからな。お前も気をつけろ。」
「えっ!」
「ほら、お前の首に何かあるぞ。」
エディは驚いて、首を触ると何か膨らみがあるのがわかった。
「マジかよ、俺もかよ。」
「とりあえず、お前はここに隔離されろ。何かと都合がいい。」
そう言ってソファに腰掛けた。




