狙われたミュゼット。
長らくお休みして申し訳ありません。
これからまた少しずつ更新して行きたいと思いますので、よろしくお願いします。
無事に屋敷に着いたユリア達は居間に集まっていた。
「ミュゼット、お前は狙われている。」
「わたくしが狙われているってどういう事ですの?」
「エディさん!そんな言い方したらミュゼットさんが怖がります。」
ミュゼットはユリアの腕を掴んだままじっとしていた。
「ユリアさん、大丈夫ですわ。」
ミュゼットは冷静なふりをしているが、ユリアにはミュゼットの心の中の震えを感じていた。
「ミュゼット。」
トーマスがゆっくりと話し出した。
「ミュゼット、お前はある村の生け贄になった娘の生まれ変わりらしいんだ。」
「生け贄…」
ユリアの腕を掴むミュゼットの手に少しだけ力が入った。
ユリアはミュゼットの手をそっと握った。
「この石を見てちょうだい。」
一緒に来ていたコートが「願い石」をテーブルに出した。
「その石…さっきお店にあったものですわね?」
「ああ、そうだ。これはね「願い石」と言ってね、人の願いを封じ込める力があるんだ。」
コートはゆっくりと優しくミュゼットを怖がらせないように生け贄の事を話し出した。
一通り、ミュゼットに話し合えた部屋の中はしんとしていた。
みんなミュゼットの様子を伺っている。
「では、その村の人たちがわたしを捕まえに来るという事なんですね?」
「ああ、そうだ。」
トーマスが頷く。
「捕まったら、また生け贄にされるのでしょう?」
「ああ、だから俺たちが守るよ。」
エディはミュゼットの隣に来て肩に手を置いた。
「ペナン村の伝説を私も少し調べたんだよ。」
コートが話し出した。
「その筋に詳しい人が居てね。その伝説の事も知っていたよ。」
「それはどういう物なんですか?」
「昔、ペナン村が凶作続きだった時に現れた謎の人物が生け贄を出せば救われると言ったそうなんだ。その村の村長の娘は村一番の美人でね、生け贄に選ばれたのさ。娘は村が救われるならばと生け贄になったそうだ。」
「生け贄で本当に救われたんですか?」
ユリアがコートに聞く。
「ああ、それから雨が降り村の畑は潤ったそうだよ。」
「その謎の人物って誰なんでしょう。」
「それは分からないが、おそらく魔法使いか何かだろうね。雨が降ったのも偶然なのか、魔法なのか…。でも、生け贄を差し出して本当に雨が降ったのだから村の人達は信じるだろうね。」
その時、トーマスと王宮図書館で書物を読んだハンターが口を開く。
「書物には、生け贄は200年毎に生き返るとされていました。その娘をまた生け贄にするという事も書かれていました。それは本当なのでしょうか?」
「おそらく、ミュゼットお嬢様がその村長の娘の生まれ変わりなのは間違いないだろうね。この願い石には生まれ変わりを探してほしいという願いが込められていた。その石が光ったんだからね。」
「わたくし…殺されるのですか?」
その言葉に全員がしばらく沈黙していた。




