強引なエディ
エディの屋敷に着いたハンターは、屋敷の使用人に急用の旨を伝えて屋敷の居間で待っていた。
「ハンター、どうした急用とは?」
エディがガウン姿でやって来た。
ハンターは立ち上がり一礼すると、懐からトーマスからの手紙を差し出した。
エディはその手紙を黙って読み、読み終わると近くにあった蝋燭の火を手紙に付けて暖炉に投げ込んだ。
「用件はわかった。明日、トーマスに会ったら任せておけと伝えてくれ。それと、俺は2〜3日その用件で出るからと。」
「承知しました!」
「ご苦労だったな。今から宿舎に帰るのか?」
「はい!そのつもりです。」
「ならば、泊まって行け。」
「え?」
「いいじゃないか。もう仕事は済んだんだろ?」
「は、はい。」
エディはハンターの肩を組みながら言った。
「今、ちょうどミュゼットがこっちに来てるんだ。明日の朝会ってやってくれよ。」
「え!ミュゼット様がですか?」
「そうなんだ。しばらく会ってなかっただろう?」
ハンターは急に顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「とにかくだ!トーマスとお前の事だ、どうせ何にも食べないで仕事してたんだろ。なんか食え!用意させるから。」
「い、いえ!そんな!とんでもないです。」
エディが今の隅に目をやると、そこに待機していた執事が頷いた。
「軽いものでしたら、すぐにご用意いたします。」
「という訳だから、とりあえず食って寝ろ。」
エディはミュゼットから、ハンターに会わせろと散々言われていたので絶好の機会を無駄に出来ないと思った。
「明日の朝、ミュゼットと朝食を共にしてから帰れよ?頼んだぞ?」
ハンターとミュゼットは恋人同士ではないが
2人がお互いに想いあっているのは見ていればすぐに分かる事だった。
「じゃあ、俺は明日も早いからもう寝るぞ。頼んだからなー。」
エディはそう言いながらヒラヒラと手を振って居間から出て行った。
次の日の朝、昨夜久しぶりにあたたかい食事をしたハンターは気が緩んだのか寝坊をしてしまっていた。
いつもなら明け方には目が覚めるハンターが全く起きる気配がない。
使用人から、ハンターが昨夜から屋敷に泊まっていると聞いたミュゼットは普段着から可愛らしい勝負服に着替え、髪型も整えて客間の前に立っていた。
「ハンター様?」
ミュゼットがいつもより少し高い声で小さく上品に部屋の中のハンターに声をかけた。
しかし、中から返事は聞こえない。
「ハンター様?」
もう一度、先ほどより少し大きな声で呼んでみたがやはり返事はなかった。
ミュゼットは静かに客間のドアを開ける。
そこには、ベッドでぐっすり寝ているハンターの姿があった。
ミュゼットはまた静かにドアを閉めた。
その途端、ヘナヘナとドアの前に座り込む。
「ハンター様が寝てるわ!」
ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、ミュゼットはもう一度ドアを開けた。
しばらく見ていたが、ハンターは起きる気配はなかった。
意を決したミュゼットがハンターに近づいて行く。
ベッドのすぐ脇に立ったミュゼットは、ハンターの寝顔を見ていた。
「可愛い…」
ミュゼットは更にハンターに近づいて
ハンターの顔を覗き込んだ。
「ハンター様?ハンター様?」
「ん…ん。」
ハンターがミュゼットの声で、目を薄く開けた。
「!!!…ミュゼット様!」
ガバっと起き上がったハンターは
ボタンを開けたシャツがはだけてしまっていた。
「きゃっ!」
ミュゼットが出て顔を隠す。
しかし、指の間からしっかり見ていたのはハンターは知らない。




