表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編】お疲れ様、いただきます【完結】  作者: 山西音桜
second season
32/74

「普通じゃないかもだけど、私今の生活で満足してるの」


「何してんの、満、琉架。花恋も連れてきて」


 私の部屋にいたのは、弟のみつる琉架るか。それから義理の妹の花恋かれんだ。それから、申し訳なさそうな顔で縮こまっているアーサー君。アーサー君の様子を見るに、多分弟たちが怒っているのは私とアーサー君の関係についてだろう。


「姉ちゃんこそ何やってんだよ! こんな軽薄そうな男、家に連れ込んで! しかももう三か月くらい一緒にいるって?」


 國橋君は黒髪短髪ではあるけど、雰囲気がチャラそうな感じ。こっちは茶髪で少し長い見た目からチャラチャラしている。こちらが双子の弟の方琉架。


「母さんに連絡くらいしなよ、彼氏ができたなら出来たって。母さん心配してたんだからね」


 耳に掛かるくらいの長さでストレートのさらさらな髪を、九割くらい左に流している。えらそうな優等生口調が、満。そして何故かアーサー君の膝の上に座っているのが妹の花恋だ。


「琉架こそ、髪そんなに染めちゃって。校則は? 大丈夫なの?」

「今そんな話してないだろ姉ちゃん!」


 話を逸らそうと思ってたらそうはいかなかった。


「しかもこの人働いてないんだって? そんなの姉ちゃんの彼氏として認められるわけないでしょ」

「別に満に認められる人が、私の彼氏としてふさわしいっていうわけではないから」


 というかアーサー君は彼氏ではないから。


「やだ。姉ちゃんの彼氏は僕が認めた人間じゃないとダメ」


 わがままか。

 というかアーサー君人間じゃないんだけど、つまりアーサー君オールアウトなの?



「俺だってそう思ってるぞ! 姉ちゃんの彼氏は、俺と満で審査してふるいにかける!」

「私に今まで彼氏ができなかったのお前らのせいか」

「それは、姉ちゃんに出会いがなかったせい」


 そこは正論で攻めてくるのか。

 まぁ確かに、オタク女子に出会いはない。二次元にしか興味なかったし、男子が声かけてくる時って、漫画読んでるときに「何読んでるの」くらいだったし。大学は女子大だ。


「というか、私お腹空いたからご飯食べていい? アーサー君、ご飯」

「……わかった」


 アーサー君、呆れた目でこちらを見るのをやめてくれないかな。

 お腹空いたのは事実だし、勝手に押しかけてきた弟たちに気遣うことなんて私はしない。


「レディ、下りてくれ」

「ウン」


 妹の花恋は六歳にしてはおとなしい女の子で、人見知りも激しい方なのだけど、やっぱり女の子だからイケメンは好きらしい。あとアーサー君の紳士っぷりも花恋を虜にするには十分だったようだ。


「っていうかどこで知り合ったのあんな男」

「アーサー君から聞いてない? ホームステイ先で知り合ったの」

「で、職失っておいてまだ何であの人働いてないの?」

「私が働くから、その分家事しててって私が頼んでるの」

「それでも、働こうって思うのが普通じゃないの」

「アーサー君も私も普通じゃないから」


 満は本当に、真面目な優等生という思考回路だ。

 琉架も見た目はチャラいし、同じような人間と関わってるけど、根っこの部分は満と一緒だったりする。この二人が育てる花恋の行く末が心配だ。


「普通じゃないかもだけど、私今の生活で満足してるの」

「姉ちゃん……」


 アーサー君は吸血鬼で、私を好きで。

 私は、アーサー君に恋愛感情は抱いていないものの、アーサー君を拠り所として傍に置かせてもらっている。そういう関係で私たちは落ち着いている。人にどうこう言われたくはない。

 私のことを大事に思うなら、私からアーサー君を取り上げるようなことは、お願いだから言わないで欲しい。


「心配してくれてありがとうね、満、琉架」


 ところで、三人が何故今日ここに来たのかというと、暇だったからというだけらしい。深夜上がりだったらどうしていたんだろうか。満と琉架だけで来たらよかったのに、お母さんが今日はいないからって花恋も一緒に連れてきたらしい。いつもは寝てる時間だろうから、花恋はもう船を漕いでいる。それを指摘したら力のある琉架が花恋を背負って帰っていった。


「何しに来たんだろう」

「この三か月連絡してなかったんだろう。心配してきたと言っていた」

「話したの?」

「五時間ほど」


 そうか。

 それほどの時間になるのか。何してるんだ暇か。

 高校生暇か。というか花恋がぐずったりしなかったものだ。暇で仕方なかったろうに。


「何で私が夕方にいると思ったんだろうね」

「その辺は学生の感覚ということだろう」


 土日が休みだと思っていて疑わない。

 確かに学生の感覚だ。


「花恋は大丈夫だった?」

「宿題をしたり、部屋にある漫画を読んだりしていたな」


 花恋が一番偉いじゃないか。

 双子何やってるんだ。


「アーサー君、なんかごめんね」

「いい。それより腹が空いた」


 そういわれて、私が食事をした後、彼に吸血された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ