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作家令嬢の田舎追放推理日記〜「推理なんてやめろ」と言われましたが、追放先で探偵はじめます〜  作者: 地野千塩
第1部・タラント村編

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番外編短編・新村長の休日

 新村長として、カリスタは毎日忙しかった。表面的な仕事だけでなく、人脈作りや資金くりもあったりする。


 全く休みのない日々だったが、会う約束をしていた議員にドタキャンされ、ポッカリと休みができた。


 家に帰り、一人でボーっとしても暇。結局、カフェに向かい、店員のリズにいろいろ指南をしたり、仕事をしてしまった。


 雨も降ってきたので、リズには早めに帰ってもらい、一人で閉店準備中、意外な客がきた。


 ロゼルだった。


 旧村長秘書で、現在は役所の福祉課にいる。といってもロゼルの方が旧村長の仕事に詳しく、いろいろと今も協力してもらっていたが。


「ロゼル、いらっしゃい。なんか食べる?」

「ええ。コーヒーと軽いビスケットセットを」


 注文するロゼルは、どこか暗そう。元々は真面目で堅実な性格だ。役所ではなぜか女達に嫌われ、変な噂も立てられている女だったが。


「私、シャルルに失恋したみたい」

「そうなの?」


 いつの間にかロゼルの恋愛相談が始まってしまっていた。


 村長のラブレターや横領のことも聞いてしまい、カリスタとしては楽しくはない話題だ。横領も証拠不十分らしく、今更立件は無理だとロゼルは語るが。


 恋愛の話だけでなく、女としての生きづらさを語るロゼルには、共感する。


 一生懸命勉強しても学費の問題で断念したが、役所では村長からのセクハラ三昧、同性からの悪意の噂もきつい。それに主婦層は低賃金パートが暗黙の了解で是とされ、ロゼルのような独身女性が働く所を奪われている問題などなど。


 長年、男尊女卑国家に嫌気がさしていたカリスタはロゼルの言葉に共感しかない。


「しれにシャルルにもあんなに貢いだのにフラれた」

「もうロゼル。男に幸せにして貰おうとか考えない方がいいよ。そうだ、また私の村長秘書やればいい。打倒男尊女卑国家作ろ!」

「カリスタ……」


 いつの間にかロゼルとも仲良くなってしまい、涙目で抱き合うほど。


 結局、その後、ロゼルと共に政治について熱く意見を交わす。カリスタの休日も仕事中みたいなものになってしまったが、悪くない。この忙しさには、充実感を覚えていた。


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