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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第4章; 王国狂騒編
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吉報凶報

 ジョーは雨宿りを継続していた。

 ゆっくりと雨空を見上げもの思いにふけっているようにみえる。


 不意に――腰鞄が震えだす。

(ん、なんだ!)

 驚いて腰鞄に手を置くと中から震えと音がしていた。

 鞄を開け、通信人形を取り出すと――胴体が不気味に光っている。

 ヒュールの説明した通り目を押すと――声が漏れだす。


《お~い、ジョー、聴こえるか?》

「なんだ、ヒュールか、どうした?」

《おまえ、今、どこにいる?》

「あぁ? あぁ……北区の賭博場近く……」

《それなら、ちょうどよかった、実はな、――――》


 ――ジョーはその後王女が誘拐されたという説明を受ける。


「おぃ、本当かよ。それに随分な事じゃないか? それで慌てた声が響いているのか?」

《そうだ、一応、秘密裏に貴族に対しての依頼って事引き受けた。王国も人数か足んないんだろ? 情報開示は早かったぜ》

「そうか……それで、誘拐されたのは前夜祭に参加していたお姫様だよな? 王妃に似た……」

《あぁ、そうだ。ジョーはそのまま北区を探してみてくれ。他にも応援を頼んでいる、ミックは西区にいるらしいからそっちをあたってもらう。俺達の団は東区だな》

「南区はいいのか?」

《いい、あそこは商業地区で入口専門だから可能性は低い。それよりも北区が一番人通りも少ないからそっちに行っているかもな。これから準備して王城を出るから……》

「わかった……探してみるよ。見つけたら連絡入れる」

《了解、たのむ》


 そう言うと――通信人形の音声が途絶えた。


「さてと……この膨大な北区を探しますか……」

【やる気だな、どうした?】

「こう言えば厄介事が逃げていくかと思ってな……」

【アホゥ、ジョーがそれだと向こうから災いが来るというものだ】

「ハッハッ! そんな都合よく行くかよ。まぁ、王女を誘拐っていうコト事態、随分と下種な話しだし。王妃様と知り合う機会だから気合いは入るよ」

【まったく、軽口を叩くな。災いが降るぞ……】

「まッ、ヒュールも遅いかもって思っているから無駄足かもな」


 ジョーは笑いながら煙管を片付けると――奥の通路を見る。


 ソコには――怪しい集団が坂を下りてきた。

 7名程が、なにやら集団をつくり纏まっている。


「おい、アレって……」

 ジョーは自分の境遇と巡り合わせにヤな予感を覚える。


【おぉ、いい時にヒキがあるな!】

「バカいうな。それより何か背負っている……スネーク“力を貸せ”」

【あいよ……】

(まさか……)

 と思いながら、蛇腹刀から力を借りジョーの瞳は蛇のように変化をして――彼はそのまま集団の中間あたりにある2名が木の棒を差して背負っている大樽の中身を見た。

 中に人の体温と形がハッキリと映っている。


「なぁ……アレって子供位の大きさのナニかが入ってないか?」

【うむぅ……正解だな。樽の中に人がいる……】


 そして、怪しい集団は一列のまま脇の路地に入っていった。


「なぁー、スネーク。コレって凶運なのか?」

【強運と思え、それよりも追いかけて裏を取れ。間に合わなくなるぞ】

「はい、はい、じゃあ行きますよ――」

 ジョーはそう言って蛇腹刀を抜き出すと、そのまま家の壁の木の柱に伸ばし、突き刺して。雨の中、屋根の上に飛んだ。


 そのまま空中で上手く身体を入れ替え、屋根にふわりと着地して、すぐに魔力を足に溜め駆けだした。

 そして、ジョーは屋上から敵を追跡し始めた。


「ほッ、ほッ……」

 屋根伝いに跳躍しながらジョーは目標との距離を保っていた。

 そこで――マリーの占いを思いだす。『女性に優しくしなさい』――という、ひどく曖昧な占い結果を――(そうか、子供も女性に含まれるんだな)――そう思いながら怪しい集団の後を屋上から見ていた。

 雨が降り足音をかき消してくれるので追跡するのには苦労は無い。それは怪しい集団も逃げるという意味でも同様だろう。

 相手を(うかが)っていると集団の先頭と後方が周囲を警戒しながら早足で進んでいる事と熟練した動きで警戒しているとジョーは感じる。足運びから暗殺者を思わせるように――。

 人数はもう一度数えたら7名で間違いは無かった。前に3人、中間に樽を担ぐ2人、後方に2人の計7人。

 さらに全員が雨具のような外衣を着ていて顔までは見えない。


「こりゃぁ……闇ギルドの組員か……厄介だな」

【ジョー、流れてくる匂いに血の匂いが混じっているな……それも新しい】

「そうか……ヒュールの話だと衛兵を殺しているらしい。他にも脱出の時に何人か殺しているのかもな……」

【あぁ、こりゃあ本当に“当たり”だな】

「その前に、ヒュール達に連絡だ……」


 ――ジョーは腰から通信人形を取りだした。


***


 ヒュールは持っていた通信人形が振動するのを感知する。

 早速出ると――《ヒュール、みつけだぞ》と小声でジョーが話しかける。


「おい、本当か? 早過ぎない?」

(なんてヒキの強いヤツ……)

 ヒュールは驚愕する。連絡して10分もしない内に連絡を返したジョーに。


《俺も思うけど、怪しい7人組みの集団だ。辺りを警戒して人の入りそうな樽を持って移動中。場所は北区、倉庫街に向かってそうだな》


「倉庫街か……馬車でも乗って酒の運搬とか商人の格好をすれば城門も通れそうだな」


《あぁ、それに、ここからじゃ北の城門まで10分も掛からないぞ》


「そうだな、オレ達も急いでいくよ、武器も預けちまったからな。それより足止めは出来そうか? ヤツらの動きが把握できているのはジョーだけだ? こっちから行っても間に合わないからな」


《城門で止められないのか?》

「無理だな……姫を人質に強行されたら厄介事だ。それにこの計画を練ったヤツらだ、複数の逃走経路を確保しているだろうな。それに現状で移動中の方が奪いやすい」


《おいおい、こっちは独りだぞ……》

「やってくれよ。俺達もいくから……」

《分かったよ……少し……乱暴な手を使う》


 ――最後にそう言ってジョーからの通信は切れた。


「ふぅ、目処(めど)はたったな」

 ヒュールは王城の廊下を歩きながら静かにそう言った。

「ヒュール、ジョー1人で大丈夫なのか?」

 隣にいて話を聞いていたオジュールは相棒(ヒュール)に尋ねた。

「大丈夫だよ。ジョーならな……」

 ヒュールは笑って答える、何かを確信しているように。


「随分は自身だな。そういやぁ~お前。ドレイク討伐話しが来た時、一番にジョー達の援護を頼もうとしていたな」

「あぁ、そうだな……」

「あれって何か確信でもあるのか?」


「そいつは……馬車の中で話そうか?」


 エフレスカが声を出してオジュール達を呼んでいる姿を見て、ヒュールは手で合図しながらオジュールを誘導する。意味深げな言葉を言って。


考察。

ジョーが犯人をみつけるのが早すぎると感じますが――そこは主人公補正のご都合主義と言う事で!

よくある展開です。

まぁ、そうしないとほとんどが手遅れで物語的にアウトでしょう。


考察2

通信人形をジョーがなぜ持っていたかというと――帰ってから返そうとしていました。偶然です。


考察3

ジョーは樽の中の人を確認していました。あくまで蛇の能力です。前に説明した器官ですねピット器官、ヤコブソン器官というものを持っているという設定です。

ちなみに鳥ですとX線が見えるとか見えないとか特殊らしいです。と言う事は……鳥は人間が裸に見えるということでしょうか?



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