第一話 声の主
どうもカクトです!
暇な時にドンドン書いていこうと思うので、これからも読んで頂けたら幸いです。
まだまだ表現下手なところはありますが、
よろしくお願いしますm(_ _)m
……誰かを、俺は追っている…のか?
周りを見ると、のどかな風景が広がっていた。
やわらかい風に揺れる金色の小麦畑。地平線に沈みかけようとしている、暖かくもギラギラと辺り一面をオレンジ色に照らす夕日。
そこに向かうようにして伸びるような砂利道。
そこに、夕日をバックにキラキラと輝く金髪をなびかせながら走る12~3歳ほどの美しい少女。
「ルーク!はーやくー!!」
そう言い、こちらを振り向く少女。
正直、誰かは分からなかった。ただ、大切な人、ということだけは漠然と理解できていた。
──と、その時、視界が真っ白になっていき、
だんだんと意識が薄れていった。
☆☆☆
突然、お風呂に沈んだ時からバァッ!と上がった時のような感覚に襲われ、苦しくなった。
息がうまく吸えず、叫ぶことすら出来ない。
(くっ、なんで、声も身体も…)
──そういう思考をした時、背中が叩かれた。
その途端、詰まった物が無くなったように息が吸えるようになり、訳も分からず泣き叫んだ。
(中3にもなって恥ずかしいけど、それどころじゃねぇ…)
理性はそう言っているが、ダムが決壊したかのように泣き止むことは出来なかった。
☆☆☆
「生まれました、奥様!」
ハァ、ハァと荒く呼吸をしながら赤ちゃんを受け取る、紺色の髪が似合う、赤ちゃんの母セリナ。
「可愛いわぁ、ありがとう、生まれて来てくれて」
優しく頭を撫でながら、愛おしそうに笑顔を向けるセリナ。
おぎゃーおぎゃーという産声を上げる赤ちゃんをあやしていると、
「セリナぁ!!無事かぁ?!」
と銀髪を短くソフトモヒカンのように切り揃えた、
体育会系の顔をした男──セリナの夫ギルが入ってきた。
「元気な男の子よ、ギル。貴方には全然似てないわよ?ふふ」
「そ、そうか、男の子か…あぁ、俺に似つかない可愛い顔をしてる…と、名前は何にするんだ?」
「もう決めてあるの…。『ルーク』…この子は、
『ルーク・フェロット』よ…」
「ルークか…」と自分の心に息子の名前を刻むように何度も呟く。
ある冬の昼、平凡な家庭に男の子が生まれた瞬間だった。
☆☆☆
俺に自我ができた、と表現したらいいのかわからないが、出来たのは1ヶ月ほど経ってからだった。
ふと目を開けると、紺色の髪をした綺麗な女性が俺を覗き込んでいた。
「₰ЖЁИЩ?хш、ЙЙЁー?ΞαΜΑяьф!」
(おはよう?私、ママよー?可愛いわね!)
何を言っているのかは理解出来なかったが、
可愛がってくれているのは何となくわかった。
そのまま抱っこされる──
──うお!こんなに軽々と…ホントに赤ちゃんなんだな、俺…
そのまま部屋を出ると、リビングのような部屋まで連れていかれた。
連れていかれている間に俺は、さっきの事を考えていた。母、とおぼしき女性にかけられたあの言葉。
あれは明らかに日本語でも英語でもなく、この世界の言葉だろう。
ついでに言うと、この1ヶ月間の記憶も少しずつだが思い出してきた。
まだ完全に分かったわけじゃないけど、恐らく俺は『ルーク』と呼ばれている。それ以外は推測は出来るが不明だ。
そこまで考えた所で、リビングのドアを開け中に入ると、中には父と思わしき人がテーブルに座っていた。
リビングを見回してみると、レンガ造りの家でとても広く、部屋からリビングまでが二階から降りてきていたので、一戸建ての家だと予測する。
広々としたリビングには可愛い花瓶に、綺麗な花畑が描かれている絵画等が飾られており、オシャレな西洋風家屋を連想させる。
「ЖшИх、ЮーЫ」(おはよう、ルーク)
優しく父に声をかけられ、「あおあう」と日本語でおはようと返事をしておく。
ちなみに、今のはルーク(推測)と呼ばれているので挨拶だと判断した。(勘だが)
母親に抱きしめられながら椅子に座る。
テーブルには2人分の食事が用意されており、とてもいい香りがする。
何もしないので色々と考えてみる。
そう言えばこの世界、前世の地理で勉強してた中世ヨーロッパ?ぐらいの時代に似ている気がする。
資料集で見た。あれ、まず俺って確か──
──そこまで考えていた時、俺は思い出した。いや、思い出してしまった。
とんでもない速度で迫り来る、黒い濁流。
一瞬にして散ってしまった、親友の翔太。
地震が発生してからの事を、一瞬にして思い出し、
そして、俺があの濁流に飲み込まれたことを思い出した。
その瞬間、悲しみとやるせなさ等が混ざりあったとても不安な感情が、爆発した。
それとともに、身体の内側から鳥肌が立つような、ゾワッと来るような感覚が全身を襲った。
体が砂風呂に入ったかのように熱く、もがき苦しんだ。
一度爆発した悲しみは、止められる事は出来ず、そのまま俺は意識が無くなるまで泣き叫び続けた。
☆☆☆
「おはよう、ルーク」
1ヶ月前に生まれたばかりの息子、ルークに優しく声をかける。
俺は『ギル・フェロット』。22歳の冒険者だ。
妻は『セリナ』で、つい1年ほど前に俺から結婚を申し込んだ。
セリナとは幼馴染で、俺の親父や母親、冒険者のジジイ共から小さい頃から剣や魔法を教えて貰っていた。
成人してからは冒険者として自立して、セリナを含める5人でパーティを組み、生活してきた。
元々いろいろと仕込まれていたこともあって、着実に実力をつけてきていた。最近は安定していて、
資金にも随分と余裕が出来るようになったので結婚したのだ。
そんなギルだが、最近はとても癒される毎日だ。
ルークはとても泣き虫だ。夜中はほとんど寝られない程に泣くのだ。まるで悪夢にうなされているようだった、と今は思う。
──と、その時、「あおあう」とルークからの返事がきた。しかもウルウル目線付きで。(そう見えるだけだが)
かぁっっわいいいぃぃぃいいいい!!!
と、涙を流しながらガッツポーズをしておいた。
そして食事をとり始めたとき──
──突如として魔力がバケツ1杯分?とでも言えばいいのだろうか、その量がリビングにばらまかれた。ただの魔力なので何の害もないが、その魔力を感じ取った大元──ルークを見た。
ルークはこれまで見た事がないくらいの勢いで泣き叫んでいた。
「ど、どうしたルーク?!大丈夫か!」
慌ててセリナの所へと駆け寄る。
「えぇ、今は泣いているけど、魔力が空っぽになっただけだわ。今は無理に体力を使って泣いてるみたい。そのうち寝てしまうわ」
「そ、そうか…」
その言葉を聞いて安心するギル。
ひとまずはルークが泣き止むまで見守った。
☆
安らかな寝息を立てているのはルークだ。
あれから少しして、ルークは泣き止み、今はぐっすりと眠ってしまっている。
そこでルークは、気になっていた事を聞いてみた。
「なぁセリナ、魔力の暴走?なんて赤ちゃんの時になんて起こるのか?」
と、何やら破裂しているようなジェスチャーも交えてきいてみる。
「いえ、聞いた事ないわ、そんな事…。
それより、それはやっ・めっ・てっ!!」
と可愛らしい脹れっつらをしてギルを睨むセリナ。
「ご、ごめんよ…。んんっ、それじゃあ、ルークの暴走は俺らの遺伝によって魔法制御が色濃く受け継がれているってことか?」
「えぇ、多分そうだと思う、の、だけれど…」
とても自信なさげな様子のセリナに、心配が募るギル。
「……いえ、大丈夫よ、ギル。安心して?」
「あぁ、もちろんさ。信じてるよ、セリナ」
雰囲気が軽くなり、気持ちも持ち直した2人だったが、ここで色々と話をすることにした。
「どうしていきなり魔力が爆発しちゃったのかしら?考えれる原因は…特に無し、か…」
「ん〜、考えても分かんねぇんだし、お前の師匠に聞いてみたらいいんじゃねーか?」
「そうね、先生なら何か知ってるかもしれないし、手紙を送ってみるわ」
ひとまずはどうすることも出来ないので、セリナの師匠へ連絡をとる2人。その後、同じパーティメンバーや父や母、聞ける所には全て聞いてみるのだった……。
「それにしても…あの爆発の時に感じたあの魔力の感じ…ドラゴン?…いえ、竜?」
☆☆☆
周りは真っ暗で、何も見えない。
今は浮遊感のようなものが全身を纏っていて、
とても温かいぬくもりに包まれていた。
『汝、我に力を示せす時、我、そなたにもそれ相応の対価を支払うと、今ここに誓おう』
『また力を出せる時に、ここに出てこよう』
一寸先も見えない暗闇の中で、向こう側から声が聞こえた。
とてもカッコイイ、ナイスボイスだ。
だが、
『直に会うまで、頑張るのだぞ』
その声を聞きとどけた後、
俺の意識は沈んでいった……。
読んで頂き、ありがとうございます!!
今はまだ話数が少ないですが、これからも頑張るので、今後ともよろしくお願い致します!
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