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駅に戻った曽山と石原と俺は、それから三十分待って鈍行列車に乗り込んだ。新大阪駅から新幹線に乗り、東京に戻るのだ。
まだ、午後四時を過ぎたところだった。電車の中は、これでもかというくらい空いていた。
こうして、俺の墓参りも終わりを迎えた。二年ぶりの故郷を去り、俺はまた、終わりの知れない旅に出る。だが、二年前、世界旅行に出たときとは、気分はまったくの別物だった。
ダメかもしれない。
これ以上、ほっつき歩いたところで、何も変わりはしない。繰り返し繰り返し、絶望を突きつけられるだけではないか。
曽山と石原も、同じ気持ちだろう。憔悴し切った顔で、電車のシートに体を預けていた。
三人が三人とも、一言も喋らなかった。胸の中が悲しみに満ちていた。
いいや、そうじゃない。お前たちは、まだやり直せる。俺が、回数券なんかを使って、どう頑張ってもできなかったことを、お前たちはやってくれたじゃないか。
この世は生きている奴らの物だ。お前たちには、まだ命がある。人生が残ってる。
やがて、電車の揺れが、二人を眠りに導いた。
俺は、ブルゾンのファスナーを下ろし、中から、最後の回数券を取り出した。
「これで、最後…」。呟いて、ミシン目を破る。
電車の中の景色が、一瞬で白い霧に包まれた。




