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一話

初投稿です。

短めかもしれません。

 俺には二回分の前世の記憶がある。



 ――――――俺はシュゲーツという世界のラーラニア王国に生まれた。

 この世界では魔法が使える。ただし、選ばれた人間しか魔力……魔法を使うための力がない。そして俺は、魔力を持っている“魔力持ち”だった。そして俺の親はそのことを知ってすぐに魔法が使える人が集められる施設へと売り払った。だから俺は実の親の顔も知らないままだ。施設の奴からは「金額が高かったから即決だった」と聞けばその両親は本当にクズだなと今なら思う。

そして俺が入れられた施設はとてつもなく子供の扱いがひどかった。大人は子供に対して命令をする。子供はその命令に従わなければ暴力を振るわれる。それが当たり前だった。そんな中育った俺は大人に対して従順だった。まあ、ため込んでいただけだし、心の中ではいつも大人を貶していたけどな。

 十五歳になるころには周りの元々歳上だった子供が大人になり、他の大人と一緒に命令をしていた。そう、ここの施設では大人になれば子供に命令できる。そういうルールだから、大人になった子供も子供に命令できる。……こんな説明しても吐き気がするだけ。もうこんなことは考えないでおこう。

 ラーラニア王国では、十五歳未満は魔法を使えないという法律がある。十五歳未満だと魔法が暴発(ぼうはつ)する危険性があるからだ。だから今までどれだけ勉強しても、どれだけ魔力があっても、魔法が使えなかった。この頃の俺は魔法に関する勉強をすることだけが生きがいだった。心待ちにしていた魔法をもうすぐ使える……!

そう、楽しみに待っていた。そして――どうしてこうなった……? 俺は城の謁見の間で(ひざまず)く状態のまま、今までの出来事を思い出した。



 俺が一番最初に使った魔法。それは間違いなく水を出す魔法だった。俺は今まで見下してきた大人たちを少し見返そうとして「魔力量は少しだけでやれ」と言われていたのを少し多めの魔力量を使った。イメージは完璧だった。基準の魔力量から計算するに俺の目の前に出てくる水の玉は、三十センチくらいの大きさ……だと思っていた。目の前に現れた水の玉は十センチから徐々に大きくなっていった。予想していた三十を超え、どんどん大きくなっていき――――三メートル程の球状の水が目の前にできた。

「な、なんだ!? これは……」

「おい、どうした、って!?」

「お、お前、全力を出すなといっただろ!!」

騒ぎを聞きつけた大人たちが駆け付け、元々俺についていた大人は俺に怒鳴った。だが、怒られるのは違うと思う。俺は“全力”を出していないのだから。

「お言葉ですが、俺は全力を出してはいません」

それを聞いた大人たちは皆俺を見てぎょっと目を見開く。

「嘘を言うな!!」

そこで俺はキレた。

「本当だって。なら、“本気”見せようか?」

そういい俺は空の方へ手を伸ばす。――魔法はイメージだ。目をつぶり、大きい水の玉をイメージする。さっきの魔力量であの大きさなのだから、この魔力量ならば……!

次に目を開けた瞬間、一番最初に目に入ったのは宙に浮かぶ水の塊だった。

(あ、やり過ぎた……)

だが、これで当初の見返すという目標が達成された。なにせ――――

「なんだ……! この水の量は……」

そう俺の“全力”を目の当たりにした大人たちが次々に慌てる。

「なんだ、これは!?」

「この水の玉、王都の上空を囲っているぞ!?」

「これ、どうするんだよ……」

等々。そして、言い出した張本人はというと……

「………………」

泡を吹いて倒れていた。俺は水の塊に視線を戻すとぱちんと指を鳴らす。そのとたん、ぽつ、ぽつと雨が降ってきた。その後数秒も経たずに土砂降りになった。その後一時間ほど王都だけで謎の雨が降り続いた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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