表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/41

下手な鉄砲

「スパイ蜂をおびきよせるだけなので、刺される心配はありません。」

 調査団は、村人におとり役を協力させようとしたが、そんな物好きはいない。

「安全なら自分たちが入ればいい。」

 村人の指摘はもっともだ。


「われわれは学者なので、それでは追跡ができない。」

 こんな言い訳、普通、素人でもいわないだろう。彼等も本心では、政府におしつけられて困惑していた。しかし、税金で作ったものを全く使わなかったら、いつぞやのマスクのように何を言われるかわからない。


 生餌で無ければ無駄だと解っていても、しかたなく、猿の死体を入れて設置した。それでも、彼等はいくつか人目につかない檻に果実などをぶら下げた。

「猿が誤って檻に入ったんなら仕方ないよな。」


 数日後、見に行くと案の定、死肉には蜂が近づいた形跡は無かった。檻の周囲には、熊や猪が暴れた後が残っていた。果実を置いた檻のいくつかには猿がかかっていた。麻酔を射ち、外から見えないように厳重に梱包して、研究所へ運ぶ。

「絶対に撮られるな。騒ぎになる。それに万一、蜂が産卵していたら危険だ。」


 一体の猿に、見たことの無い吸血痕があった。しかし、卵は確認されなかった。政府は、その檻のあった場所付近に蜂がいると判断した。飛行能力から考えて、蜂のテリトリは数キロ四方はあるだろう。ただ、産卵対象の範囲はもっと小さい可能性があると推測された。


「蜂の姿は小さすぎて、映像では確認できませんでしたが、警戒音や飛行音は記録されていました。これらを解析することで、生活圏を特定することができると考えます。」

 政府は、成果を大々的に発表した。掃除機の成功の宣伝するためだ。実際には、檻しか使ってないが。

「野生の猿を狙って捕獲したんですか?」

「たまたまです。蜂が、血液意外に何を好むのかわからないため、色々なものをおいてみました。たまたま、猿がかかってしまった。おかげで成果がでました。今回の功労者である猿君はいずれ野生に戻ってもらいますが、傷が完治するまでは、丁重にもてなすつもりです。」

 記者の質問に、しれっと総理は答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ