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科学的予測

「殺人蜂は、放っておいても将来、絶滅する。」

 蜂類の科学者の予測だった。

「われわれは、地球上の環境変化に基づいて蜂の生息可能域と捕食される生物の生活圏を予想しました。」


「それは、いつなんだ。」

 記者の質問に、専門家は

「当面は増殖しますが、やがて地球は温暖化し、蜂の生息域が南下をすれば、多くの生物との縄張り争いが発生します。天敵となる生物も現れます。森林の減少などで、生活環境が悪化し、絶滅します。」

 と、平然と答えた。

「100年後ぐらいですか?」

 あいまいな答えに、痺れを切らした別の記者が尋ねる。

「いや、もっとかかるかもしれません。」

「では、一千年後?」

「早ければそれぐらいかもしれません。我々の試算では、一億年から百億年です。」

 それを聞いた記者たちは、一瞬言葉を失った。


 そんなの人間が生存しているかすらわからないじゃないか。そもそも50億年後には地球が太陽に飲み込まれるといわれている。


 真面目な研究者もいるが、こんな助成金目当ての研究者もおり、情報は錯綜した。そんな中で、ハナたちは、蜂を行方を追い続けた。

「どうやら、蜂たちは転々と住処を移動しているようだ。」

 人間との戦いで、一定のところに留まり続けることは危険だと学習したのだろう。産卵場ではない巣に固執する意味がないと悟ったのかもしれない。


 冬になると、蜂たちの活動が鈍くなり、見つけることが難しくなる。いまのうちに、越冬するであろう場所を確認しておかなければ。

 それは、政府も同じだった。そこで、調査団を村へ派遣することを決めた。村には、あのゴミと揶揄された捕獲器がいくつも送られてきた。


「山掃除でもすんだろか?」

 沢山の掃除機をみて、村人たちは呆れた。

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