フクロウ喫茶
街にフクロウ喫茶が出来た。こんなフクロウだらけの田舎に需要があるのかと思ったが、オーナー制でお客は会費を払えば自分の気に入った子の画像を配信してもらえる。昼間はあまり動かないフクロウだ。カメラを常に移動させる必要もない。複数のカメラの画像からAIが最適なものを送信してくる。話しかけることもできる。マンションやアパート暮らしの女子に人気らしい。
「オーナーさんがお客と会話することで、リモート接客になりスタッフが接客する必要がないんです。中には、餌やりの指導をしてくれる方もいます。初めての方は、二人、三人で一羽をシェアされてますね。同じ子のオーナーさんが集まって、よく女子会をしてます。」
テレビで取り上げられ、ハナはなるほどと思った。客が客を呼ぶとはこのことだ。コロナ禍を逆手に取っている。
「オトナシ・カムリ」
喫茶店の名だ。
ハナは気になって出かけた。中学生なので、さすがにオーナーと言うわけには行かない。紅茶を飲みに寄るのがせいぜいだ。
「すいません、店の名前のカムリって。」
店長の女性が奥から出てきた。かっぷくのいいおばちゃんだ。
「フクロウの王の名前。他に意味はないわ。実際につけたのは娘なの。大学生だからたまにしか帰ってこないけどね。」
クフトのいる学校だった。LINEで確認する。また数日たって返事が返ってきた。
「研究生でいるよ。フクロウ喫茶の話をが出て、フクロウの王の話をした。」
「なんですぐ返信できないの?」
ハナは少々苛立った。
「学内には同姓同名だっているんだ。本人に確認してからじゃないと個人情報なんてだせるか。」
今度はすぐに返信があった。
「男ってなんで杓子定規なんだ。やっぱり、あいつは苦手だ。」
それからしばらくした後、フクロウ喫茶のおばちゃんから娘が帰ってきたと電話があった。ハナはいそいで、店に向かった。
「ごめんください。」
恐る恐るドアを開けたハナに
「やあ。」
聞き覚えのある嫌な若い男の声が聞こえた。




