推理
新王の正体については記載がなかった。
最も有力な説は千年周期の彗星が衝突するとうものだった。舞い上がった塵により氷河期が訪れ、太古の未知のウィルスにより地球の半数以上の生物が消えるのではないか。その後の千年間、地球は凍り続け、人類は滅亡する。
他にも宇宙人により平和がもたらせるという楽観的な説や、巨大なUMAにより都市が破壊されるという荒唐無稽と思われる説まで囁かれていた。
ハナは考えた。
初めの厄災は、大津波のことではないか。3.11の東日本大震災では原発事故もあいまって多くの人々が散り散りになったままだ。
第二の厄災は、近年の大雨による河川の氾濫や土石流のことだろう。
最後の厄災は、まさにコロナ禍そのものだった。
やがて、新しい王が来る。それはきっと、人に代わって地球全土に広がる何かだ。目に見えない存在。大きすぎるのか、小さすぎるのか。はたまた、遠くなのか、地中や深海に潜んでいるのか。アメリカや中国などの大国による、AIやロボットを使ったデジタル王朝も考えられる。
ハナはふと思った。
「こんな小さな変化なのだろうか?」
自分の知識ではおよばないような、もっと大きな何かなのではないか。だから古代の人は、具体的に表現できなかった。そう思うと、急に背筋が寒くなった。
冬休みは大学も休みだ。ハナはクフトにLINEで質問してみた。すぐに既読になったが、返事はこない。大晦日で忙しいのだろうか。
三元日がすぎて、やっと返事が来た。みると、URLが一行記されているだけだ。
「はあ?」
ハナは少々怒り気味にクリックした。すると、長々と書かれたホームページへが開いた。
「新手のいやがらせか?」
ご質問の回答は数文字で書けるものではないのでこちらに記載します。
「新王の正体」についてですが、破壊の王「アンナ・カムリ」と呼ばれているため、3つの厄災でもって人類を滅ぼすものと訳されていますが、サヨリ様は同時にすべてのカムリを束ねる者達も出現すると語っています。両者が生物なのか機械なのか、はたまた思想なのかは語られていません。
文章はさらに何倍も続いていたが、読む気力を失った。これを記すのに三日かかったのだろうか?真面目なのか、ふざけているのか。春になったら、束ねる者達についてサヨリ様に直接聞いてみようとハナは思いながらスマホを閉じた。




